近年のSMT(表面実装技術)生産では、はんだ印刷検査(SPI)は高品質なPCB組立を実現するための重要プロセスとなっています。部品サイズの小型化と高密度実装が進む中、わずかなはんだ高さや体積の差がブリッジ、はんだ不足などの欠陥を引き起こします。SPIを導入することで、印刷直後(部品実装前)に問題を発見でき、リワークの削減と歩留まりの向上につながります。本記事では、SPIの基本原理、その重要性、そして製造プロセスで導入すべきタイミングについて解説します。

はんだ印刷検査(SPI)とは
はんだ印刷検査(SPI)は、SMT組立工程において、スクリーン印刷後のプリント基板(PCB)上のはんだ量を測定-評価するための計測技術です。各パッドに適切なはんだ高さ、面積、体積、位置が確保されているかを確認します。従来の目視検査では、ミクロン単位の印刷偏差を検出することは困難であり、とくにピッチ0.4mmのBGA、01005チップ部品、微細ピッチQFNなどでは安定した品質管理が求められます。SPIは自動化と高精度測定を提供し、安定した組立品質を実現します。
SPIが重要である理由
SPIの導入によって、SMT組立における主要な問題の多くを未然に防ぐことができます。
まず、SMT関連の欠陥の多くは印刷工程に起因しています。以下のような典型的な印刷不良が発生します。
糊状はんだの不足、過多、ブリッジ、位置ズレ、形状の崩れ、ステンシルの目詰まりなどが挙げられます。SPIはこれらの問題を初期段階で検出し、後工程で発生するコストの高い不良を防止します。
さらに、現代のSMT生産ラインではSPIデータを用いて閉ループ制御を実施できます。刮刀圧、印刷速度、ステンシルの清掃タイミング、位置補正などを自動的に調整し、長時間の連続生産において安定した印刷品質を維持できます。
SPIを導入することで、リワーク時間、検査工数、不良廃却、現場不良を大幅に削減し、信頼性の高い基板を低コストで提供することが可能になります。
はんだ印刷検査の原理
最新のSPI装置は3D光学測定技術を採用しています。構造光やモアレ縞パターンを基板表面に投射し、カメラで高さの変化を取得します。測定する項目は、高さ(Z軸)、体積(はんだ総量)、面積(2D投影)、位置(印刷精度)などです。2D方式に比べ、3D SPIは高密度実装に適した高精度な計測が可能です。
また、画像処理によって測定結果を事前に設定した公差と比較し、不良を自動分類します。高さ不足、体積不足、面積変化、位置ズレ、はんだ過多、ブリッジなどの判定をリアルタイムで行います。さらに統計的工程管理(SPC)機能により、長期的な安定性の監視も可能です。
高度なSPIシステムは印刷機と連動し、異常を検知した際には自動的に補正を行います。具体的には印刷位置の補正、自動ステンシル清掃、圧力と速度の最適化などを自動で実行します。これによりオペレーターの負荷を軽減し、生産ロット間の品質を一定に保ちます。
SPIを導入すべきタイミング
高密度や微細ピッチ基板を製造する場合、SPIは特に重要です。BGA、uBGA、CSP、QFN、微細ピッチQFP、01005/0201チップなどは、はんだ量と印刷位置の精度が非常にシビアです。
歩留まり低下やリワークコストが問題になっている場合もSPI導入が効果的です。ブリッジ、ツombsトーン、はんだ不足などの不具合を印刷直後に特定できるため、迅速に原因を把握できます。
中/大規模生産に拡大するタイミングでもSPIが有効です。とくに家電製品、自動車電子、医療機器、産業用制御基板などで品質の一貫性が求められる場合に適しています。
さらに、スマートファクトリーやインダストリー4.0を導入する場合、SPIはデータ駆動型SMTプロセス制御の基盤となります。自動トレンド検出、ステンシルの予知保全、品質トレーサビリティ、IoTベースの分析などに対応できます。
結論:SPIが重要である理由と、PCBGOGOが提供できる価値
PCB設計はより微細ピッチ、高密度化、高信頼性化へと進んでおり、安定した歩留まりを実現するためにはんだ印刷検査(SPI)は不可欠です。高精度な3D計測、リアルタイムフィードバック、強力な不良予防機能によって、印刷工程の時点で理想的な品質基盤を構築できます。
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