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PCBA加工工程ではSMT実装が先か 分板が先か

1 0 Dec 26.2025, 09:55:21

PCBA加工工程には多くの重要なプロセスが含まれており、その中でもSMT実装と分板は品質と効率を左右する中核工程です。現場でよく議論されるのが、PCBA加工全体の流れの中で、SMT実装を先に行うべきか、それとも分板を先に行うべきかという点です。この選択は、生産効率、コスト管理、最終製品の品質に大きな影響を与えます。

1. SMT実装と分板の基本概念

SMT実装とは

SMT実装は、表面実装技術 Surface Mount Technology を用いて、電子部品をPCB表面に直接実装する工程です。はんだペースト印刷、部品搭載、リフローはんだ付けといった一連の工程を通じて、恒久的な電気接続と機械的固定を実現します。現在の高密度実装では不可欠な技術です。

分板とは

分板 Depanelization は、1枚のパネル基板にまとめて製造された複数のPCBを、個別の基板に切り離す工程です。パネル化は生産効率と作業性を高めるために行われ、SMT実装やはんだ付け工程が完了した後に分板処理が行われるのが一般的です。

2. SMT実装が先か 分板が先かの判断基準

どちらを先に行うかは、工程条件や製品特性により異なります。以下では、それぞれの方式のメリットを整理します。

SMT実装を先に行うメリット

  1. 生産効率が高い
    SMTマウンターはパネル基板での大量処理を前提に設計されています。複数枚の基板を一括で処理できるため、タクトタイムを短縮できます。

  2. 部品位置精度が向上する
    パネル状態で実装することで、基板の保持性が高まり、部品の位置ずれや回転ズレを抑制できます。

  3. ハンドリング回数を削減できる
    高温工程であるリフロー前に基板を分割しないため、搬送や取り扱いによる基板破損リスクを低減できます。

分板を先に行うメリット

  1. 生産の柔軟性が高い
    単板状態での実装は、小ロットや多品種生産に適しており、段取り替えが容易です。

  2. 設備要件が低い
    大型のパネル対応SMT設備を必要としないため、中小規模の工場や試作ラインに適しています。

  3. 機械的ストレスを回避できる
    分板工程では機械的応力が発生する場合があります。実装前に分板することで、実装済み部品やはんだ接合部へのダメージを防げます。

3. 実際の製造現場における選択

量産の場合

大量生産では、SMT実装を先に行い、その後に分板する方式が主流です。設備能力を最大限に活用でき、実装精度と生産効率の両立が可能です。

小ロット生産の場合

少量生産や多品種生産では、分板後にSMT実装を行う方法が適しています。柔軟な工程設計が可能で、設備依存度も低減できます。

特殊要件がある場合

高密度実装、特殊形状PCB、応力に弱い部品を使用する場合などでは、品質確保を優先し、分板を先に行うケースもあります。

4. まとめ

PCBA加工において、SMT実装を先に行うか、分板を先に行うかは一概には決められず、生産数量、設備条件、製品設計によって最適解が異なります。一般的には量産ではSMT実装後に分板、小ロットや特殊案件では分板後にSMT実装が選択される傾向にあります。

PCBGOGOでは、案件ごとの要件に応じた最適なPCBA製造プロセスをご提案しています。高度なSMT実装設備と厳格な品質管理体制により、高精度な実装と安全な分板処理を実現し、お客様の製品品質と生産効率を強力にサポートします。


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