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夏*石

BGAはんだ接合におけるX線検査技術の重要性

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4 0 Jul 10.2025, 10:31:15
近年、電子機器の高密度 - 高性能化に伴い、BGAパッケージはプロセッサ、GPU、高ピン数ICなどに広く採用されています。しかし、BGAのはんだ接合部はパッケージの下部に隠れているため、目視では確認できず、不良接合が電子回路全体の安定性に影響を与える可能性があります。 よく見られるBGAのはんだ不良とそのリスク: 1.オープン(接続不良)PCBパッドとはんだボールが適切に接続されない場合、信号の中断やデータ損失などの問題が発生します。原因としては、はんだペーストの印刷不足、部品のズレ、加熱ムラなどが挙げられます。 2.ブリッジ(ショート)隣接するはんだボール間に余剰のはんだが接続してしまうことで短絡が発生します。これはステンシル設計不良やペースト過剰、チップ配置のズレに起因し、回路の焼損リスクが高まる危険な欠陥です。 3.ボイド(空洞)はんだ内部に空気やガスが残ることで形成される空洞です。熱伝導性の低下、接合強度の劣化を招き、特に高発熱部品では重大な信頼性問題に繋がります。IPC基準では、空洞面積が25%を超えると不良と見なされることがあります。 4.HIP(ヘッド - イン - ピロー/枕型欠陥)リフロー時にはんだペーストとボールが完全に融合せず、表面だけ接触した状態で形成される弱接合です。PCBや部品の反りが原因で発生しやすく、断続的な接触不良を引き起こします。発見が難しいため厄介な欠陥のひとつです。 X線検査の仕組みと特長BGAのように接合部が視認できないパッケージでは、X線検査が不可欠です。これは非破壊で内部構造を透視でき、はんだ接合の品質を定量的に評価できる高度な技術です。 2D X線(平面透視)上方からのX線投影により、短絡 - オープン - 大きなボイドなどを迅速にスキャンできます。量産時の抜き取り検査に適しており、はんだ間の異常陰影などを捉えるのに有効です。ただし、高さ方向の欠陥(例:HIP)を検出するのは困難です。 3D CT X線(コンピューター断層撮影)複数角度から撮影した画像をコンピューターで再構成し、三次元的に接合内部を可視化します。HIPや微細なボイドの特定に非常に有効で、航空宇宙 - 医療 - 車載分野など信頼性重視の分野で欠かせない技術です。 欠...
夏*石

BGA実装:課題とベストプラクティス

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6 0 Jul 09.2025, 15:25:54
ボール - グリッド - アレイ(BGA)技術は、コンパクトかつ高性能な回路設計を可能にし、現代の電子製品に革新をもたらしました。デバイスの小型化と高機能化が進む中、BGAパッケージはプリント基板(PCB)上に集積回路(IC)を実装するための主要なソリューションとなっています。しかし、その構造の複雑さから、設計、実装、検査の各工程において特有の課題が存在します。 本記事では、BGA実装における代表的な課題を解説するとともに、信頼性と品質を確保するためのベストプラクティスをご紹介いたします。 BGA技術とは BGAは表面実装型パッケージの一種で、ICを基板下部に配置されたはんだボールのグリッドによってPCBと接続します。従来のピンベースのパッケージ(PGAやQFP)と異なり、BGAでは直径0.3~0.75mmのはんだボールを用いて電気的 - 機械的接続を確立します。これにより、1000本以上のピン数にも対応可能で、スマートフォン、ノートPC、サーバー等に搭載されるマイクロプロセッサやFPGA、メモリなどに理想的な選択肢となっています。 BGAが重要である理由 高密度実装:コンパクトなスペースで数百の接続点を実現し、複雑な回路設計を可能にします。 優れた電気性能:配線が短いためインダクタンスが小さく、高周波信号の歪みが軽減されます(30GHz超のRF用途でも有効)。 放熱性の向上:はんだボールは従来のリードよりも効率よく熱を逃がし、BGAの熱抵抗は10~20°C/Wと低くなります。 BGA実装における主要な課題 1. はんだ接合の信頼性 リフロー温度プロファイルが適切でない場合、ボイド、冷接合、ブリッジなどの欠陥が発生します。接合面積の25%以上を占めるボイドは、導電性と放熱性を損ない、高出力用途では故障の原因となります。特にRoHS準拠の無鉛はんだは延性が低く、熱や機械的ストレスで割れやすくなります。 2. 部品の位置ズレ BGAは微細なピッチ(0.4?1.27mm)で構成されており、0.1mmのズレでも短絡や断線が発生します。±0.05mm以下の精度で実装可能な高性能マウンターが必要です。細ピッチ(≦0.5mm)では従来の「ドッグボーン配線」も困難です。 ...
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BGA実装:信頼性の高い球状グリッドアレイ(BGA)はんだ技術

