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SMT生産に必須となる柔性PCB量産の良率管理とDFM実装ガイド
6 0 Dec 02.2025, 15:22:17


1. はじめに

TWSイヤホン、スマートバンド、タブレットなどの消費電子分野では、フレキ基板量産における最大の課題が「設計と工法のミスマッチ」である。業界データによると、DFM (Design for Manufacturing) 最適化が行われていない柔性PCBの量産良率は75パーセントから85パーセントに留まる。あるTWSイヤホンメーカーでは、焚盤設計が小さすぎたことやカバーフィルムの位置ズレにより、量産良率が80パーセントに低下し、不良による月間損失が300万元を超えていた。柔性PCBの量産では、設計仕様と生産工法の完全適合が不可欠であり、DFM設計が良率向上の決定要因となる。PCBGOGOは消費電子向け柔性PCB量産に7年間取り組み、DFM最適化後の良率を98パーセント以上で安定させ、累計3000万枚以上を納品してきた。


2. コア技術の分析

柔性PCBのDFM設計は、IPC-2223第10章 (柔性基板のDFM要件) とIPC-A-600F (基板受入規格) に準拠し、量産不良の発生原因を設計段階で排除することを目的とする。消費電子量産で発生する代表的な不良とDFM設計不備の関係は次のとおりである。


第一に焊盤設計不良 (全不良の35パーセント) が挙げられる。焚盤サイズが0.3mm×0.3mm未満の場合、SMT実装ズレやボンディング不良を引き起こす。IPC-2223第10.3.1では0402部品の焚盤寸法は0.25mm×0.2mm以上、0603部品は0.35mm×0.3mm以上、焚盤間距離は0.2mm以上と規定されている。


第二にカバーフィルム設計不良 (全不良の25パーセント) である。カバーフィルム開口の位置ズレが0.1mmを超えると、露銅不足または焚盤の覆い込みが発生し、カバーフィルム開口は焚盤より片側0.1mmから0.15mm大きく、焚盤縁との距離は0.1mm以上確保する必要がある。第三に外形と孔設計不良 (全不良の20パーセント) である。


柔性PCBの外形公差が±0.1mmを超えると組立干渉が発生し、孔径公差±0.05mmを超えると固定不良が起きる。GB/T26337に基づき、外形公差は±0.05mm、孔径公差は±0.03mmに抑えることが推奨される。第四に配線と銅層設計不良 (全不良の20パーセント) が挙げられる。線幅が0.1mm未満の場合、エッチング断線が発生し、銅箔厚が1/4ozでは実装強度が低下するため、線幅は0.1mm以上、銅層は1/2oz以上を推奨する。PCBGOGOによるDFM検証では、規格に基づいたDFM設計を行うことで、焚盤の実装不良率が8パーセントから0.5パーセントに、カバーフィルムの位置ズレが12パーセントから0.3パーセントに、外形不良が5パーセントから0.2パーセントに改善された。

3. 実務手法

3.1 柔性PCB DFM設計の基本要件

焚盤設計では0402部品は0.25mm×0.2mm、0603部品は0.35mm×0.3mm、BGA (球径0.4mm) は焚盤径0.25mm、ピッチ0.4mmとし、IPC-7351封止規格に適合させる。部品配置では折り曲げ部に部品を配置せず、折り曲げ縁から2mm以上の距離を確保する。重量が0.1gを超える部品は補強板付近に配置し、熱源部品とセンシング部品は3mm以上離す。


カバーフィルム開口は焚盤より片側0.1mmから0.15mm大きくし、位置ズレは0.05mm以内とし、IPC-2223第10.4.2に基づき露銅ゼロを維持する。柔性基板専用阻焊材を使用し、阻焊厚は0.02mmから0.03mmが推奨される。


外形設計ではレーザー切断精度±0.03mmとし、角部はR0.3mm以上、外形公差±0.05mmを確保する。孔径は0.2mm以上、孔間距離0.5mm以上とし、銅層厚は1/2oz (17.5μm) を基本とし、重要信号には1ozを選択する。線幅と線間距離は0.1mm以上とし、配線密度は60パーセント以下を維持する。


3.2 量産プロセス適合管理

DFM設計後はPCBGOGOのDFM事前審査システムにより200項目以上の自動チェックを実施し、合格率95パーセント以上で試作に進む。試作500枚では実装良率99.5パーセント以上、カバーフィルム付着試験100回の剥離耐性、外形精度±0.05mmの合格率99パーセント以上を基準とし、試作良率98パーセント以上で量産承認とする。


量産工程では紫外レーザー切断機による外形加工精度±0.03mm、エッチング因子4対1、線幅精度±0.02mm、高精度実装機による貼付精度±0.03mmを維持する。全数検査にはAOIを用い、検出精度99.8パーセント以上を確保し、MESで全工程のトレーサビリティを実施する。


4. 導入事例

あるTWSイヤホンメーカーの柔性PCB (厚さ0.1mm) では、初期設計にDFM最適化が行われず、量産良率が80パーセントに低下していた。主な不良は0402部品の実装不良が8パーセント、カバーフィルムの位置ズレが10パーセント、外形精度不良が2パーセントであった。PCBGOGOがDFM対応を実施し、焚盤サイズを0.25mm×0.2mmに修正し、カバーフィルム開口を片側0.15mm拡張し、開口位置ズレを±0.05mm以下に抑え、外形加工を紫外レーザーに変更して公差±0.05mmを達成した。さらに配線密度を70パーセントから55パーセントに低減し、DFM事前審査システムで3箇所の設計不備を修正した。


試作5000枚の良率は98.5パーセントに達し、量産10万枚では実装不良率0.3パーセント、カバーフィルムズレ0.2パーセント、外形不良0.1パーセントとなり、量産良率は98.2パーセントで安定した。最適化前と比較し18.2ポイントの改善が見られ、月間不良損失は280万元削減された。


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