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夏*石
計測器向けPCBA微細ピッチ実装技術ハンドブック
記事
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Dec 12.2025, 09:53:14
一、はじめに計測器は小型化と高精度化が加速しており、PCBAに搭載される部品も01005サイズ(0.4mm×0.2mm)やBGA、QFPなど、ピッチ0.5mm以下の微細ピッチ部品が急速に増加しています。微細ピッチ実装ではブリッジ、未はんだ、空洞率超過が発生しやすく、業界平均の不良率は3%から5%に達し、計測器の信頼性を大きく損ないます。PCBGOGOはクラス10000無塵室とシーメンス高速マウンタを導入し、01005部品の実装精度は±50マイクロメートルを達成しています。これまでフィリップスやシーメンスなど多くの計測器メーカーへの量産対応実績があります。本稿ではIPC A 610Gに基づき、PCBGOGOのSMT実装ノウハウを交えながら、微細ピッチ実装における工法最適化、検査基準、品質管理手法を体系的に解説し、不良率を0.3%以下へ抑制するための指針を示します。二、微細ピッチ実装の主要課題と標準要求2.1 微細ピッチ実装の主要課題部品サイズが極小であり、01005部品のパッドは0.2mm×0.1mmと非常に小さく、はんだ印刷精度と位置合わせ精度が高いレベルで求められます。はんだ量の誤差が10パーセントを超えるだけでブリッジや未はんだが発生します。BGAはピッチ0.5mm以下、QFPは0.3mm以下のため、濡れ性不足やブリッジが発生しやすく、さらにBGA下部などは外観から確認できず、内部空洞や未接合の検出が困難です。また、センサーなどの熱に敏感な部品は回流温度が不適切な場合に損傷しやすいため、温度管理も大きな課題です。2.2 業界標準要求IPC A 610G Class3(計測器向け)では空洞率5パーセント以下、ブリッジゼロ、濡れ角30度以下が求められます。IPC J STD 001でははんだ印刷厚みの許容誤差±15パーセント、実装位置ずれ±30マイクロメートルが規定されています。IPC 7095ではBGAのせん断強度は1.5N以上、亀裂なしが基本要求です。2.3 不良の根本要因はんだペーストの粒度が適合していない、鋼板開口寸法の不適切、貼付位置精度不足、回流温度プロファイルの最適化不足、X RAYやAOIによる精密検査不足などが主な原因となります。三、微細ピッチ実装の工法最適化3.1 材料選定と設備要件はんだペースト01005向けには粒度2から5マイクロメートルの無...
夏*石
計測器向けPCBの低温漂対策 材料と工法の最適化による安定性向上ソリューション
記事
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Dec 12.2025, 09:53:07
計測器や産業用コントローラ、屋外監視装置、医療機器などは、?40℃から85℃という広い温度範囲で使用されることが一般的です。このような環境では、PCBの温度ドリフト性能が測定精度や装置の信頼性に直結します。業界データでは、低温漂対策を行っていないPCBの場合、温度が10℃変化すると抵抗値が2%から5%変動し、容量値の偏差が10%を超えるケースもあり、最終的に計測誤差が大幅に増加します。PCBGOGOは電子製造分野で10年以上の経験を持ち、4つの自社生産拠点、環境試験設備、材料開発力を活かし、計測器分野向けの低温漂PCBソリューションを提供しています。既にハイアール、九陽、魚躍をはじめとする企業に採用されており、本稿では低温漂の主要要因を踏まえながら、材料選定、製造工法、設計改善の実践ポイントを解説します。低温漂に影響する要因と評価基準1. 低温漂の主要評価指標計測器向けPCBでは以下の3項目が重要な指標となります。電気抵抗温度係数 TCR銅箔のTCRは1.5×10??/℃以下が望ましく、これはIPC-4562の基準に準拠します。誘電率の温度安定性温度が10℃変化した際、誘電率εrの変動が±0.05以内であること。寸法安定性温度サイクル試験後の板厚変化率が±0.5%以内(GB/T 4677-2017 5.8項)。2. 低温漂を左右する核心要因基材の特性一般的なFR-4は温度上昇に伴い誘電率が増加しやすく、TCRも高い傾向があります。高TGや低損失基材(生益S1130、Rogers RO4350B)は温度安定性に優れます。銅箔の品質電解銅箔は圧延銅箔に比べTCRが高く、厚さのばらつきが温度ドリフトの原因となります。製造工法積層温度の不均一や樹脂の未硬化により内部応力が残留すると、温度変化時に変形や性能変動が発生します。表面処理スプレー式はんだ(HASL)は低温環境で脆化し、接触抵抗が変化しやすいため、ENIGやImmersion Silverがより安定します。3. 業界でよくある誤認?基材ばかりに注目し、銅箔や製造プロセスを軽視する?常温試験のみで環境耐性を評価してしまう?温度補償回路を設けず、PCB自体の性能に依存する低温漂PCBを実現する総合最適化戦略1. 材料選定 温度依存性を源流から抑制基材?産業用計測器には、SHENGYIS1130(TG=170℃、TCR=1...
