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夏*石

PCB配線はなぜ直角にしてはいけないのか?その理由を3つで解説

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0 0 Jan 05.2026, 16:09:10
PCB設計を学び始めたとき、多くの人が最初に教わる基本ルールの一つが「配線は直角にしないこと」です。優れた電子エンジニアほど、PCB設計では直角配線を避けると言われることもあります。では、PCBは本当に直角配線をしてはいけないのでしょうか。結論から言うと、直角配線が可能かどうかは回路の周波数によって決まります。直角配線が可能かどうかは周波数次第基板では、すべての回路で直角配線が禁止されているわけではありません。低周波回路では直角配線は問題にならない場合が多く、高周波回路では避けるべきというのが正確な理解です。直角配線では、配線の曲がり角部分で実効的な線幅が増加します。理論上、この線幅は通常の約1.414倍になります。線幅が変化すると特性インピーダンスが低下し、信号反射が発生します。さらに、90度の角部では寄生容量、寄生インダクタンス、先端部でのEMI(電磁放射)も発生します。低周波回路の場合低周波信号では、信号の波長が配線長に比べて非常に長いため、配線を「短い導線」とみなすことができます。そのため、インピーダンス不連続による反射はほとんど無視でき、直角配線による寄生容量や寄生インダクタンス、EMIの影響も極めて小さくなります。このため、低周波回路では直角配線が大きな問題になることはほとんどありません。高周波回路の場合一方、高周波回路では事情がまったく異なります。直角配線によるわずかなインピーダンス不連続が拡大され、信号反射や伝送遅延が顕著になります。タイミングマージンが確保できない場合、システム全体が正常に動作しなくなる可能性もあります。高周波信号では、損失を極力抑えることが重要です。90度の角で生じるインピーダンス不連続や寄生容量は、位相誤差や振幅誤差、入出力ミスマッチ、さらには寄生結合を引き起こし、結果として回路性能を大きく劣化させます。数値で見る直角配線の影響高速-高周波PCB設計では、インピーダンス変動を±10%以内に抑えることが一般的です。例えば、特性インピーダンスを50Ωに設定した場合、許容範囲は45Ωから55Ωとなります。6層基板のA-1080スタックアップを例にすると、TOP層信号線をL2層基準で50Ωに設計した場合、必要な線幅は約3.97milです。しかし、配線途中に直角が入ると、その部分の線幅は3.97×1.414=約5.61milになります。こ...
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PCBによくある設計問題:基板外形とパネル設計

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0 0 Jan 05.2026, 16:09:04
PCB製造において、基板外形設計およびパネル設計は、加工精度、実装信頼性、量産効率に直結する重要な要素です。不適切な外形設計やパネル設計は、基板欠け、Vカット不良、寸法誤差、実装トラブルなどを引き起こします。高密度基板、多層基板、小型化製品の普及に伴い、外形およびパネル設計に対するDFM(製造容易性)要求はますます高度化しています。本記事では、よくある基板外形およびパネル設計の問題点とDFMの観点からの対策を整理し、設計最適化による生産リスク低減と初回合格率向上を目的とします。1. 基板外形設計の問題点とDFM提案1.1 外形を「閉じすぎない」問題内容:外形がロックされた設計になっている。品質リスク:内スロットが欠落する可能性がある。DFM提案:内スロットを外形でロックしない設計とする。補足:外形がロックされていると、ルータ加工やVカット工程で内スロットが正しく加工できず、破損や未加工の原因になります。CADデータ上で内スロットの開口を明確にし、工具の通行を確保してください。1.2 内スロット幅が不足している問題内容:内スロット幅が0.8mm未満。品質リスク:業界で使用される最小ルータ径は0.8mm。DFM提案:内スロット幅は0.8mm以上で設計する。補足:スロット幅が狭すぎると加工不可となり、工具破損やバリ発生の原因になります。一般的な最小ルータ径は0.8mmのため、内スロット幅は0.8mm以上を確保する必要があります。1.3 外形ラインの重複問題内容:外形が二重線、重線で設計されている。品質リスク:外形公差の誤判定が発生しやすい。DFM提案:外形ラインは一意にする。補足:複数の外形ラインが存在すると、CAM処理や加工工程で誤認識が発生し、重複加工や寸法誤差の原因になります。外形ラインは必ず1本に統一してください。2. パネル設計の問題点とDFM提案2.1 分割方法を考慮しないパネル設計問題内容:パネル設計時に分割方法を考慮していないため、Vカットが困難。品質リスク:Vカット不良による基板廃棄。DFM提案:問題箇所の間隔を十分に確保する。補足:パネル設計では、Vカット刃の間隔、基板剛性、治具の保持位置を考慮する必要があります。不適切な設計は、断面欠けや基板破損につながります。2.2 Vカットラインが同一水平線上にない問題内容:Vカットラインが一直線上に配置されてい...
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PCBによくある設計問題:ソルダーレジストとシルク印刷

