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Dec 24.2025, 16:56:08
無鉛SMTはんだ付けにおいて、フラックスの選定ははんだ接合品質と長期信頼性を左右する極めて重要な要素です。不適切なフラックスを使用すると、外観不良だけでなく、ボイド、ブリッジ、いわゆるHiP(Head in Pillow)不良など、コストの高い欠陥を引き起こす可能性があります。ここでは、高信頼性の無鉛PCB実装に適したフラックスを選定するための実践的なガイドを解説します。フラックスの基本的な役割無鉛はんだ(SnAgCuなど)は融点が約217℃と高く、表面張力も大きいため、そのままでは濡れ性が低くなります。フラックスははんだの表面張力を低減し、濡れ性を向上させることで、虚はんだや冷はんだの発生を防止します。また、高温環境下でのはんだやPCBの酸化を抑制する役割も持ちます。無鉛はんだは鉛入りはんだと比較して、酸化速度が約3から5倍とされており、酸化防止は特に重要です。さらに、OSP処理されたパッドや部品リード表面の酸化膜を化学的に除去し、安定した金属接合を実現します。フラックスの種類と選定ポイントRMA(ロジン系フラックス)は中程度の活性を持ち、残渣は洗浄可能で、コストパフォーマンスにも優れています。BGAやQFPなど、一般的な無鉛SMT用途で幅広く使用されますが、実装後には洗浄工程が必要となります。RA(レジン系フラックス)は高活性で優れた濡れ性を持つ一方、腐食性が高いため管理が重要です。高密度BGAパッケージや厚銅基板など、はんだ付け難易度の高い用途に適していますが、保管時の湿度管理は30%RH以下が推奨されます。RMI(無機塩系フラックス)は非常に高い活性を持ち、残渣がほとんど残らない点が特長です。LED、車載電子機器など、高信頼性が求められる分野で使用されますが、コストが高く、専用の塗布設備が必要になる場合があります。有機酸系フラックスは低活性で、洗浄不要タイプが多く、漏れ電流に敏感な医療機器や民生電子機器に適しています。ただし、pH値は2.5から3.5の範囲で厳密に管理する必要があります。フラックス選定時の重要パラメータまず活性レベルの選定が重要です。低活性タイプはOSP処理基板に適しており、過度な腐食を防ぎます。中活性タイプはSnAgCuはんだに対応する汎用仕様で、多くのSMT工程に適用できます。高活性タイプは銀含有はんだや複雑な放熱構造を持つ基板に適してい...