夏*石
微細ピッチパッドの生存法則 0.3mmピッチでも安定実装を実現する方法
記事
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Dec 12.2025, 09:53:01
一 はじめに昨今の計測器や精密機器は高精度かつ小型化が強く求められており 0.3mmや0.4mmの微細ピッチパッドが当たり前のように使われています。しかし多くのエンジニアはこの微細ピッチに苦戦します。0.3mmは髪の毛より細く少しでもずれるとブリッジや未はんだが発生し歩留まりが大きく低下します。製造現場でも微細ピッチは非常にシビアでわずかなズレで不良になり生産効率が大きく落ちるとよく言われます。PCBGOGOは微細ピッチ実装の経験が豊富であり貼付精度は±30ミクロンを実現しています。0.3mmピッチのパッドでも安定してはんだ付けできます。本稿では生存法則という形で微細ピッチパッドの実装ポイントを解説しブリッジや未はんだの悩みを解消するための実践的な方法を紹介します。二 微細ピッチパッドが難しい理由2.1 微細ピッチパッドの生存環境の厳しさ微細ピッチパッドはピッチが0.5mm以下であり最大の課題はスペースが極端に狭いことです。隣接パッドとの距離が通常の半分以下であるためはんだペーストの量が少し多いだけでブリッジし少し足りないと未はんだになります。さらに部品搭載が0.05mmずれるだけで実質的なピッチが17パーセント縮まりはんだ付けが破綻します。まるで狭い廊下を歩くように少しでも動きが狂うと壁にぶつかるような状況です。2.2 業界標準が示す最低ライン微細ピッチは好き勝手に設計して良いものではありません。IPC 7095では明確な基準が定められています。例えばはんだペースト厚が0.1mmの場合パッド間距離はその2倍の0.2mm以上が必要です。またBGAの微細ピッチではボイド率5パーセント以下 IPC A 610G Class 3ではブリッジはゼロであることが要求されます。このレベルに達しなければ高信頼性が求められる計測機器では使用できません。2.3 よくある失敗原因鋼板品質が低い 普通の化学エッチング鋼板は開口部のエッジが荒くはんだ量が安定せず0.3mmピッチでは破綻しやすい。搭載精度不足 古いマウンターでは0.1mm以上の誤差が発生し微細ピッチが実質的に無ピッチ化する。リフロー条件が不適切 温度プロファイルが最適化されていないとブリッジまたは未はんだの原因になる。PCB設計の問題 パッドサイズ不揃い やソルダーレジスト開口過大などでペーストが広がりブリッジが増える。三 ...