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0 0 Jan 05.2026, 16:08:59
PCB設計において、ソルダーレジスト層とシルク印刷層は製品外観だけでなく、はんだ付け品質、生産歩留まり、検査のしやすさに直結します。設計が不適切な場合、パッドのレジスト被り、はんだ不足、文字の不鮮明、マーキング消失などの問題が発生します。多層板-高密度基板-高速基板の普及に伴い、ソルダーレジストとシルク設計に対するDFM(製造容易性)要求はますます厳しくなっています。本記事では、よくあるソルダーレジストおよびシルク設計の問題点とDFMの観点からの対策をまとめ、設計最適化によるリスク低減と初回合格率向上を支援します。1. ソルダーレジスト設計の問題点とDFM提案1.1 ビアのレジスト被覆と開口指定の不一致問題内容:注文システムではビアをレジスト被覆指定しているのに、Gerberデータではビア開口が設計されている。品質リスク:ビア処理方式の誤判定につながる。DFM提案:Gerber上のビア開口指定と、注文システムのビア処理設定を一致させる。補足:ソルダーレジストとビア開口の不一致は、生産側でビア種別の誤認を招き、虚はんだや銅露出の原因になります。Gerberファイル内でビア属性を明確にし、注文条件と整合させることが重要です。1.2 パッドのソルダーレジスト未開口問題内容:配線上にパッドがあるが、ソルダーレジストに開口が設計されていない。品質リスク:パッドのレジスト被りが発生しやすい。DFM提案:パッドがある箇所は必ずソルダーレジスト開口を設ける。補足:レジストがパッドを覆うと、熱伝導やはんだ濡れ性が低下し、虚はんだやブリッジの原因になります。開口サイズはパッド寸法より0.05--0.1mm程度の余裕を持たせるのが一般的です。1.3 ソルダーレジストのはんだラインが長すぎる問題内容:レジスト設計におけるはんだラインが過度に長い。品質リスク:銅露出やエッチング不良が発生しやすい。DFM提案:はんだライン長を適正範囲に管理する。補足:はんだラインが長すぎると、エッチング精度や銅箔の完全性に影響し、短絡リスクが高まります。合理的な長さ制御が必要です。2. シルク印刷設計の問題点とDFM提案2.1 文字をパッド上に配置しない問題内容:文字をパッドやその近傍に配置している。品質リスク:工程上で自動削除され、文字が消失する。DFM提案:表示が必要な文字はパッド上に配置しない。補足:シ...
夏*石

PCBによくある設計不具合:配線設計編(DFM視点での実践ガイド)