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6 0 Jul 09.2025, 15:25:47
BGAパッケージとは?BGAは、電子部品(IC)底面のはんだボールでPCBに接続する実装方式で、高密度接続と優れた電気性能を提供します。以下は代表的なタイプです:PBGA(プラスチックBGA):コストパフォーマンスに優れ、ゲーム機などで広く使われます。CBGA(セラミックBGA):熱伝導性が高く、サーバーや車載機器に最適です。TBGA(テープBGA):薄型-軽量で、ウェアラブル機器に多く活用されます。ピッチ(はんだボール間隔)は古い設計で1.27mm、高密度パッケージでは0.4mmに達し、装着精度が極めて重要です。1. PCB設計 - レイアウトパッド設計:BGAのボール配列に合わせ、例:0.8mmピッチなら0.4mm、0.4mmならさらに小さなパッド径が必要です。ビア(穴)管理:未充填スルーホールはんだを吸われる恐れがあるため、ビアレス設計か埋設ビアを推奨します。レジスト設計:NSMD(ノンソルダー - マスク - デフィンドパッド)にすると、0.5mm以上のピッチで強固な接合を実現できます。2. はんだペースト適用版厚:100~150μmが標準です。0.5mmピッチでは125μmが適状です。穴径設計:パッド比100%が標準だが、微細パッケージでは90%程度に調整し、橋はんだを防止します。量制御:各パッドに0.1~0.15mmを目安にし、均一性を図ります。3. 部品の搭載装着精度:±25μmの精度を持つ高性能マウンターで、0.5mm以下の実装も高精度で行います。基準マーク:PCB上の光学マークを参照して、放置精度を確保します。4. リフロー炉によるはんだ付け温度プロファイル:リードフリーはんだ(SAC305)を用い、予熱150–180°C、浸漬60–90秒、ピーク235–250°Cで20–40秒保持します。加熱均一 - 急冷却の回避:熱ムラを防ぎ、冷却は2–4°C/秒程度の制御でひび割れ防止を実現します。5. 検査と品質管理X線検査:空洞、ボイド、はんだ欠陥などの内部異常を検出します。IPC基準で25%以下の不良率が許容範囲です。電気的検査:通電チェックで導通 - ショートを確認します。X線と併用して確実な品質評価を行います。BGA実装の課題と対策課題原因対策ボイドリフロー時のはんだ中のガス残留浸漬時間を90–120秒に延長し、ガスを排出ブリッジ(はんだ橋)...
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超高精度PCB製造の設計要求を解説!最新テクノロジーで性能を極める