夏*石
計測機器向けPCBのパッド間隔“ソーシャルガイド”
記事
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Dec 12.2025, 09:52:54
1. はじめに計測機器のPCB設計に携わるエンジニアであれば、一度はパッド間隔に悩んだ経験があるはずです。パッド同士を近づけすぎると、リフロー後にブリッジやショートが発生し、不良率が5%近くまで上がることがあります。逆に広げすぎると、基板サイズが無駄に大きくなり、機器の小型化要求に対応できません。さらに「材料を節約したい」という理由だけで0.08mmまで攻めてしまうと、量産時にAOIが頻繁にアラームを出し、リワーク地獄に陥るケースも珍しくありません。PCBGOGOは120万件以上の案件を対応してきた「PCBのプロ」として、パッド間隔が原因のトラブルを数多く見てきました。本記事では“ソーシャルディスタンス”という考え方を使いながら、パッド間隔を最適化するポイントを解説します。近すぎず、遠すぎず、良率99.9%を目指すための実践的ガイドです。2. 核心技術:パッド間隔の“黄金ルール”2.1 パッド間隔は“感覚”ではなく標準で決まるパッド間隔はエンジニアの勘ではなく、IPC規格で明確に定義されています。IPC-2221では、計測機器向けPCBの一般的なパッド間隔は、パッド直径の1.2倍以上、もしくは0.1mm以上のいずれか大きい方を採用することとされています。例えば、0402パッケージのパッド直径が0.8mmの場合、間隔は1.0mm以上が必要です。01005のような超小型パッド(直径0.2mm)でも、0.1mm未満にはできません。さらに0.5mm以下の微細ピッチパッドの場合はIPC-7095に従い、パッド間隔は使用するはんだペースト厚の2倍以上を確保する必要があります。これを守らないと、リフロー時に容易にブリッジが発生します。2.2 近すぎても遠すぎても問題が起こる理由間隔が小さすぎる(0.1mm未満):はんだペースト印刷時に隣のパッドとつながりやすく、リフロー後にブリッジが発生します。リワーク時にも再び流れやすく、修正を重ねるほど悪化することがあります。間隔が広すぎる(0.5mm以上):安全に見えて、実は基板面積のムダにつながり、計測機器の小型化メリットを失います。また、パッド間隔が広いとリードの力のかかり方が不均一になり、振動環境ではんだクラックが発生しやすくなります。製造要件を考慮しない:設計段階で間隔だけを見て、製造条件を忘れてしまうケースもあります。例えばPCB...
夏*石
PCB設計にはどのソフトを使うべきか
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Dec 12.2025, 09:52:47
PCBは電子機器の骨格となる重要な基板であり、その設計品質は最終製品の性能と信頼性に大きく影響します。適切なPCB設計ソフトを選ぶことは、エンジニアやメーカー、学生など、あらゆるユーザーにとって重要な工程です。現在のPCB設計ツールは大きく分けて専門向け商用ソフト、無料オープンソースまたはオンラインツール、そして近年注目されている国産EDAの3カテゴリに分類できます。本稿では各ツールの特徴を整理し、用途に応じた選び方を紹介します。専門向け商用ソフト 高度な製品開発の主力選択肢機能の充実度やサポート体制を重視する企業では、商用EDAが主流となっています。Altium Designerは国内外で高いシェアを持つ統合型PCB設計環境です。原理図、PCBレイアウト、3Dモデリングなどが一貫して扱える点が大きな特徴で、直感的な操作性と豊富な学習リソースにより中小企業やコンシューマー向け製品の設計に適しています。ただし、超高速設計分野では最上位ツールと比較するとやや弱い部分があります。Cadence AllegroとOrCADは高密度実装や高速信号処理に強く、業界標準とも言える存在です。SI解析や高度なルール設定機能が充実しており、通信機器や航空宇宙など複雑な設計を扱う企業で多く採用されています。一方で、習得コストやライセンス費用が高く、大手企業向けのソフトといえます。Mentor Graphics(現 Siemens EDA)のXpeditionは自動車電子など大型システム設計に強みがあります。PADSはコストパフォーマンスが良く、プロフェッショナル向けでありながら導入しやすい点から多くの設計会社に利用されています。無料オープンソース/オンラインツール 入門から小規模プロジェクトに最適高機能を求めないユーザーや、コストを抑えたいエンジニア、学生には無料ツールが有効です。KiCadは最も完成度の高いオープンソースPCBソフトで、Windows、macOS、Linuxに対応し、最大32層の基板設計や基本的なシミュレーション機能も備えています。コミュニティ発のライブラリや情報も豊富で、ホビーユーザーや教育用途に広く使われています。ただし、大規模設計では商用EDAに比べ処理効率が低い場面があります。DesignSpark PCBは無料で利用でき、操作がシンプルで初心者に適しています。...