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26 0 Dec 31.2025, 11:14:07
PCB設計において、配線設計は電気特性、製造可否、さらには実装後の信頼性に直結する重要な要素です。近年、高密度実装、多層基板、高速信号基板、差動インピーダンス設計の普及により、配線設計に起因する問題が製造工程へ与える影響はますます大きくなっています。設計が不適切な場合、短絡、残銅不均一、インピーダンス不安定、工程手戻りの増加といったリスクを招きます。本記事では、PCB配線設計における代表的な問題点と、可製造性を高めるためのDFM(Design for Manufacturability)観点の改善ポイントを整理し、設計最適化と量産時のリスク低減を支援します。1.配線設計の基礎知識具体的な問題に入る前に、基板配線設計で押さえておくべき基本概念を整理します。断頭線とは、閉ループになっていない、または正しく接続されていない配線のことを指します。意図しない短絡を引き起こしやすいため、設計段階で極力回避する必要があります。板端裸銅帯とは、PCB外周部にソルダーレジストで覆われていない銅箔領域のことです。機能用途はありますが、加工時にルータ加工用のミリング帯と誤認されやすいため、設計には注意が必要です。残銅率とは、基板表面に残る銅箔の面積比率を意味します。残銅率が大きく異なる基板を同一ロットで製造すると、エッチング不良や銅厚ばらつきの原因となります。銅皮の重ね配線とは、複数の銅箔や太幅配線を重ねて配置する設計です。層分離や明確な区分がない場合、製造難易度が上がります。ミリング逃げとは、外形加工時のルータ刃の走行経路を考慮し、銅箔を適切に離す設計配慮を指します。2.よくある配線設計不具合とDFM対策1)断頭線問題内容として、断頭線は製造時に非常に短絡を起こしやすい構造です。品質面では、量産工程での短絡不良に直結します。DFM対策としては、設計段階で断頭線を極力作らないことが基本です。補足として、断頭線は意図的な設計なのか単なるミスなのか判断が難しく、工場側の誤操作や調整工数増加につながります。そのため、DRC(設計ルールチェック)を活用し、配線長、閉ループ性、ネット接続状態を厳密に管理することが重要です。2)板端裸銅帯問題点は、すべての層に板端裸銅帯を設計すると、後工程でミリング帯と混同されやすい点です。品質リスクとして、裸銅帯が加工時に除去されてしまう可能性があります。DFM上...
夏*石

PCBによくある設計不具合:ドリル設計に起因する問題とDFM対策

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24 0 Dec 31.2025, 11:13:38
PCB設計プロセスにおいて、ドリル設計(Drilling)は電気的接続、実装品質、製造プロセス適合性、さらには製造コストにまで大きな影響を与える重要工程の1つです。高速化、高密度化、多層化、新材料の採用が進むにつれ、ドリル設計の許容範囲は年々狭くなっています。設計初期の判断を誤ると、孔属性ミス、短絡や断線、はんだ付け不良、ソルダーレジスト不良、再作業や廃棄といった深刻な品質問題につながります。本記事では、量産現場で頻発するドリル設計の代表的な問題を整理し、それぞれに対するDFMの観点からの改善ポイントを解説します。PCB設計の一発合格率を高めるための実践的な内容です。1.ドリル設計の基礎知識具体的な問題に入る前に、ドリル孔の種類と属性を正しく理解することが重要です。PTH(Plated Through Hole)は、内壁に銅めっきを施した孔で、層間導通を目的として使用されます。スルーホール、挿入部品孔、ビアなどが該当します。NPTH(Non Plated Through Hole)は、内壁に銅めっきを行わない孔で、機械固定や位置決め用途に使用されます。ネジ孔、位置決め孔、バックライト基板の放熱孔などが代表例です。形状としては、円孔が最も一般的で、スルーホールや挿入部品孔に使用されます。槽孔(スロット孔)は長穴形状で、Type CやHDMIコネクタ、FPCコネクタ、コネクタ位置決めに多く用いられます。盲孔や埋め込み孔はHDI基板で使用され、スマートフォン基板や車載システムに多く見られます。8字孔(Figure 8 Hole)は2つの円孔が接続された形状で、バリや銅めくれが発生しやすく注意が必要です。ドリル不具合が多発する原因は、設計データのレイヤー定義の混乱、E CADとCAM間のデータ変換時の属性欠落、孔属性指定ミス、ソルダーレジスト設計とランドリング間隔の不整合などにあります。2.よくあるドリル設計不具合とDFM対策1)孔属性の誤り問題内容として、PTHかNPTHかの定義が不明確な設計データがあり、製造側の判断を困難にします。品質リスクとして、孔属性の作り間違いが発生しやすくなります。DFM対策として、PTHには必ず配線とランドを設計し、NPTHには配線やランドを設計しないことが基本です。補足として、PTHとNPTHの混同はGerberとExcellon変換時の代...
夏*石