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13 0 Jul 04.2025, 17:03:19
電子製品の高性能化に伴い、基板設計と精密製造はますます重要性を増しています。本記事では、高精度PCBに必要な材料選定-光学-ルーティング-検査技術を網羅し、電子機器の心臓部に最適な基板製造を支援します。1. 高精度な製造プロセス要件(1) 材料選定と前処理基材選定:高周波&高速伝送用途ではPTFEなどのDk=2.2–2.6、Df<0.002が標準。一方で汎用性の高いFR?4はコスト面からも広く使用されています。銅箔の厚さ:導電性能重視なら18~35?μm。大電流用途では70?μm超も選択肢になります。前処理:基板基材や銅箔の清掃-粗化-酸化膜除去で密着性を高める化学処理も実施します。(2) 写真製版とパターン精度フォトリソグラフィ:DUV技術で3–5?μmの線幅/間隔を実現できます。露光-現像の精度が回路性能を決定します。LDI(レーザー直接描画):マスク不要で小ロットに強く、10?μm以下の高精細配線にも対応できます。(3) エッチングとメッキ精度エッチング制御:温度45–55℃や濃度の最適化、脈動エッチングでラインエッジの精度と平滑性を保証します。メッキ層の均一性:全板+グラフィックメッキ併用で穴壁銅厚≥0.2?mmを実現し、多層板の電気的接続を強固にします。微細穴/埋め穴技術:0.3?mm以下の微細穴や内部接続の埋め穴をレーザーと化学処理で加工します。スマホ基板で必須技術です。(4) 表面処理と検査表面処理:高性能用途はENIG(金フラッシュ)、コスト重視はOSP、その他Sn/Ag処理も用途に応じ選択します。品質検査:AOIで外観チェック、X線で内部構造検査、インピーダンスなどの電気特性測定を行います。2. 精密設計のポイント(1) 機能分割と部品配置機能のセグメンテーション:高周波信号系や電源系などを分離し、クロックは三点定位法で揺らぎを最小限にします。部品配置:同一種部品を集め、部品間隔を適切に保ちます。放熱に配慮するとともに、実装効率を高めます。(2) 布線と信号品質信号インテグリティ:差動線の線長一致、線幅-線間隔-誘電体厚の最適化によるインピーダンス制御を行います。電源/グラウンド設計:多層板を用いて電源-グラウンド分離、デカップリング、電磁ノイズ対策を実施します。EMC配慮:高速線短距離化、グラウンドスルーホール、プレーン併用で放射ノイズ抑制を行い...
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部品高さの違いを克服する階段式ステンシル:多層ゲルパステクノロジーで精度と信頼性アップ

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16 0 Jul 04.2025, 17:03:14
現代の高密度PCBでは、部品ごとの高さ差が大きな悩みとなりますが、階段式ステンシル(多段階ゲルパス型鋼板)はその課題を見事に解決します。本記事では、その仕組みや導入によるメリット、設計上の注意ポイントまで詳しくご紹介します。階段式ステンシルとは?なぜ必要か階段式ステンシルは、厚みの異なるステップを持つ専用鋼板でございます。0201抵抗器などの小型部品からBGAやコネクタなどの高い部品まで、部品ごとに適切なはんだ量を調整できるため、過不足のない印刷が実現できます。部品高さ差による課題と影響PCB上の部品高さは0.4?mmから2?mm以上まで多岐にわたり、標準ステンシルでは均一なゲルパスト量が得られず、頻繁にブリッジや不足が発生します。実際、SMT欠陥の最大60%が発生原因は不適切なはんだ量によるものとされております。階段式ステンシルの技術と導入化学エッチングやレーザー切断で厚みを0.1?0.25?mmの多段階に加工することで、刮刀引き時に部品ごとに最適量のゲルパスが印刷できます。小さな抵抗には薄いステップ、大きなBGAには厚いステップが対応し、全体の均質性が大幅に向上します。階段式ステンシル導入による利点はんだ接合の信頼性向上:棄権率を30%低減するなど、実績がございます。欠陥-返工削減:ブリッジや立碑などの不良を抑制し、製造コストと時間を削減できます。混載技術対応:表面実装と スルーホール部品混載にも一枚のステンシルで対応可能です。大規模生産向けの費用対効果:初期コストは高めでも、欠陥率の改善により即時回収が可能でございます。適用分野と使用実績スマートフォンやウェアラブル機器:高度に集積された部品配置に対応します。車載電子:ADASやバッテリー制御基板など、多様な部品高さに対応します。医療機器:高い信頼性が求められる環境でも安心して使用されます。産業機器:大型コネクタや細ピッチICの混在基板に最適でございます。導入のベストプラクティスステップ内容1. 早期連携PCB設計段階で部品高さ--パッド情報をステンシル業者と共有します。2. 開口設計の最適化部品毎に適切な開口比(0.5?0.6)でゲル量を制御します。3. テスト印刷AOI等で印刷状態を確認し、調整を繰り返します。4. 定期メンテ多段構造の保持と開口寿命延長のため、最適な洗浄と保管が必要です。注意点と制限前期費...
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フレキシブル基板組立におけるよくある不良と対処法:実践マニュアル

