営業部:営業時間 日本時間 10:00~19:00(土日祝日定休)

フォーラム

夏*石

医療機器向け高信頼性HDIにおける微小ビア品質管理ソリューション

記事
1 0 Nov 24.2025, 10:22:12
医療用モニター 呼吸器、内視鏡などの医療機器では、高密度実装を実現するために直径0.15mm以下の微小ビアを用いたHDI基板が広く採用されています。しかし、微小ビアは構造が極めて精密であるため、品質不良が機器の安全性に直結します。医療機器信頼性レポートでは、医療電子機器の故障の28%がHDI微小ビアの欠陥によるものと報告されており、あるモニター機器メーカーではビアのめっきボイド率が8%に達したことで、臨床使用中に信号途切れが発生し、リコール対応を余儀なくされました。医療機器向けHDIはIEC 60601-1(医療電気機器の安全規格)およびIPC-6012H Class 3に適合する必要があり、微小ビアの孔径公差±0.01mm、めっき銅厚20μm以上、ボイド率2%以下といった厳しい品質要件が求められます。PCBGOGOは医療HDI分野で8年以上の実績を有し、これまでに50万枚を超える医療グレードHDIを提供してきました。以下では、医療向け微小ビアの品質管理の要点、工程最適化、量産時の合規プロセスを体系的に整理します。1. 微小ビア品質の核心要素医療用HDIの微小ビア品質は「高精度 と 高安定性」が必須であり、以下の3点が特に重要となります。① ドリル精度の確保微小ビア径は0.1mm--0.15mmで 孔径公差±0.01mm以内が基準です。±0.02mmを超えると銅めっきの充填性が低下し ボイド発生率が顕著に上昇します。PCBGOGOの評価では、孔径偏差が0.02mmになるとボイド率が約5%増加しました。② めっき銅層の均一性孔壁銅厚は20μm以上 均一性は±2μm以内 IPC-A-600G Class 3に準拠します。めっき層にピンホール直径5μm以下の欠陥がないことが求められます。③ 孔壁の健全性樹脂残渣 バリがなく、バリ高さは5μm以下(IPC-TM-650 2.4.3)が基準です。信号品質の劣化を防ぐためにはバリ管理が重要です。医療向けHDIではレーザードリル(精度±0.005mm)が主流で、機械ドリルより高精度です。基材には生益S1130(Tg165℃ 誘電率4.3±0.2)など医療用途向け材料が採用されます。めっき工程にはパルス電解銅めっきを用い、銅層の均一性と信頼性を向上させます。2. 微小ビア品質管理の実行プロセス(1)レーザードリル工程の最適化使用設備...
夏*石

【射频エンジニア必見】ハイエンドスマートフォン向けHDIのインピーダンス-クロストーク最適化設計ガイド

記事
1 0 Nov 24.2025, 10:21:53
5GやVR/ARの普及により、ハイエンドスマートフォンやVRヘッドセットでは、HDI基板に対してかつてないレベルのシグナルインテグリティ(SI)が要求されています。5Gでは24GHz以上、VRでは10Gbps超の高速伝送が一般的となり、わずかなインピーダンス不整合やクロストークでも信号減衰やレイテンシ増加を招き、ユーザー体験に大きく影響します。業界データによれば、ハイエンドスマートフォンにおけるHDI配線の阻抗不整合が5G信号を30%以上減衰させるケースが報告されており、あるVRメーカーではクロストークを原因とした画面カクつき率が15%を超えた事例も確認されています。そのため、ハイエンド向けHDI設計では、IPC-2141(高周波プリント基板設計)およびUSB-IF準拠(USB4規格) が求められ、インピーダンス偏差は±3%以内、クロストーク減衰は40dB以上が必須となります。PCBGOGOは、これまでハイエンドスマートフォンやVRデバイス向けに100万枚以上のHDI基板を提供しており、本稿ではインピーダンス最適化-クロストーク コントロールの核心技術と検証方法を解説します。1. HDI信号品質の核心:阻抗マッチングとクロストーク抑制ハイエンドHDIのシグナルインテグリティを左右する要素は「インピーダンス最適化」と「クロストーク コントロール」の2点であり、IPC-2226の高周波設計要件を満たす必要があります。(1)インピーダンスマッチング:50Ω(RF)と90Ω(差動)の精度確保5G-VR向けHDIでは以下のインピーダンス仕様が一般的です:RF信号:50Ω差動高速信号:90Ωインピーダンス値は基材の比誘電率(εr)、線幅、層間厚みに強く依存します。IPC-2141における代表式は以下の通りです:Z = (60 / √εr) × ln(5.98h / W)(h:層間厚み、W:線幅)基材のεrは特に重要で、例えば:Rogers RO4350B:εr = 4.4 ± 0.05一般的なFR-4:変動 ±0.3(RO4350Bより安定性に劣る)PCBGOGOの測定では、εrが0.1変動すると阻抗偏差が約3%増加することが確認されています。(2)クロストーク抑制:差動ペアの配置とグラウンド処理クロストークは高速信号の品質を大きく損なうため、USB4では40dB以上の減衰が求...
夏*石