基板設計段階から徹底予防するPCB短絡対策:原因解析と実践的チェックポイント

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25 0 Dec 31.2025, 11:13:32
PCB設計および製造の現場において、短絡不良はエンジニアやメーカーにとって最も厄介なトラブルの1つです。では、PCB設計が原因となる短絡はどのように発生するのでしょうか。設計段階で検出することは可能なのでしょうか。また、どのように体系的に予防すべきなのでしょうか。本記事では、その答えを分かりやすく解説します。1.原因を突き止める:PCB設計段階に潜む短絡リスクケース1:異なるネットの銅箔が導通してしまう事例説明左側のビアは第2層で電源(?)ネットに接続されており、右側のビアは電源(+)ネットとして手動で銅箔配線が行われていました。その結果、電源(+)と電源(?)の銅箔領域が重なり、短絡が発生しました。根本原因1)電源(+)と電源(?)ネットに対して、異なるクリアランスルールを設定していなかった。2)手動銅箔作成時に、電源(+)ネットの銅箔が誤って電源(?)ネット領域を覆ってしまった。手動での銅箔配置によって異なるネット(例:電源とGND)が誤って接続された場合、多くのEDAツール(Altium Designer、Cadence、PADSなど)では、DRC(設計ルールチェック)によりエラーとして検出されます。しかし、以下の条件では見逃される可能性があります。1)「Polygon Pour(自動銅箔)」ではなく「Fill(実体塗り)」を使用した場合、すべてのオブジェクトを無条件で覆うため、短絡してもDRCが検出しない。2)DRC設定が不適切、またはオンラインDRCが無効で、クリアランス値が小さすぎる場合。3)配線に電気属性を持たない2D線分を誤って使用した場合。DRCではネット認識されず、Gerber出力時に短絡となる可能性があります。ケース2:異なるネットのビアが重なっている根本原因左側のビアはBottom層でGNDネットに接続され、中間のビアはTop層でVCCネットに接続されています。両者の孔壁位置が重なり、孔壁を介して電源とGNDが直接短絡しました。ケース3:中間層でのアイソレーション不足根本原因ビアは第1層と第4層を接続していますが、第2層と第3層でクリアランスが設定されておらず、異なるネットの銅箔と導通してしまいました。ケース4:安全クリアランス未設定根本原因ビアと配線、または銅箔との間に最小クリアランスが設定されておらず、設計段階から物理的な接触リスクが存在...
夏*石

PCB高周波信号伝送の基礎知識:初心者が必ず理解すべき重要ポイント

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32 0 Dec 31.2025, 11:13:26
質問:PCBの高周波信号伝送とは何ですか。低周波信号との本質的な違いは何でしょうか。回答:まず基本概念を整理しましょう。基板の高周波信号伝送とは、プリント基板上で数百MHz以上の周波数を持つ電気信号を伝送することを指します。例えば、5G通信モジュール、RFパワーアンプ基板、高速デジタルインターフェースであるUSB3.0やHDMI2.1で扱われる信号が該当します。低周波信号との違いは、単に周波数が高いという点だけではありません。低周波信号では、導通が確保されていれば問題にならないケースがほとんどです。しかし高周波信号では、信号の波長がPCB配線長と同程度になるため、配線は単なる導線ではなく「伝送線路」として振る舞います。例えるなら、低周波信号は田舎道を走る車のようなもので、無事に通れれば十分です。一方、高周波信号は高速道路でのレーシングカーに近く、空気抵抗や姿勢制御、車線の正確さまで考慮しなければなりません。高周波信号伝送では、インピーダンス整合、信号反射、クロストーク、電磁放射といった低周波では無視できる問題が顕在化し、これらが高周波PCB設計の主要課題となります。質問:なぜ高周波PCB設計ではインピーダンス整合がそれほど重要なのでしょうか。整合しないと何が起こりますか。回答:インピーダンス整合は高周波信号伝送の生命線です。ここでいうインピーダンスとは、信号が伝送線路を通る際に感じる特性抵抗であり、直流抵抗ではなく、配線のインダクタンス、キャパシタンス、誘電体特性によって決まります。単位はΩで、代表的な値として50Ωや75Ωがあります。50Ωは主にRF信号、75Ωは映像信号で使用されます。インピーダンスが一致しない場合、信号が負荷に到達した際に一部が反射し、反射波が発生します。この反射波が入射波と重なり合うことで、波形の歪みやオーバーシュート、アンダーシュートが生じます。例えば無線通信モジュール用の高周波PCBでインピーダンス整合が取れていない場合、送信信号の一部が反射して戻り、通信距離や安定性が大きく低下します。場合によっては送信ICの破損につながることもあります。受信側でも整合不良があると、ノイズが多く、安定した信号を受信できません。そのため高周波PCB設計において、インピーダンス整合は必須条件です。配線幅、銅厚、誘電体厚み、比誘電率などを計算と調整によって最適...
夏*石

