医療用モニター 呼吸器、内視鏡などの医療機器では、高密度実装を実現するために直径0.15mm以下の微小ビアを用いたHDI基板が広く採用されています。しかし、微小ビアは構造が極めて精密であるため、品質不良が機器の安全性に直結します。医療機器信頼性レポートでは、医療電子機器の故障の28%がHDI微小ビアの欠陥によるものと報告されており、あるモニター機器メーカーではビアのめっきボイド率が8%に達したことで、臨床使用中に信号途切れが発生し、リコール対応を余儀なくされました。

医療機器向けHDIはIEC 60601-1(医療電気機器の安全規格)およびIPC-6012H Class 3に適合する必要があり、微小ビアの孔径公差±0.01mm、めっき銅厚20μm以上、ボイド率2%以下といった厳しい品質要件が求められます。PCBGOGOは医療HDI分野で8年以上の実績を有し、これまでに50万枚を超える医療グレードHDIを提供してきました。以下では、医療向け微小ビアの品質管理の要点、工程最適化、量産時の合規プロセスを体系的に整理します。
1. 微小ビア品質の核心要素
医療用HDIの微小ビア品質は「高精度 と 高安定性」が必須であり、以下の3点が特に重要となります。
① ドリル精度の確保
微小ビア径は0.1mm--0.15mmで 孔径公差±0.01mm以内が基準です。±0.02mmを超えると銅めっきの充填性が低下し ボイド発生率が顕著に上昇します。PCBGOGOの評価では、孔径偏差が0.02mmになるとボイド率が約5%増加しました。
② めっき銅層の均一性
孔壁銅厚は20μm以上 均一性は±2μm以内 IPC-A-600G Class 3に準拠します。めっき層にピンホール直径5μm以下の欠陥がないことが求められます。
③ 孔壁の健全性
樹脂残渣 バリがなく、バリ高さは5μm以下(IPC-TM-650 2.4.3)が基準です。信号品質の劣化を防ぐためにはバリ管理が重要です。
医療向けHDIではレーザードリル(精度±0.005mm)が主流で、機械ドリルより高精度です。基材には生益S1130(Tg165℃ 誘電率4.3±0.2)など医療用途向け材料が採用されます。めっき工程にはパルス電解銅めっきを用い、銅層の均一性と信頼性を向上させます。
2. 微小ビア品質管理の実行プロセス
(1)レーザードリル工程の最適化
使用設備はUVレーザードリル(例 HGL-800)で、出力10W 周波数50kHz パルス幅20ns、孔径は0.12mm±0.01mmに制御します。加工後はプラズマ洗浄で樹脂残渣を除去し、IEC 60601-1-2の要求に適合させます。
(2)化学的無電解銅処理
無電解銅液にはChemiposit 8200を使用し、銅厚0.6?0.8μmを形成します。金属顕微鏡で孔壁の被覆率(99%以上)を確認します。
(3)パルス電解銅めっき
電流密度3A/dm2 周波数1000Hz デューティ比50% めっき時間50分で、最終銅厚21--23μmを確保します。X線測厚器で均一性±2μm以内を確認し、めっき欠陥を抑制するため整平剤Leveler 500を投入します。
(4)全数検査による品質保証
超音波スキャン顕微鏡でボイド率2%以下を全数確認し、レーザー測径で孔径0.12mm±0.01mm粗さ計でバリ5μm以下をチェックします。
3. 医療機器向け量産時の合規管理
① 材料のトレーサビリティ
SHENGYIとの医療専用供給契約により、毎ロットのCOCと生体適合性レポートを取得します。めっき薬品はRoHS/REACH適合品のみを使用し、PCBGOGO倉庫では医療グレード材料を専用区画で管理しています。
② 工程モニタリング
200枚ごとに15枚を抜き取り検査し、孔径 めっき厚 ボイド率の3項目を重点管理します。不適合が発生した際はドリル条件またはめっき電流を即時調整します。
③ IEC 60601 認証プロセス
完成したHDIはPCBGOGO医療試験ラボでIEC 60601-1の電気安全 EMC 生体適合性試験を実施します。製品ごとに認証レポートを提供し、医療機器メーカーの上市プロセスを支援します。
まとめ
医療機器向け高信頼性HDIにおける微小ビア品質はIEC 60601-1 と IPC-6012H Class 3を中心に「レーザードリル + パルスめっき + 全数検査」の組み合わせが鍵となります。
PCBGOGOでは
*レーザードリル加工
*パルス銅めっき
*IEC 60601全項目試験
*生体適合性評価
まで一貫対応でき、医療機器メーカーの安全性要求に応える高品質HDIを提供しています。
医療機器向けHDIや微小ビア加工でお困りの際は ぜひPCBGOGOまでご相談ください。