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【射频エンジニア必見】ハイエンドスマートフォン向けHDIのインピーダンス-クロストーク最適化設計ガイド
1 0 Nov 24.2025, 10:21:53


5GやVR/ARの普及により、ハイエンドスマートフォンやVRヘッドセットでは、HDI基板に対してかつてないレベルのシグナルインテグリティ(SI)が要求されています。5Gでは24GHz以上、VRでは10Gbps超の高速伝送が一般的となり、わずかなインピーダンス不整合やクロストークでも信号減衰やレイテンシ増加を招き、ユーザー体験に大きく影響します。

業界データによれば、ハイエンドスマートフォンにおけるHDI配線の阻抗不整合が5G信号を30%以上減衰させるケースが報告されており、あるVRメーカーではクロストークを原因とした画面カクつき率が15%を超えた事例も確認されています。そのため、ハイエンド向けHDI設計では、IPC-2141(高周波プリント基板設計)およびUSB-IF準拠(USB4規格) が求められ、インピーダンス偏差は±3%以内、クロストーク減衰は40dB以上が必須となります。

PCBGOGOは、これまでハイエンドスマートフォンやVRデバイス向けに100万枚以上のHDI基板を提供しており、本稿ではインピーダンス最適化-クロストーク コントロールの核心技術と検証方法を解説します。

1. HDI信号品質の核心:阻抗マッチングとクロストーク抑制

ハイエンドHDIのシグナルインテグリティを左右する要素は「インピーダンス最適化」と「クロストーク コントロール」の2点であり、IPC-2226の高周波設計要件を満たす必要があります。

(1)インピーダンスマッチング:50Ω(RF)と90Ω(差動)の精度確保

5G-VR向けHDIでは以下のインピーダンス仕様が一般的です:

  • RF信号:50Ω

  • 差動高速信号:90Ω

インピーダンス値は基材の比誘電率(εr)、線幅、層間厚みに強く依存します。
IPC-2141における代表式は以下の通りです:

Z = (60 / √εr) × ln(5.98h / W)
(h:層間厚み、W:線幅)

基材のεrは特に重要で、例えば:

  • Rogers RO4350B:εr = 4.4 ± 0.05

  • 一般的なFR-4:変動 ±0.3(RO4350Bより安定性に劣る)

PCBGOGOの測定では、εrが0.1変動すると阻抗偏差が約3%増加することが確認されています。

(2)クロストーク抑制:差動ペアの配置とグラウンド処理

クロストークは高速信号の品質を大きく損なうため、USB4では40dB以上の減衰が求められます。

主なポイントは以下のとおりです。

  • 差動配線の線間距離:線幅の3倍以上
    (例:W=0.2mm → 距離0.6mm以上)

  • 2倍未満になると、減衰は30dB以下に低下しUSB4規格に不適合

  • 差動線間にはグラウンドビアを追加
    (ピッチ5mm以内、差動線からの距離0.3mm以上)

高周波用途ではRO4350B(Dk=4.4、Df=0.0037@10GHz)が広く採用されています。

2. 実装設計ガイド:インピーダンス最適化+クロストーク抑制の協調設計

以下はPCBGOGOが高周波HDIで採用する代表的な設計基準です。

(1)インピーダンス設計

  • 50Ω(RF信号)
    RO4350B、厚み0.2mm、層間厚み0.15mm、線幅0.3mm±0.01mm
    Altium Designerの阻抗計算ツールで設計確認

  • 90Ω(差動)
    線幅0.25mm、線間0.25mm、層間厚み0.15mm
    HyperLynxでシミュレーション(PCBGOGO提供)

インピーダンス偏差はすべて±3%以内に収めます。

(2)クロストーク抑制設計

  • 差動線間距離:0.75mm以上(3倍幅)

  • 配線長:100mm以内

  • 直角配線禁止(45度またはアール配線を推奨)

  • グラウンドビア:直径0.2mm、ピッチ5mm以内

  • DFM事前検証:PCBGOGOのJPE-DFM-HDI 8.0でクロストークリスクを自動解析

(3)基材-製造プロセス

  • RO4350B:εr = 4.4 ± 0.03をVNAで確認

  • 蚀刻プロセス:酸性エッチング、エッチングファクタ4:1以上

  • 線幅精度:±0.005mm
    (IPC-TM-650 2.3.17準拠)

3. 信号品質検証:高周波-高速伝送テスト

(1)インピーダンス検査

  • JPE-Imp-700で全数検査

  • 50Ω:48.5--51.5Ω

  • 90Ω差動:87.3--92.7Ω

  • 合格率:99.5%以上

(2)クロストーク測定

  • ネットワークアナライザ(JPE-VNA-1000)を使用

  • 1GHz--24GHzで40dB以上(USB4準拠)

(3)高速信号テスト

  • 5G信号減衰:2dB/m以下(24GHz帯)

  • VR高速信号:10Gbps以上、フレームカクつきなし

  • 50GHz帯域の示波器でアイパターン測定

    • 眼高:0.5V以上

    • 眼幅:0.2UI以上

まとめ

ハイエンド向けHDIでは、「安定した比誘電率」「精度の高いインピーダンス設計」「徹底したクロストーク抑制」がシグナルインテグリティ確保の鍵となります。IPC-2141およびUSB4準拠の基準に基づく設計-製造-検証が、高周波-高速伝送の品質を左右します。

PCBGOGOでは、HyperLynxシミュレーション、高周波測定、ROHS認証を含むハイエンドHDI向けの専用サービスを提供しており、お客様のデバイス性能向上を総合的にサポートしています。HDI設計やPCBAでお困りの際は、ぜひPCBGOGOへご相談ください。


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