柔性PCBのラミネート工程最適化ガイド 分層率0.3%以下を実現するためのパラメータ管理とプロセス監視

記事
20 0 Nov 21.2025, 09:27:22
ラミネート工程は柔性基板製造における最重要プロセスであり、分層不良が最も発生しやすい工程として知られています。ある生産データでは、柔性基板(FPC)の分層不良の約60%がラミネート条件の不適切さに起因し、特に圧力ムラが原因で大規模な分層が発生した事例も報告されています。柔性材料は熱や圧力に対する許容範囲が狭く、パラメータ管理の精度が品質を大きく左右します。柔性基板のラミネート工程はIPC-2223の5.3項、およびIPC-TM-650 2.4.31に基づく温度-圧力-時間の三要素管理が基本となります。以下では、各パラメータが分層に与える影響と、その最適化手法、さらに不良を抑制するための監視体制について解説します。1. ラミネート工法の核心技術柔性PCBはPIやPETを基材とするため、剛性PCBと比べて材料特性がパラメータ変動に極めて敏感です。接着剤の硬化温度域は一般的に±10℃程度と狭く、わずかな誤差が分層の原因となります。1.1 温度管理ラミネートの温度プロファイルは以下の3段階で構成されます。予熱:接着剤を軟化させる工程恒温:樹脂の完全硬化を行う工程冷却:熱収縮を安定化させる工程例えば3M 9495LEを使用する場合、最適恒温温度は240℃です。温度が±5℃外れると硬化度が不足し、分層率が大幅に上昇します。実測では240℃恒温で分層率0.2%に対し、230℃では8%まで増加しました。1.2 圧力管理圧力は基材厚みに応じて設定します。基材0.1mm:0.8MPa基材0.2mm:1.2MPa圧力の不均一は局所的な接着剤不足や気泡形成を招き、パネル分層の主要因となります。圧力偏差が±0.1MPaを超えると気泡発生率が約18%増加します。1.3 時間管理恒温時間は接着剤の完全硬化を満たす必要があります(240℃で30分が基準)。25分以下:硬化度80%未満35分以上:樹脂の劣化-脆化いずれも剥離強度の低下につながり、分層リスクが増大します。高度な装置では、日本製IHIラミネート機(温度精度±2℃、圧力精度±0.05MPa)や、温度-圧力の実測曲線をリアルタイムで記録する監視システムが採用され、パラメータの再現性が向上しています。2. 実践的な最適化アプローチ2.1 ラミネート条件の最適化プロセス柔性PCBの量産における分層抑制には、以下の3ステップが有効です。ステップ1...
夏*石