SMTにおけるリワーク特殊工程とは何か。なぜPCB量産の「命綱」と呼ばれるのか

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28 0 Dec 31.2025, 11:13:19
質問:SMT実装の量産工程では、不良品が一定数発生するのは避けられません。「返修重工(リワーク)」は特殊工程だと聞きますが、具体的にどのような作業なのでしょうか。回答:PCBのSMT量産工程では、設備精度や工程管理をどれほど高めても、部品ズレ、虚はんだ、部品違い、チップ破損などの不良が一定割合で発生します。こうした不良品に対して行われるのが「返修重工(リワーク)」という特殊工程です。専用設備と高度な技術を用いて不良箇所を修復し、製品を合格レベルまで回復させる工程を指します。量産においてリワークは、廃棄率を大幅に下げ、製造コストを抑えるためのまさに「命綱」と言える存在です。特に自動車電子基板や医療機器用PCBのような高付加価値基板では、その重要性は非常に大きくなります。多くの人は「リワーク=手作業で部品を外して付け直すだけ」と考えがちですが、実際にはそれほど単純ではありません。SMTリワークは高度な特殊工程であり、最大の難点は温度と作業力の精密制御にあります。不良部品を確実に取り外しつつ、PCB本体や周辺部品にダメージを与えないことが求められます。ここでは代表的なBGAチップのリワーク工程を例に、具体的な流れを説明します。最初の工程は不良箇所の検出と特定です。AOI(自動光学検査)装置やX線検査装置を使用し、BGAのどのはんだ接合部に虚はんだがあるのか、あるいはチップ自体が故障しているのかを正確に特定します。この工程が不十分だと、リワーク時に正常な部品を損傷するリスクが高まります。次に、専用治具による基板固定を行います。PCBをリワークステーションの治具に固定し、加熱時に基板全体が均一に温まるようにします。これにより、局所的な高温による基板反りを防ぎます。PCBGOGOのリワーク設備では真空吸着機能を備えており、小型基板でも確実に固定することが可能です。続いて、精密加熱による部品取り外しを行います。BGAのサイズやパッケージに応じて加熱温度と風量を細かく設定し、チップの上下から均一に加熱します。はんだが溶融したタイミングで、真空ノズルを用いてチップを静かに取り外します。温度が低すぎるとパッド剥離の原因となり、高すぎると基板材料や周辺部品を損傷するため、ここがリワーク工程の最重要ポイントです。部品を外した後は、はんだパッドの清掃と補修を行います。残留したはんだやフラック...
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SMT真空リフローはどのようなはんだ付け課題を解決する特殊工法なのか

