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切削加工のバリとは?発生原因・バリ取り方法・面取りとの違い

18 0 Sep 08.2026, 17:14:32

切削加工では、エッジに意図しない突起として残るバリが問題になることがあります。バリは外観だけの問題ではなく、材料、工具、切削条件、ワークの支持状態が関係して発生し、残ったままだと組立、測定、摺動面、取り扱い時の安全性にも影響することがあります。加工条件や工具、工程を先に見直してバリを小さくし、必要な場合に適切な方法で除去することが重要です。

重要ポイントバリ取りは、発生後の後処理だけではありません。切削条件、工具、加工経路、面取り指示を含めて、バリを小さくし、除去しやすくする工程設計が重要です。

切削加工におけるバリとは

切削加工では、工具がワークの端部に切り込むときや抜けるときに、材料が意図した輪郭の外側へ押し出されることがあります。このように加工後にエッジの外側へ意図せず残った部分は、一般にバリと呼ばれます。切削加工の基本と工程を確認したい場合は、「切削加工とは」をご覧ください。

図面でエッジを扱うときは、JISの図面規格でも、意図せず残るバリと、意図的に作る面取りなどを分けて考える必要があります。バリは外観の細部ではなく、形状、寸法、表面、機能に影響し得る加工結果として確認します。

バリが問題になる理由

バリが残ると、部品の組立や嵌合の妨げになることがあります。また、ワークを固定したり寸法を測定したりするときの基準が不安定になり、正しい状態を確認しにくくなる場合があります。

  • 組立・嵌合:バリが相手部品と干渉し、寸法や位置がずれる

  • 測定・基準:バリによって基準面や測定結果が不安定になる

  • 機能面:摺動、密封、電気的な接触などを妨げる可能性がある

  • 取り扱い:鋭利なエッジが作業時のリスクになり得る

  • 外観・品質:納入品の最終的な品質判断に影響する

すべてのバリが同じ程度のリスクになるわけではありません。位置、大きさ、用途によって影響は異なるため、機能上重要になるエッジと、外観や取り扱いだけを確認するエッジを分けて考えることが重要です。

切削バリが発生するメカニズム

バリは、工具とワークが接触するときに材料が局所的に変形し、エッジの外側へ押し出されることによって生じやすくなります。切削力がかかる部分の剛性や支持状態が不足していると、材料の逃げ方が大きくなり、バリの発生につながりやすくなります。

旋削加工では、ワークの端部が切削力によって変形し、バリが生じることが学会の研究でも報告されています。フライス加工や穴あけ加工では、工具の切込み側と抜け側で状態が異なるため、入口側、側面、出口側など発生位置を分けて確認することが役立ちます。

工具の刃先形状、摩耗状態、すくい角などの違いも、バリの大きさや向きに影響します。工具そのものの選び方と状態を確認する基本は、切削工具とはで整理しています。

切削工具の抜け際にバリが生じる概念図

バリを抑えるために見直したい加工条件と工程

バリを後工程だけで処理するのではなく、加工の段階で小さくしたり、発生位置を管理しやすくしたりすることを検討します。次の四つの方向から確認すると、原因を一つに決めつけずに進められます。

  • 工具状態・刃先形状:摩耗、欠損、突き出し量、工具形状が加工点に合っているか

  • 切削条件:速度、送り、切込み量が材料や形状に対して適切か

  • 固定・支持・加工経路:ワークが安定し、工具の切込み側と抜け側を想定しているか

  • 工程・面取り:処理しやすい位置を設計し、必要な面取りを意図的に加えているか

切削速度や送りなどを変えると、穴の出口にできるバリの高さが変わり得ることを示す公設試験研究機関の資料もあります。ただし、最適な条件は材料、工具径、形状、機械ごとに異なるため、実際の加工で状態を確認しながら条件を調整します。速度や送りだけを下げれば必ず改善するわけではありません。

速度・送り・切込み量などの条件を整理したい場合は「切削条件とは」、工具を回転させてエッジを加工する考え方は「フライス加工とは」で確認できます。穴の入口側と出口側のバリを想定するときは、「穴あけ加工とは」も参考になります。

主なバリ取り方法と選び方

バリ取りには、手作業、機械加工内での処理、ブラシ、バレル研磨、ブラストなど複数の方法があります。どの方法が適するかは、材料、発生位置、形状、数量、許容される仕上げ状態によって変わります。

方法主な対象選定で確認したい点
手工具・やすり・研磨材単品・少量、外側エッジ、届きやすい位置面の傷、形状変化、作業時間
面取り工具・加工機内処理穴口、輪郭エッジ、同一工程で処理しやすい形状工具アクセス、基準面、意図する面取り形状
ブラシ・バレル研磨多数の小物、複雑形状を含むバッチ処理表面仕上げ、エッジだれ、磨材の残留
ブラスト等の専用工法内部、複雑面などアクセスしにくい部位表面性状への影響、媒体、防護条件
化学・電気化学・熱的工法専用設備を要する部位や工程対象材料、設備、環境・安全条件

この表は、方法をランク付けするものではありません。同じバレル研磨やブラストでも、材料、媒体、時間、対象形状によって表面状態やバリの残り方は変わります。まず、どのエッジをどの程度まで処理する必要があるのかを図面や機能要求から確認し、実際に検証できる方法を選びます。

バリ取りと面取りの違い

バリ取りは、加工後に意図せず残った突起を除去する作業です。一方、面取りは、エッジに意図した形状を形成する指示です。見た目が近くなる場合もありますが、目的は異なるため、バリ取りと面取りを同じ意味として扱わないことが重要です。

JIS B 0051は、図面で形状を定義しないエッジの指示方法を扱う規格です。図面に「バリなきこと」とだけ書くと、どのエッジを対象にし、どの程度まで処理するのかが不明確になることがあります。対象となるエッジ、必要な面取りの有無、機能上許容できない箇所を図面で明確にすると、後工程任せの判断を減らしやすくなります。

意図しないバリと意図的な面取りを比較する概念図

設計・発注時に確認しておきたいこと

設計や発注の段階では、次の項目を整理しておくと、加工側がバリの管理方法と検査の判断基準を検討しやすくなります。

  • 処理するエッジ:どの面、穴口、内部交差部を対象にするか

  • 要求の種類:鋭利なバリを除去するのか、面取りやRを指定するのか

  • 機能上の重要面:組立、嵌合、摺動、密封、電気的接触などに関係するか

  • 材料・数量・工程:後処理の方法や検証が実現可能か

  • 図面・受入れ:対象エッジと許容範囲が伝わる指示になっているか

バリの大きさや許容範囲は材料、形状、用途によって異なるため、この記事では固定の数値を示しません。不明な場合は、対象部品の図面条件と機能要求を加工側へ伝え、処理方法と確認方法を相談することが大切です。

図面、3Dデータ、材料、数量、表面処理、希望納期に加えて、エッジの処理範囲や重要な機能面を共有すると、加工側が工程と検査方法を検討しやすくなります。PCBgogoでは、CNCフライス加工、CNC旋盤加工、旋盤・フライス複合加工に対応し、設計データをもとに製造性を確認したうえで、お見積もりをご案内します。

まとめ

切削加工で発生するバリは、工具とワークの接触、材料の変形、工具の切込み側と抜け側の状態などによって生じます。バリ取りは発生後の後処理だけではなく、工具、切削条件、固定・支持、加工経路、面取り指示を含めて、バリを小さくし除去しやすくする工程設計が重要です。図面で対象エッジと要求を明確にし、材料、形状、数量、機能に応じて適切な方法を選ぶことが、安定した品質につながります。

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