柔軟性と信頼性を両立するための基板材料選定と実装ポイント

記事
21 0 Nov 21.2025, 09:27:16
1. はじめに柔性PCB(FPC)は、折りたたみスマートフォン、スマートウォッチ用バンド、医療用カテーテル機器など、曲げ動作が求められる分野で広く採用されています。しかし、FPCは繰り返しの屈曲や曲げ疲労によって配線が断線しやすく、特に曲げ半径が5mm以下になる環境では故障リスクが大幅に上昇します。業界データでは、FPCのアフターサービス不良のうち約45%が配線トラブルに起因するとされ、あるウェアラブルメーカーでは、修復後の柔軟性不足により、5000回の屈曲で再断線が発生し、修理品の返却率が30%を超えた事例も報告されています。柔性PCBの修復には、IPC-6012F(柔性プリント配線板仕様)第7章およびIPC-7721第7章(柔性回路のリワーク/修理)が求める“修復後の屈曲信頼性の維持(10万回屈曲で断線なし)”が必須条件となります。PCBGOGOはこれまでに、60社以上のウェアラブル-医療機器メーカーに対して柔性PCB修復ソリューションを提供し、5年間にわたり多様な修復案件をサポートしてきました。本稿では、材料選定、工法、信頼性検証の観点から、柔性配線修復における重要要素を解説します。2. 技術的な核心ポイント柔性PCBの断線修復における最大の課題は、「補強強度」と「柔軟性」の両立です。特にPI(ポリイミド)基材を用いたFPCでは、以下の3点が修復品質を左右します。■ 1. 修復材料の柔軟性修復に使用するフライワイヤや導電性接着剤は、高い伸び性能を持つことが必須です。フライワイヤ:延伸率15%以上の錫メッキ銅線導電性接着剤:断裂伸び100%以上の柔軟性タイプPCBGOGOの内部試験では、一般的な硬質導電接着剤では約5000回の屈曲で断線が発生する一方、柔軟性タイプの導電接着剤では10万回の屈曲試験に耐えることを確認しています。■ 2. 低温かつ短時間のはんだ付け管理PI基材の長期耐熱上限は約280℃であるため、修復はんだ付けでは260℃以下、作業時間5秒以内に制御する必要があります。温度が280℃を超えると、Tgが280℃から250℃へ低下し、柔軟性が損なわれます。これはIPC-6012F 7.2項の要件にも適合しています。■ 3. カバーレイ材料の柔軟性と密着性の確保カバーレイは元のFPCと同等の柔軟性を持ち、断裂伸び150%以上が望まれます。GB/T 135...
夏*石

フレキシブルPCBの分層検査と返修技術 成本削減の鍵

記事
23 0 Nov 20.2025, 11:02:19
1. はじめにフレキシブルPCBが分層した場合、盲目的に返修を行うと二次損傷を引き起こすリスクが高く、返修成功率は30%未満となることがあります。さらに、再作業コストが50%増加するケースも報告されています。ある消費電子メーカーでは、分層検査の精度不足により、修復可能な10万枚のフレキシブルPCBを直接廃棄し、600万円以上の損失が発生しました。フレキシブルPCBの分層検査と返修は、IPC-7711/7721(プリント基板返修規格)に準拠し、分層位置と程度を正確に特定した上で、適切な修復工法を選択することが重要です。PCBGOGOのフレキシブル基板返修チームは20名体制で累計50万枚以上の分層PCBを返修しており、返修成功率は92%を達成しています。本記事では、分層検査手法、返修工法、品質確認のポイントを詳しく解説し、企業の再作業コスト削減に貢献します。2. 核心技術の解析フレキシブル基板の分層検査と返修の最大の課題は、「柔軟材料は損傷しやすく、非破壊で正確に検査-修復する必要がある」という点です。このため、IPC-TM-650 2.4.32(分層検査規格)に準拠した二つの核心技術が求められます。まず分層検査技術です。分層は表面分層(目視で確認可能な気泡)と内部分層(目視不可で隠蔽性が高い)に区分されます。表面分層は光学検査で対応可能で、倍率10倍で観察し、気泡直径が0.2mm以上であれば分層と判定します。内部分層は超音波スキャンで検査し、周波数15MHz~25MHzで分層位置(精度±0.1mm)と面積を特定します。PCBGOGOのデータでは、超音波検査による内部分層の識別率は99%に達し、手作業の60%を大きく上回ります。次に分層返修技術です。分層面積に応じた適切な工法を選択します。小面積分層(5mm2以下)は局所注入型接着剤修復(3M 9473PC、120℃で硬化)が適しています。大面積分層(5mm2以上)は剥離-再貼付工法が推奨され、レーザー除去で旧接着剤を取り除き、基材変形を避けるため、基材のTgの80%以下の温度で返修します(例:PI基材Tg=280℃の場合、返修温度≤224℃)。主要設備として、PCBGOGOでは米国Sonoscan D950超音波スキャナー(分解能0.01mm)とKEYENCE VHX-7000光学顕微鏡を用いた検査、返修には日本FAN...
夏*石