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42 0 Jul 02.2025, 16:02:45
フレキシブルプリント基板(FPC)は、現代の電子機器、とりわけスペースの制約がある携帯型デバイスにおいて不可欠な存在です。しかし、柔軟性ゆえにFPCの組立には特有の課題が伴い、はんだ付け不良、部品の位置ずれ、信頼性の低い接合などの不具合が発生しやすくなります。なぜFPC組立の不良が重要なのかFPCは折り曲げ可能な構造により、ウェアラブル機器、医療機器、車載電子機器などに最適ですが、その柔軟性が逆に構造的弱点にもなり、不良発生の原因となります。不適切なや部品のずれは、電気的な障害、製品寿命の短縮、高コストのリワークにつながります。不良を初期段階で対処することで、時間やコストを削減し、製品の性能基準を維持できます。1. FPCのはんだ付け不良:原因と対策FPCの薄く繊細な材料により、はんだ付け工程は特に注意が必要です。冷接合(コールドジョイント)、ブリッジ、パッドの剥離といった不良は、電気接続の断絶や機器の不具合を引き起こします。代表的なはんだ付け不良:冷接合(コールドジョイント): はんだが十分に溶けきらず、パッドやリードと適切に結合しない状態でございます。加熱不足が主な原因でございます。ブリッジ: はんだ量の過多により、隣接するパッド間でショートが発生します。パッド剥離: 過度な熱や機械的ストレスにより、銅パッドが基板から剥がれてしまいます。対策:適切な温度管理(260~300℃)が可能なはんだごてを使用します。活性フラックスで表面を清浄し、はんだ濡れ性を向上させます。FPCを平面な治具や耐熱マットで支持し、作業中の変形を防止します。拡大鏡や顕微鏡での外観検査を徹底し、初期不良を早期に発見します。2. 部品の位置ずれ:検出と修正フレキ基板は柔軟性のため、部品配置時やはんだ付け中に部品が移動しやすく、位置ずれが発生します。これにより電気的接続不良や物理的ストレスが生じます。原因:基板のたわみ-変形による移動が発生します。手動実装や自動実装でのピックアンドプレースの精度が不十分でございます。リフロー工程での熱不均一が移動の要因となります。対策:剛性治具により基板を固定して作業を行います。ステンシル設計を最適化し、適切なはんだペースト量を確保します。リフロー炉の温度プロファイルを調整し、熱衝撃を抑えます。自動光学検査(AOI)または手動検査によって位置ずれを確認します。3...
夏*石

高応力環境でPCBの耐久性を高める:スルーホール部品が不可欠な理由

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29 0 Jul 01.2025, 16:58:19
航空宇宙や自動車産業など、高応力環境下ではプリント基板(PCB)の耐久性がシステム性能の成否を左右します。その中でも、スルーホール部品は、SMDに比べて機械的強度-耐振性-信頼性に優れ、過酷な条件下での使用において不可欠な存在となっています。スルーホール部品とは?なぜ重要か?スルーホール部品は、リード線付きの電子部品で、PCBに開けられた穴に挿入し、反対側ではんだ付けすることで接続されます。物理的に基板を貫通して固定されるため、強力な接合が得られ、振動や温度変化に対しても安定性が維持されます。振動に強い:スルーホールの利点自動車のような常に振動にさらされる環境では、SMDの故障率が10%を超えるのに対し、スルーホール部品は2%未満という実績があります。リードが基板を貫通し両面からはんだ付けされることで、強いアンカー効果を発揮し、機械的ショックや振動でも脱落しません。温度変化への強さ:過酷な温度サイクルに対応-40℃から85℃を超える温度変化でも、スルーホール部品は熱応力に耐え、高い熱伝導性で安定性を維持します。信頼性試験では、1000回以上の温度サイクルに耐える結果も示されており、長寿命化と保守費用の削減に寄与します。構造強度:SMDよりも有利特に大型部品(変圧器、コネクタ等)では、スルーホール実装が物理的ストレスに強く、3D接続により多方向からの力に耐えられます。航空宇宙産業での使用例フライトコントロールや衛星機器など命に関わる用途では、極端な振動-低温-放射線への耐性が要求されます。スルーホール部品は信号の安定性を確保し、-50℃の環境でも正常動作を維持します。自動車分野でのメリットECUやバッテリーマネジメントシステムでは、大電流や衝撃に耐える構造が必要です。スルーホール部品は、電動車でも安定した電力供給を保証し、15年以上の耐用年数を可能にします。設計のバランス:SMDとの使い分けSMDはコンパクトで自動化に適していますが、強度は限定的です。現代の設計では、耐久性が求められる部分にはスルーホール、それ以外はSMDというハイブリッド戦略が有効です。設計上の注意点スルーホール実装には追加の穴あけが必要で、PCB設計が複雑化することがあります。しかし、その耐久性と信頼性の高さから、特に高応力アプリケーションでは不可欠な選択肢です。まとめ振動、温度変化、物理衝撃にさ...
夏*石