夏*石
高信頼SMTはんだ付けを実現するための回流プロファイル最適化ガイド
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Dec 11.2025, 14:57:04
急速に進化するエレクトロニクス製造業において、表面実装技術(SMT)は小型-高速-高信頼デバイスを支える基盤となっています。SMT組立の成否を左右する重要工程が回流はんだ付けであり、その品質は「回流プロファイル」の最適化に大きく依存します。本記事では、回流プロファイルの必要性、4つの主要ゾーン、そして高品質なはんだ接合を実現するためのベストプラクティスを詳しく解説します。回流プロファイルがSMT品質を決定する理由安定したSMT実装を実現するには、回流プロファイルの精密な制御が不可欠です。これは、はんだペーストが固体から液体、そして強固な接合へと変化する全プロセスを管理するための熱処理工程です。回流プロファイルが重要である主な理由は以下の通りです。1. 信頼性の高いはんだ接合を形成する適切なプロファイルは、予熱-浸漬-リフロー-冷却という流れの中で、はんだが理想的に溶融-濡れ広がり、強固な接合を形成することを保証します。2. SMT不良の発生を防止する温度制御が不適切だと、以下のような不良が発生します。コールドジョイント立ち上がり(墓碑)ブリッジボイド適切なプロファイルはこれらの発生を最小化し、電気的-機械的信頼性を向上させます。3. 部品の熱ストレスを低減する基板には熱容量が異なる小型-大型部品が混在します。最適なプロファイル設定により、熱敏感部品の過熱を防ぎつつ、大型部品には十分な熱量を供給できます。4. フラックス活性化を最適化する温度勾配と浸漬時間が適切であれば、フラックスが酸化物を効果的に除去し、濡れ性およびはんだ付け性が向上します。5. 一貫した品質と高い歩留まり標準化された回流プロファイルは工程再現性を高め、大量生産での歩留まり向上とリワーク削減につながります。6. 高信頼PCBAを支える必須要素最適なプロファイルにより欠陥のないはんだ接合が形成され、高性能で信頼性の高いPCBA製品を実現します。効果的な回流プロファイルを構成する4つの主要ゾーン最適な回流プロファイルは以下の4つのゾーンで構成され、それぞれがはんだ品質を左右します。1. 予熱ゾーン:制御された昇温予熱ゾーンでは、温度を1.0?3.0°C/sの速度でゆっくり上昇させ、150°C前後まで昇温します。この工程の目的は:はんだペースト中の溶剤-揮発物の除去はんだの飛散やはんだボールの防止熱敏感部...
夏*石
回流前AOIと回流後AOIの最終ガイド 違いと役割
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Dec 11.2025, 14:56:57
部品実装密度の増加やゼロディフェクト要求の高まりにより、自動光学検査(AOI検査)は現代SMT実装に欠かせない工程となっています。特にRFモジュールの需要拡大や金属シールドの使用増加に伴い、SMTメーカーは回流前AOIと回流後AOIの両方を導入し、PCBA品質の安定性を確保しています。どちらも光学画像の取得と比較アルゴリズムを利用しますが、その目的や検査能力、工程内で果たす役割は大きく異なります。本稿ではAOIの各工程での役割と必要性をわかりやすく解説し、最適なAOI戦略が生産歩留まり向上とリワーク低減にどのように貢献するかを詳しく紹介します。回流前AOIと回流後AOIの違い回流前AOIは主に部品実装の品質を確認するための検査であり、回流後AOIははんだ付け品質を確認するための検査です。回流前AOIでは部品の有無や位置ずれ、極性違いなど、実装関連の不良を回流前の段階で発見できます。一方、回流後AOIは回流炉通過後に発生するはんだ不良や接合品質を検査し、実装工程の最終的な品質保証を行います。また、金属シールドや大型コネクタによって視野が遮られる領域は、回流後AOIでは確認できません。回流前AOIを導入することで、シールド取り付け前にこれらのエリアを確実に検査でき、検査の盲点を解消できます。回流後AOI検査が重要である理由回流後AOIはSMT実装で最も一般的な検査工程です。PCBが回流炉を出た直後に、はんだ接合品質に関する不良を検出します。これにより、品質問題が後工程や最終製品組立へ流出することを防ぐことができます。回流後AOIの主な検査項目回流後AOIは次のような不良を検出します。部品の欠品立ち上がり不良(立碑)部品の傾きや回転値違いまたは極性逆接ピンの浮きや変形ブリッジはんだ量不足または過多冷はんだやオープン(疑似はんだの検出は限定的)回流後に不良が発生した場合、リワークには加熱や再はんだ、部品交換が必要です。修理時間が増加するだけでなく、高密度多層基板の場合は基板損傷や廃棄につながるリスクも高まります。そのため、回流前の段階で不良を未然に防ぐことが非常に重要になります。回流前AOIの役割と目的RFモジュールや金属シールドの採用拡大に伴い、回流前AOIの重要性は年々高まっています。回流前AOIの主な目的は、回流前に実装不良を確実に検出することです。1. 実装不良を回...