柔性PCBのフライングプローブテストにおける圧力最適化と変形抑制ソリューション

記事
27 0 Nov 20.2025, 11:02:13
柔性プリント基板(FPC)は、軽量かつ高い柔軟性を持つことから、スマートウォッチやフォルダブルスマートフォンなどに幅広く採用されています。しかし、フライングプローブテストでは「基材に剛性がない」という構造的特性により、テスト時の変形が発生しやすいという課題があります。業界データによれば、変形を適切に管理していないFPCでは、折れやシワによるテスト不良が40%を超えるケースも報告されています。あるフォルダブル端末メーカーでは、変形を伴うテストにより1,500枚のFPCでパッド剥離が発生し、約80万円の損失につながった事例もあります。PCBGOGOは柔性PCBテストに特化して6年以上の実績があり、累計600万枚以上のFPCをテストしてきました。独自の変形抑制技術により、変形が原因となる不良率を1%以下に抑えています。本記事では、FPCがフライングプローブテストで変形する根本原因と、固定方式、圧力調整、検証方法を体系的に解説し、変形問題の解決策を提示します。1. 変形が起こる要因と技術的背景柔性PCBにおける変形コントロールは、IPC-1101の6.4項に準拠させる必要があり、特に以下の2つの課題を同時に解決することが求められます。固定方式と変形のトレードオフFPCを縁部のみで固定した場合、中央部が容易に“たわみ”を起こし、たわみ量が0.1mmを超えるとプローブの接触位置がずれ、テスト不良が発生します。PCBGOGOの比較データでは、面全体を吸着する真空固定方式は、縁部固定方式に比べて変形量を80%低減できることが確認されています。探針圧と基材ダメージのトレードオフFPCの基材(PIなど)が耐えられる圧力は最大80g程度であり、100gを超える圧力が加わると、基材に0.02mmを超える圧痕が残ったり、パッド剥離を引き起こします。これはIPC-A-610G Class 2で求められる外観要件にも抵触します。PCBGOGOでは、真空吸着と弾性支持を組み合わせた独自工法を採用しています。吸着圧力は-50kPa、支点間隔は5mmとし、厚み0.05mmから0.2mmのFPCに適応。さらに超薄型(0.05mm以下)のFPCに対しては、静電気対策シリコンバー(硬度30A)を追加することで、変形量を0.03mm以下に抑えることができます。これは業界標準の変形量(約0.1mm)を大きく下回...
夏*石

FPCにおける導電インクの選定と曲げ信頼性設計のポイント

記事
27 0 Nov 19.2025, 17:49:24
1. はじめにウェアラブル端末や折りたたみスマートフォンの普及に伴い、FPCは繰り返しの曲げ負荷に耐えられる信頼性がこれまで以上に求められています。例えば、スマートウォッチのストラップ内蔵基板では10万回を超える曲げ試験が一般的です。FPCの電気特性を支える導電インクは、製品寿命に直結する重要要素です。業界では、FPCの不具合の約45%が導電インクの劣化に起因するとされ、一般品インクの採用によって1万回の曲げで導電性が大幅に低下し、数百万円規模のリコールにつながった事例も報告されています。導電インクはIPC-4921(導電インク規格)が定める柔性用途向け要件を満たす必要があり、適切な選定と評価が不可欠です。PCBGOGOはFPC向け導電インク技術に5年以上取り組み、累計600万枚以上の製品を量産してきました。本記事では、導電インク選定の要点と曲げ信頼性を確保するための設計ポイントをわかりやすくまとめています。 2. 導電インク選定における主要パラメータ柔性基板に使用する導電インクでは、以下の三つの特性が特に重要です。(1)方形抵抗(Sheet Resistance)柔性用途では、乾燥膜厚25μmで方形抵抗が0.05Ω/□以下であることが望ましいとされています。方形抵抗が高いインクは電流損失が大きく、PCBGOGOの評価では、0.1Ω/□を超えるインクは5万回の曲げで導電性が30%低下する傾向が確認されています。(2)密着性IPC-TM-650 2.4.30(テープ剥離試験)では5B評価が柔性用途の基準とされています。密着性が不十分なインクは、3万回程度の曲げで剥離やクラックが発生しやすくなります。(3)曲げ寿命一般的なFPCでは、曲げ角度180度-曲げ半径1mmで10万回の繰り返し試験を行い、抵抗値の変化率が10%以内であることが求められます。この基準はGB/T 24369.2(柔性回路試験標準)に準拠しています。なお、銀系インクの代表例であるDuPont 7713は方形抵抗が低く、密着性も高く、曲げ10万回の後でも抵抗変化が小さいことから、高信頼性が求められるスマートウォッチや高精度センサー用途に適しています。一方、日立A-110のような銅系インクはコスト面で優れ、曲げ性能とのバランスも良いため、コスト重視のFPCに広く採用されています。 3. 実践的な選...
夏*石