PCBコストを最大30%削減!パネル化設計の秘訣とは?

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28 0 Jun 30.2025, 16:31:14
プリント基板(PCB)のパネル化がアセンブリコストに与える影響について考察します。パネル化を活用することで材料の使用効率向上、製造工程の効率化、廃材削減が可能となり、量産時には最大20~30%のコスト削減が達成されることもあります。本記事では、パネル化の利点、課題、コスト最適化のベストプラクティスについて詳しく解説します。パネル化とは何か、それがなぜ重要かパネル化とは、複数の個別PCBを1枚の大きなパネルに配置して製造し、後で切り離す手法です。これにより1枚ごとのセットアップなどが不要となり、製造効率と材料利用率が大幅に改善されます。特に品質と予算のバランスが重要な企業にとって、パネル化はコスト効率を劇的に高める手段となります。パネル化がPCBアセンブリコストを削減する仕組み1. 材料利用率の向上パネル上に複数のボードを密に配置することで、空きスペースを減らし材料ロスを低減します。例えば18×24インチのパネルに10?20枚の小型PCBを効率よく配置すれば、材料使用率を最大90%に高めることも可能です。これにより、特に高価なFR?4材料でのコスト削減効果が顕著になります。2. 製造効率の向上ピックアンドプレースマシンなどの自動設備が複数のボードをまとめて処理できるため、セットアップ時間が節約され、生産スピードが最大で50%向上します。3. 処理--検査コストの削減テストや搬送、梱包などの工程で、個別基板ではなくパネル単位で対応できるため効率が上がります。10枚分のパネルを一括で検査すれば、品質管理コストを10~20%削減できます。パネル化の課題前工程の設計コスト増加パネルレイアウトには間隔調整やVスコア、スルーホールの位置調整などの事前設計が必要で、設計コストが5~10%増加することがあります。ただし、量産時にはこれ以上のコスト削減が期待できます。PCBレイアウトが不適切だとロスが増えるスペースをうまく使わないと材料効率が落ち、パネル単価が上昇します。最小間隔(0.1–0.2インチ)を守りつつ、高密度配置が重要です。パネル分離(デパネリング)のコストとリスクVカットやタブルータなどの方法により加工費が2~5%増加し、分離時に1~3%の不良リスクも伴います。コスト削減を最大化するための実践策高密度レイアウト ‐ 製造チームと協力し、18×24インチパネルに最大15枚配...
夏*石

