微細ピッチパッドの生存法則 0.3mmピッチでも安定実装を実現する方法
一 はじめに
昨今の計測器や精密機器は高精度かつ小型化が強く求められており 0.3mmや0.4mmの微細ピッチパッドが当たり前のように使われています。しかし多くのエンジニアはこの微細ピッチに苦戦します。0.3mmは髪の毛より細く少しでもずれるとブリッジや未はんだが発生し歩留まりが大きく低下します。製造現場でも微細ピッチは非常にシビアでわずかなズレで不良になり生産効率が大きく落ちるとよく言われます。
PCBGOGOは微細ピッチ実装の経験が豊富であり貼付精度は±30ミクロンを実現しています。0.3mmピッチのパッドでも安定してはんだ付けできます。本稿では生存法則という形で微細ピッチパッドの実装ポイントを解説しブリッジや未はんだの悩みを解消するための実践的な方法を紹介します。

二 微細ピッチパッドが難しい理由
2.1 微細ピッチパッドの生存環境の厳しさ
微細ピッチパッドはピッチが0.5mm以下であり最大の課題はスペースが極端に狭いことです。隣接パッドとの距離が通常の半分以下であるためはんだペーストの量が少し多いだけでブリッジし少し足りないと未はんだになります。さらに部品搭載が0.05mmずれるだけで実質的なピッチが17パーセント縮まりはんだ付けが破綻します。まるで狭い廊下を歩くように少しでも動きが狂うと壁にぶつかるような状況です。
2.2 業界標準が示す最低ライン
微細ピッチは好き勝手に設計して良いものではありません。IPC 7095では明確な基準が定められています。例えばはんだペースト厚が0.1mmの場合パッド間距離はその2倍の0.2mm以上が必要です。またBGAの微細ピッチではボイド率5パーセント以下 IPC A 610G Class 3ではブリッジはゼロであることが要求されます。このレベルに達しなければ高信頼性が求められる計測機器では使用できません。
2.3 よくある失敗原因
鋼板品質が低い 普通の化学エッチング鋼板は開口部のエッジが荒くはんだ量が安定せず0.3mmピッチでは破綻しやすい。
搭載精度不足 古いマウンターでは0.1mm以上の誤差が発生し微細ピッチが実質的に無ピッチ化する。
リフロー条件が不適切 温度プロファイルが最適化されていないとブリッジまたは未はんだの原因になる。
PCB設計の問題 パッドサイズ不揃い やソルダーレジスト開口過大などでペーストが広がりブリッジが増える。
三 微細ピッチパッドを安定させる実践ガイド
3.1 設計段階 微細ピッチに十分なスペースを与える
パッド寸法とピッチ 0.3mmピッチの場合パッド径は0.2mmが推奨されピッチとパッド径の比率3対2を守ります。ソルダーレジスト開口はパッドより0.05mm大きくし被覆によるはんだ不良を防ぎます。
基材選定 できるだけ低膨張で高TGの基材を選びます。例えばRO4350Bなどは膨張が小さくリフロー時のパッドズレが抑えられブリッジの発生を防ぎます。PCBGOGOはこの種の高機能基材の試作にも対応しています。
配線最適化 微細ピッチ周辺に配線を密集させず0.2mm以上のクリアランスを確保します。ペーストの流動性に影響しないレイアウトが重要です。PCBGOGOの自動パネル化機能は基板配置の最適化にも役立ちます。
3.2 製造段階 PCBGOGOの高精度設備が微細ピッチを安定化
鋼板加工 微細ピッチはレーザー開口鋼板が必須です。エッジが滑らかで寸法誤差±0.01mm以下の高精度を維持できます。PCBGOGOは輸入レーザー設備で24時間以内に製作可能です。0.3mmピッチの場合開口は0.18mmとし最適なペースト量を確保します。
高精度搭載 PCBGOGOのASMシーメンス高速マウンターは搭載精度±30ミクロン 繰返し精度±15ミクロンです。微細ピッチでもズレを最小限に抑えます。搭載後SPIでペースト量を検査し±15パーセントを超えた部位は即リタッチします。
リフロー最適化 窒素リフローを採用し酸素濃度1000ppm以下を維持することでペースト酸化を抑え流動性を改善します。プロファイルはゆっくり昇温 短い均熱 安定冷却を基本としピーク245±5℃ 保持10から15秒とすることで溢れを抑えつつ完全溶融を実現します。リフロー後はEAGLE 3D AOIと日聯X RAYにより表面欠陥とボイドを同時にチェックし良率99.8パーセントを達成しています。
3.3 検査とリワーク 微細ピッチに万全の品質保証
全工程検査 AOIとX RAYに加え各ロット5パーセントを剪断強度テストにかけ1点あたり1.5N以上の強度を確認します。IPC 7095の要求を満たすレベルです。
精密リワーク 万一ブリッジが発生した場合でもPCBGOGOの精密リワーク装置で350±10℃の精密制御を行い0.1mmの極細こて先で不要部分だけ除去します。周囲パッドを損傷しない安全な方法です。
四 まとめ
微細ピッチパッドは難しく見えますが正しい設計 高精度設備 最適化されたリフロー条件がそろえば0.3mmピッチでも安定したはんだ付けが可能です。PCBGOGOは無料DFMでの設計最適化 高精度生産設備 完全な検査体制という三つの強みを提供し微細ピッチを必要とする製品でも高信頼性の実装を実現します。