夏*石
SMT部品の立ち上がり(トゥームストーン現象)はなぜ発生するのか、そしてどのように防止するか
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Dec 11.2025, 14:56:50
SMT部品の立ち上がり(トゥームストーン現象)は、表面実装組立で最も頻発するPCBA不良の1つです。特に0402や0603の抵抗/コンデンサといった軽量チップ部品で多く見られます。回流はんだ付け中に左右のぬれ力が不均衡になると、部品の片側が持ち上がり、垂直に立ち上がった状態になります。この不良は開放不良を引き起こし、製品機能に直接影響します。本記事では、立ち上がり現象が発生する主な要因を整理し、再発を防ぐための実践的な対策を解説します。SMT部品の立ち上がりとは何かSMT部品の立ち上がりとは、回流はんだ付け中にチップ部品が2つのランドに水平に載らず、片側のみがぬれ、もう一方が垂直に立ち上がる現象です。はんだの溶融タイミングのずれ、ランド設計の不適切さ、熱伝達の非対称性が主な原因です。SMT部品の立ち上がりはなぜ発生するのか、そしてどのように防ぐか1. PCB設計に起因する問題不適切なPCBレイアウトやランド設計は、立ち上がり発生の主要因です。よくある設計上の要因:ランドのサイズや形状が左右で異なる→ 面積が大きい側のランドが早く加熱され、はんだが先に溶融して部品を引き寄せる。PCB上の熱分布が不均一→ 大型銅箔、ビア、GNDプレーン、ヒートシンク周辺の部品は加熱バランスが崩れやすい。部品配置の最適化不足→ 異なるサイズの部品を密集させると、エアフローと熱伝達が乱れやすい。防止策:ランド形状を標準化し、左右対称で同等の熱容量になるよう設計する。部品配置と配線を最適化し、回流時の熱バランスを確保する。2. 部品に起因する問題部品材料や表面処理は、立ち上がりリスクに直接影響します。よくある原因:酸化や汚染によるぬれ性の低下→ 一側のぬれ速度が遅くなり、はんだ表面張力が不均一になる。非常に小さく軽いチップ部品→ 軽量部品は表面張力の影響を強く受け、持ち上がりやすい。防止策:ぬれ性の良い部品や改良型表面処理部品へ変更する。回流炉の温度プロファイルを調整し、左右ランドのぬれタイミングを揃える。3. SMTプロセスとはんだペーストに起因する問題業界データによると、SMT不良の70%以上(立ち上がりを含む)は、はんだ印刷工程に起因します。主な原因:2つのランド間でのはんだ量の不均一→ ぬれ速度と溶融タイミングがズレる。はんだペーストの離型不良、または適切でないステンシル設計→ ステ...