リジッドフレキマイクロビア基板の材料選定:屈曲信頼性を最適化する実践ガイド

記事
28 0 Nov 18.2025, 09:33:02
1. はじめに剛性領域の構造安定性と柔性領域の屈曲性を両立するリジッドフレキマイクロビア基板は、ウェアラブル機器や医療機器、精密電子機器での採用が拡大しています。しかし業界データでは、基板の不良の約60%がマイクロビア領域の屈曲亀裂に起因しています。あるスマートウォッチ事例では、材料適合が不十分なため1,000回の屈曲試験でマイクロビア亀裂率が35%に達し、製品返修率が20%を超えたケースが確認されています。リジッドフレキマイクロビア基板では、屈曲寿命と加工性を両立する専用材料の選定が不可欠です。PCBGOGOはリジッドフレキ基板分野での長年の量産実績を有し、標準設計で屈曲寿命5,000回以上の安定化を実現しています。本稿では、材料の重要指標、選定基準、製造上の最適化手法を整理し、マイクロビアの屈曲亀裂を抑制する実践的方策を提示します。 2. 技術ポイント(要点)リジッドフレキマイクロビア基板の材料選定は「剛性材と柔性材の互換性」に集約されます。設計と検証は IPC-2223(剛柔設計基準)第6.3条および IPC-6013 の要件を満たすことが前提です。主な評価指標は次の通りです。 2.1 柔性基材の屈曲特性柔性領域にはポリイミド(PI)基材を推奨します。目安は次の通りです。(1)破断伸び率 ≥ 50%(2)180°曲げ(曲げ半径 1 mm)に対応(3)IPC-TM-650 2.4.19 に基づく 5,000 回屈曲で亀裂が生じないこと 2.2 剛性材と柔性材の熱膨張係数(CTE)互換性剛性材と柔性材の CTE 差は 10 ppm/℃ 以下に抑えることを推奨します。差が大きいと熱圧合後に内部応力が生じ、マイクロビア周辺での亀裂発生リスクが上昇します。PCBGOGO の実測では、CTE 差が 15 ppm/℃ を超えると亀裂率が約 40%増加する傾向が確認されています。 2.3 マイクロビア加工適合性柔性 PI 材はレーザードリリングに適合する必要があります。基準値は次の通りです。(1)ビア径 0.1–0.2 mm(2)孔壁粗さ Ra ≤ 0.6 μm(3)加工後の炭化やバリがないこと(IPC-A-600G Class 2 相当)代表的な材料組み合わせ例(用途別)消費電子向け:SHENGYI S1130(CTE 13 ppm/℃)+ DuPont K...
夏*石