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28 0 Dec 30.2025, 14:25:30
SMT実装工程において「真空リフロー」は、名称からして高度な特殊工法という印象を持たれがちですが、実際にはどのような技術で、どのような実装課題を解決するために用いられるのでしょうか。結論から言えば、真空リフローは通常のリフローでは対応が難しい「ボイド 気泡 濡れ不良」といったはんだ付け不良を根本的に低減するためのSMT向け高付加価値工法です。特にBGA QFN 大電力部品などの高難度実装において大きな効果を発揮します。通常リフローはんだ付けの限界とは一般的なリフローはんだ付けは、大気環境下で温度プロファイルを制御し、はんだペーストを溶融させることで部品端子とPCBパッドを接合します。しかし大気中での加熱工程には、構造的に避けられない課題があります。第一に、はんだペースト中のフラックス成分が加熱時にガス化し、そのガスがはんだ接合部内に閉じ込められることで、ボイドや気泡が発生しやすくなります。第二に、加熱中の酸素によるパッドや端子の酸化が進行し、はんだの濡れ性が低下することで、虚はんだや濡れ不良の原因となります。チップ抵抗やコンデンサなどの一般部品では大きな問題にならない場合もありますが、高密度 高信頼性を要求される基板では致命的な欠陥につながる可能性があります。精密部品で顕在化するボイド問題例えばBGAパッケージでは、チップ底面に数百から数千個のはんだボールが配置されています。これらのはんだ接合部にボイドが存在すると、放熱性能や電気的接続信頼性が大きく低下し、動作不安定や早期故障の原因となります。また、大電流を扱うMOSFET IGBT LEDなどの大電力部品では、ボイドによって局所的な発熱が発生し、最終的にははんだ接合部の焼損につながるリスクもあります。真空リフローはどのように問題を解決するのか真空リフローは、はんだが液相温度に到達したタイミングで炉内を真空状態にする特殊なリフロー工法です。一般的な真空度は10から100Pa程度まで制御されます。この真空環境下では、溶融はんだから発生するガスが迅速に排出され、はんだ接合部内に残留しにくくなります。その結果、ボイド率を大幅に低減することが可能です。さらに、酸素が遮断されることで酸化反応が抑制され、はんだの濡れ性が向上し、安定した接合品質を実現できます。真空リフローが効果を発揮する主な実装シーン第一に、BGAやQFNなど...
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レーザー切断分割はなぜ従来の基板分割より優れているのか

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29 0 Dec 30.2025, 14:25:24
SMT実装後の工程では、基板の分割が必要になります。近年「レーザー切断分割」という特殊工法が注目されていますが、従来のルータ分割や手作業分割と比べて、どの点が優れているのでしょうか。PCBのSMT実装工程において、分割工程は最終段階にあたる重要なプロセスの一つです。多くの製品では、生産効率を高めるために複数の小基板を一枚のパネルにまとめたパネル設計が採用され、実装完了後に個片へ分割されます。レーザー切断分割は、このSMT分割工程における特殊工法の一つであり、高精度、低応力、切断面の美しさという点で、従来工法と大きく異なります。特に高密度、高精度PCBに適した分割方法として評価されています。まず、従来の分割方法が抱える課題について整理します。一つ目は手作業による分割です。完全な手作業となるため作業効率が低く、基板エッジの欠けやクラック、部品脱落が発生しやすいという問題があります。分割精度も極めて低いため、精度要求の低い簡易PCBにしか適用できません。二つ目はルータ分割です。回転する刃物で基板を切削する機械分割方式ですが、明確な欠点が二つあります。*一つは切削時に機械的応力が発生する点です。特にBGAやQFNなどのリードレス部品では、応力がはんだ接合部に伝わり、目視では確認できない微細なクラックが発生する可能性があります。これにより、製品使用中に接触不良などの不具合が発生するリスクが高まります。*もう一つは分割精度の限界です。パネル間隔が非常に狭い高密度基板では、有効回路領域に刃物が入り込み、配線を損傷する危険があります。これに対し、レーザー切断分割は非接触型の分割工法であり、SMT分野における高度な特殊技術の一つです。高出力レーザービームを使用し、あらかじめ設定された分割ラインに沿ってパネル接続部を加熱、溶融させることで基板を分割します。この工法の優位性は、主に3つの観点から説明できます。第一の特長は、極めて高い切断精度です。レーザービームのスポット径は0.01mm以下まで制御可能で、切断精度は±0.02mmレベルに達します。これはルータ分割では実現が困難な精度です。スマートフォン用基板やIoTモジュールなどの高密度PCBでは、パネル接続部の幅が0.5mm程度しかないケースもありますが、レーザー切断であれば設計通りの位置を正確に切断でき、配線や実装部品を損傷するリスク...
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