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Dec 30.2025, 14:25:19
SMT実装後のPCBに対して「選択的コーティングが必要」と言われることがありますが、これは一体どのような特殊工法なのでしょうか。また、PCBの実使用環境において、どのような課題を解決できるのでしょうか。選択的コーティングとは選択的コーティングとは、SMT実装後の後工程において、専用装置を用い、PCB上の指定されたエリアのみに保護材料を精密に塗布する特殊工法です。一般的には三防コーティング材を使用し、必要な部位のみを保護し、不要な部位には塗布しません。この工法の最大の目的は、重要な電子部品やはんだ接合部を保護し、屋外機器、産業機器、車載電子機器などの過酷な使用環境下でもPCBの信頼性を確保することです。いわば、PCBに必要な部分だけ防護服を着せる工程と言えます。PCBが直面する使用環境の課題実際の使用環境では、PCBはさまざまな外的ストレスにさらされます。例えば屋外機器では雨水や湿気、高温環境にさらされ、産業機器では粉塵、油分、腐食性ガスの影響を受けます。車載電子機器では高温と低温の繰り返しや振動、衝撃が常態化しています。これらの要因は、はんだ部の酸化、リード端子の腐食、短絡や断線といった不具合を引き起こし、製品寿命の低下や故障につながります。従来の全面コーティングの問題点従来の三防コーティングは、PCB全体をコーティング材に浸漬または全面塗布する方式が一般的でした。防護性能自体は高いものの、大きな課題が2つあります。1つ目は、テストポイント、コネクタ端子、スイッチ部など、本来露出が必要な部位まで覆ってしまい、後工程の検査や組立ができなくなる点です。2つ目は、必要以上に材料を使用するため、コーティング材の消費量が増え、製造コストが上昇する点です。選択的コーティングが解決するポイント選択的コーティングは、こうした課題を根本から解決するSMTの特殊工法です。その最大の特長は「高精度で制御可能」であることです。工程は以下のように進められます。まずGerberデータをもとにプログラムを作成し、塗布が必要な部位と不要な部位を明確に定義します。次に、センサー感知面など特に敏感な箇所には、耐熱テープや専用治具によるマスキングを行います。その後、装置のスプレーノズルにより指定エリアのみに均一な膜厚でコーティングを行います。膜厚は一般的に20から50μm程度に制御されます。最後に、加熱...