夏*石
現代組立ラインで発生しやすいSMTチップマウンタのエラーを確実に排除する方法
記事
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Dec 11.2025, 14:56:45
表面実装技術(SMT)は、現代の電子製造における中心的プロセスですが、高度に自動化された生産ラインであっても、チップマウンタの拾い損ねや部品飛散といったエラーが発生し、生産ロスにつながることがあります。これらの問題は部品の拾取または配置工程で発生しやすく、品質不良、部品廃棄、歩留まり低下の原因になります。本記事では、拾取不良と部品飛散の代表的な原因を整理し、SMT工程を安定化するための実践的な対策を解説します。1. SMTチップマウンタにおける部品拾取エラーの主な原因高速運転中、マウンタヘッドはテープフィーダから部品を吸着し、PCB上の位置へ配置します。この吸着動作が安定しなくなると、拾い損ね、部品落下、吸着ずれなどの不良が発生します。主要な原因は以下の通りです。1.1 真空圧不足部品を確実に吸着するには、安定した負圧(一般的に53.33 kPa以上)が必要です。真空圧が低下すると吸着力が不足し、拾取失敗が多発します。主な要因:真空ポンプ性能の低下ノズル内部の汚れや詰まり個別ヘッドの真空フィルタの汚染フィルタの定期清掃と交換により、安定したエアフローと吸着力を維持できます。1.2 ノズルの摩耗-破損摩耗、変形、ひび割れ、異物詰まりのあるノズルは、以下の問題を引き起こします。負圧低下部品吸着の不安定化移動中の部品落下リスク増加定期点検と早期交換により、防止が可能です。1.3 フィーダの故障-位置ずれフィーダの状態は部品吸着精度に直接影響します。例:フィーダギアの摩耗-破損テープがスプロケットに正しくかかっていないフィーダ内部に粉塵や破片が混入バネの疲労によるテープ送り不良これらは部品の傾き、立ち不良、吸着ミスを誘発します。定期的な校正と清掃が効果的です。1.4 吸着高さ(Z軸)の不適切設定理想的な吸着高さは、ノズルが部品表面に接触した後、約0.05 mm押し込まれる位置です。次のような場合、吸着エラーが発生します:ノズルが深く押し込みすぎて部品をポケット内に押し付けてしまう停止位置が高すぎて負圧が確立しない問題のある部品に対してZ軸高さを微調整すると、吸着安定性が大幅に向上します。1.5 部品パッケージ(供給状態)の問題仕入れ部品のパッケージ不良やバラつきも吸着失敗につながります。例:テープポケットやスプロケット間隔の不一致紙テープとカバーテープの剥離力が強すぎるポケ...
夏*石
SMTリフロー工程におけるグレーピング現象を防止する方法
記事
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Dec 11.2025, 14:56:39
グレーピング現象(はんだボールの集合体とも呼ばれる)とは、はんだペーストがリフロー中に完全に溶融して単一のはんだ接合へと凝集せず、酸化や乾燥によって微細な粉末粒子が個別に残り、それらがブドウの房のように固まる不良を指します。特に微細ピッチ部品や超小型部品の周辺で発生しやすく、SMT品質や歩留まりに大きく影響します。本記事では、グレーピングの根本原因と効果的な対策を解説し、安定したリフロー品質を実現するための最適化ポイントをまとめます。グレーピング現象の主な原因1. はんだペーストの吸湿および酸化水分の吸収と酸化は、グレーピングを引き起こす最大の要因です。酸化は以下の状況で進行しやすくなります。使用期限切れや不適切な温湿度で保管されたはんだペースト冷蔵庫から取り出した後の予熱不足または攪拌不足供給後に長時間空気に晒され乾燥した状態印刷前にステンシル清掃溶剤が完全に揮発していない場合酸化が進むと、リフロー時にはんだ粒子が十分に濡れず、融合できずにボールとして残りやすくなります。2. フラックスの早期揮発フラックスは酸化物除去と濡れ性向上に不可欠であり、はんだ粒子を酸化から保護する役割を持ちます。しかしフラックスが早期に揮発すると、はんだペーストは急速に乾燥し、活性を失い、凝集性が低下します。早期揮発が発生する要因例:ステンシル上での滞留時間が長いプリヒートエリアが長過ぎるはんだペーストの劣化これらはグレーピングの直接的な原因となります。3. リフロー温度または熱供給不足ピーク温度または液相線温度以上の保持時間(TAL)が不足すると、はんだ粒子が完全に溶融せず、酸化してボール化しやすくなります。特に0201などの微小パッドは表面積比が大きいため、酸化とフラックス乾燥の影響を受けやすく、グレーピング発生率が上昇します。グレーピングを抑制する効果的な対策1. 高活性フラックスを採用したはんだペーストの使用高活性フラックスは酸化物除去能力が高く、濡れ性と凝集性を向上させ、軽微な印刷誤差や環境変動を補正します。微細ピッチ部品には特に有効です。2. はんだペースト塗布量の適正化はんだ量を増やすことで熱容量が確保され、表面積に対する空気との接触比率が下がります。これにより酸化リスクが低減し、濡れ性が安定します。3. ステンシル開口設計の最適化ステンシルの設計改善は、はんだ量およびフラ...
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