製造性を高める特殊形状PCB設計のコツ

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27 0 Jun 26.2025, 11:36:59
フレキシブルな電子機器や個性ある製品の増加に伴い、特殊な形状を持つプリント基板は重要な役割を果たすようになりました。しかし、その製造には通常の矩形PCBとは異なる難しさがあります。ここでは、設計と製造における課題と解決策を整理いたします。1. 特殊形状PCBの重要性電子機器が小型化-軽量化-個性化する中、特殊形状PCBは機器の構造やデザインに柔軟性を提供いたします。しかしながら、材料ロスや加工精度、組立難易度の増加などの問題を招く可能性があり、設計と製造時にそのバランスを取る必要があります。2. 設計-製造時の難点2-1 外形の複雑性円形、凹形、不規則なエッジなどの形状は、切断や穴あけ、pcb 設計において高精度な加工技術を要求いたします。2-2 材料ロスと切断工程複雑な外形は材料の無駄を生みやすく、高精度な切断方法が求められます。2-3 部品の搭載と実装特殊形状では部品配置が難しく、SMD部品の活用や最適なレイアウトによって、実装しやすい設計を目指す必要があります。2-4 加工精度の要求形状、穴位置、配線パターンなどに対して高い加工精度が必要となり、先進的な設備の導入が不可欠となります。3. 可製造性(DFM)を考慮した解決策3-1 設計段階外形の合理化:過度に複雑な形状を避け、円弧や直線を基調とした設計にいたします。レイアウト最適化:基板端部の過密化を避け、重要な信号は中央部に集中させます。部品位置の工夫:SMD部品を活用し、実装のしやすさを確保いたします。3-2 材料選定FR?4やCEM?3などの低吸湿-高精度な基材を選定し、高周波用途にはPTFEやセラミックなどの素材を使用いたします。また、基板の厚みも設計に応じて調整し、反りや加工性への影響を最小限に抑えます。3-3 精密加工技術レーザー切断:高精度かつ応力を与えずに複雑形状を加工いたします。精密ドリル加工:曲面や端部に対しても精度の高い穴あけを実現いたします。自動化設備:切断、ドリル、配線形成などを自動化し、安定した品質を提供いたします。3-4 品質検査外形検査:三次元測定装置により外形精度を確認いたします。電気テスト:導通、絶縁、高周波特性などを確認いたします。実装検査:X線検査によって、はんだ付けの状態を確認いたします。3-5 柔軟な生産プロセス大型や不規則な形状の基板には、分割切断方式を採用いたしま...
夏*石

フレキシブル基板(FPC)とは?

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40 0 Jun 25.2025, 14:33:15
フレキ 基板の最新動向と設計ポイントフレキシブル基板の定義フレキシブル基板(Flexible PCB/FPC)は、折り曲げやねじりに対応できる柔軟性を持ったプリント基板で、従来のリジッド基板(硬質基板)では実現できない自由な配線設計を可能にします。基板材料には、耐熱性や機械強度に優れたポリイミド(PI)やポリエステル(PET)などの高分子フィルムが使用され、スマートフォンやウェアラブルデバイスなど、限られたスペースでの電子回路実装に最適です。特長と製造技術FPC の最大の特長は、その薄さと軽さです。通常、厚さは0.1mm?0.3mm程度で、導体層には18μm?35μmの薄い銅箔が使用され、柔軟性と電気伝導性を両立しています。製造工程では、ポリイミド基材に銅を貼り付け、レーザーや化学エッチングで回路パターンを形成します。高精度なパターン形成が要求されるため、最先端の加工技術と品質管理が必要です。リジッド基板との比較による優位性小型?軽量化折り曲げ可能なFPCは、3次元的なスペース活用が可能で、製品の薄型化-軽量化に貢献します。高い耐久性数万回の屈曲に耐える信頼性があり、車載用ハーネスや医療機器など、繰り返し動作が求められる用途に最適です。自由な設計性リジッド基板では難しい複雑なレイアウトや多層構造、巻き取り設計にも対応でき、設計の自由度が飛躍的に向上します。コストと活用分野初期の設計-製造コストはリジッド基板より高くなることもありますが、スペース-重量の削減や信頼性の向上によるトータルコスト低減が期待できます。代表的な応用分野は以下の通りです:航空宇宙/衛星通信機器自動車のインフォテインメントやADAS系統スマートフォン-カメラモジュール-TWSイヤホン医療用ウェアラブルや診断機器工業用ロボット-センサーユニットフレキシブル基板の設計方法:基本から実践へ1. 要件定義使用環境(温度、湿度、衝撃)、サイズ制約、折り曲げ回数など、アプリケーションに必要な要件を明確化します。2. 適切な材料選定基材はPIまたはPET、導体は電解銅(ED)または圧延銅(RA)を選択。耐熱性や屈曲性に応じて適材適所の選択が重要です。3. 柔軟性の設計必要な最小曲げ半径や動的屈曲回数に応じて、板厚や補強材の有無を検討します。4. 回路レイアウトの最適化ストレス集中を避けるため、曲線状の配線、ティ...
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