フレキシブル基板の銅箔選定|圧延銅箔と電解銅箔の違い
重要ポイントフレキシブル基板の銅箔は、圧延銅箔(RA)か電解銅箔(ED)かだけで決めず、動的・静的のどちらの屈曲か、必要寿命、銅箔厚、積層構成、個別材料の試験条件を合わせて比較します。
圧延銅箔と電解銅箔は製法が異なり、特性にも一般的な傾向があります。ただし、RAなら必ず高屈曲、EDなら繰り返し曲げに不向き、とは限りません。ここでは、用途に合う候補を絞るための考え方と、材料資料で確認したい項目を整理します。
圧延銅箔と電解銅箔は製法と特性の傾向が異なる
圧延銅箔(RA)は銅を圧延し、焼鈍して箔にする材料です。電解銅箔(ED)は、電解によって銅を析出させて箔を形成します。製法の違いは材料組織や表面状態の差につながりますが、実際の特性は品種や厚さ、表面処理によって変わります。
| 比較項目 | 圧延銅箔(RA) | 電解銅箔(ED) |
|---|---|---|
| 製法 | 銅を圧延・焼鈍して形成 | 電解で銅を析出させて形成 |
| 屈曲特性の見方 | 屈曲性を重視する用途で候補になりやすいが、品種ごとの確認が必要 | 品種差が大きく、FPC向けの高屈曲性を持つ製品例もある |
| 選定時の注意 | 銅箔厚、表面処理、樹脂との組み合わせを確認 | 結晶・表面処理や試験条件を含め、個別仕様で比較 |
公開されている材料資料では、圧延箔に屈曲性を特長として示す例がある一方、電解箔にも結晶構造を制御し、繰り返し曲げを想定したFPC向け製品例があります。したがって、製法名は候補を絞る手掛かりとし、最終判断は使う材料の仕様と試験データで行います。
動的屈曲か静的屈曲かで選定条件を変える
動的屈曲は、ヒンジや可動部のように使用中に繰り返し曲がる状態です。曲げ半径だけでなく、屈曲回数、速度、曲げ方向、温度、銅箔の位置、積層構成をそろえて材料データを確認します。RAは候補の一つですが、EDを含め、想定条件に近い試験結果で比較してください。ヒンジ部の屈曲領域や固定領域の考え方は、「折りたたみスマホのヒンジ部FPC設計」も参考になります。
静的屈曲は、組み立て時に曲げ、その後はほとんど動かさない状態です。この場合も銅箔の種類だけでなく、曲げ部の形状、銅箔厚、曲げ加工条件、組み立て後に残る応力を確認します。動的屈曲の試験回数を、そのまま静的用途の判断に当てはめないことが大切です。
高速信号を通すFPCでは、屈曲条件に加えて配線のインピーダンスや信号品質も設計対象になります。信号配線の確認項目は、「FPCの高速信号配線設計」で解説しています。

材料仕様と試験条件をそろえて比較する
見積もりや設計レビューでは、「RA/ED」という分類だけでなく、次の情報を材料仕様書やデータシートで確認します。
銅箔の種類・品番・厚さ
引張強度・伸びなどの機械特性
屈曲試験の方法、曲げ半径、方向、速度、回数
表面粗さ、樹脂との密着性、表面処理
ベースフィルムや接着層を含む積層構成
特性値は品番や試験条件に依存します。数値を比べる場合は、同じ条件で測定された値か、代表値か保証値かも確認してください。試作では選定した材料と屈曲条件を図面・仕様書で共有し、想定用途に近い評価方法を関係する材料・FPCの担当者とすり合わせます。
FPCの仕様や製造見積もりを確認する際は、PCBgogoの公式サイトをご覧ください。RA/EDの品番指定、屈曲寿命の評価・保証などは、見積もりページで選択できると断定せず、必要な場合は個別に対応可否を確認してください。
PCBgogoでフレキシブル基板の見積もりを確認必要な基板仕様や数量を整理したら、見積もりページで製造費用をご確認ください。フレキシブル基板の見積もりを確認する