AIサーバーの世代交代が加速 PCB-CCL産業は数量と単価の双方で新たな成長局面へ

記事
23 0 Nov 18.2025, 09:32:54
生成AIサーバーの更新サイクルが例年にないスピードで進む中、その中核部材であるプリント基板(PCB)および銅張積層板(CCL)にも高度化の波が押し寄せています。市場では、技術仕様のアップグレードに伴い、出荷数量だけでなく単価上昇が同時に進む「量価同時成長」の新サイクルが始まったとの見方が強まっています。技術進化が価値向上を後押し2026年下期より量産が予定されているエヌビディアの新世代「Rubinプラットフォーム」は、今回のアップグレードサイクルを象徴する存在とされています。高速伝送を要求する設計仕様により、業界はより高難度のM9クラスCCLおよび多層基板への移行を迫られています。M9グレードのCCLでは、HVLP4銅箔や専用ガラスクロスを用いることで、従来のM8材料に比べてコストが約2--5倍に上昇。さらに、30層超のPCB設計や、ケーブルレス高速インターコネクト用バックプレーンといった新構造の採用が進むことで、サーバー1台あたりのPCB-CCLの搭載価値は大幅に増加します。また、クラウド大手による自社開発AIチップ(ASIC)の高速進化も、高付加価値PCBの需要を押し上げる要因となっています。Google TPU v8 や AWS Trainium 3 などの新世代チップ投入により、ASICサーバー向けPCBは24層から30層以上へと移行しつつあります。TrendForceによれば、2025年における主要クラウド事業者の設備投資額は総額4200億ドルを超え、前年比61パーセント増と急拡大する見込みです。コスト上昇と需給逼迫で値上げサイクルが本格化一方、原材料価格の上昇も業界の値上げ基調を強めています。過去半年で銅価格は二七パーセント、ガラス繊維は72パーセント上昇し、CCLの加重平均コスト指数は40パーセント増加しました。加えて、高周波-高速向けCCLの供給ひっ迫が続いているほか、メーカー各社が高付加価値製品へ生産リソースを集中させることで、中低位グレード品の供給もタイト化しています。業界の集中度が高いことから、CCLメーカーはコスト増を下流のPCBメーカーに転嫁しやすく、実際に価格改定の動きが広がり始めています。市場では、AIサーバーの世代交代とクラウド大手のASIC投資拡大が相まって、PCB-CCLの需給逼迫は2026年以降も続くとの見方が強まっています。技...
夏*石

柔性電子皮膚向けPCB基材の選定と耐曲げ設計ガイド

記事
32 0 Nov 17.2025, 11:40:11
電子皮膚は医療用義肢の触覚フィードバックやウェアラブル型の健康モニタリングなど、人体と長時間接触してかつ頻繁に曲げられる用途で多用されています。業界データでは、電子皮膚の故障原因の約60%が基板の曲げによる破損と報告されています。あるリハビリ機器メーカーでは、基材が1万回の曲げで亀裂を生じ、触覚機能が喪失して300万円超のリコールに至った事例もあります。柔性電子皮膚用PCBは設計上、IPC-2223(フレキシブル基板設計標準)第6章に準拠した耐曲げ要件を満たす必要があり、医療用途ではさらに ISO 10993-5(生体適合性:細胞毒性)への適合が求められます。PCBGOGOは柔性PCB領域において5年間で累計80万枚以上を納入し、最高で15万回の曲げで不具合が出ない実績を有しています。本稿では基材選定の重要指標、具体的な選定手順、耐曲げ設計と製造上の最適化を解説します。 1. コア技術と評価指標 柔性電子皮膚基材の選定は使用場面に合致した三つの主要特性に着目する必要があります。1.1 基材の伸びと靭性 指標:破断伸長率(引張試験、IPC-TM-650 2.4.18準拠) 医療用電子皮膚の目安:破断伸長率 ≥ 20% 解説:一般的なポリイミド(PI)基材の破断伸長率は約12%のものが多く、5万回程度の曲げで亀裂が発生しやすい。例として DuPont Kapton HN は破断伸長率で約25%を示し、耐曲げ性に優れる。1.2 耐熱性 指標:ガラス転移点(Tg、差示走査熱量測定 DSC) 医療用途の目安:Tg ≥ 180℃ 解説:体温環境やはんだ工程の熱負荷を考慮し、Tgが十分高い材料を選ぶことが重要。DuPont Kapton HN(Tg ≒ 300℃)、松下 TN-S(Tg ≒ 280℃)などが適合例。 1.3 生体適合性 指標:ISO 10993-5(細胞毒性試験)による評価 解説:医療用途では基材および添加物が細胞毒性を起こさないことを確認する必要がある。重金属などの溶出は許容上限(例:重金属 ≤ 10 ppm)を満たすことが求められる。 1.4 銅箔と配線設計の影響 銅箔種類:圧延銅箔(延伸率 ≥ 30%)は電解銅箔(延伸率 ≤ 15%)より曲げ疲労に強い。 実測データ(PCBGOGO):35 μm 圧...
記事を書く
人気のキーワード