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3軸加工と5軸加工の違い|図面から判断する確認ポイント

13 0 Sep 09.2026, 16:49:32

3軸加工と5軸加工の違いは、単に「軸の数が多いか少ないか」ではありません。図面上の面数、穴の方向、工具を当てる角度、必要な精度を見て、どのようにワークを保持しながら加工するかを考えることが重要です。本記事では、3軸と5軸の違いを部品形状から判断するための基本を解説します。

重要ポイント3軸加工と5軸加工の違いは、直進軸に回転軸が加わることで、工具を当てられる方向が変わる点にあります。5軸加工は多面・傾斜・複雑形状で工程を減らせる場合がありますが、形状・精度・数量・コストを図面から総合的に確認して選ぶことが大切です。

3軸加工と5軸加工の基本構造の違い

3軸加工は、一般にX・Y・Zの3つの直進軸で工具またはワークを動かします。上面から工具を当てられる平面、ポケット、溝、垂直方向の穴などは、3軸で検討しやすい代表例です。どの部品にも同じ向きから加工できるとは限らないため、側面や裏面に加工箇所がある場合は、ワークの持ち替えが必要になることがあります。

3軸と5軸CNC加工の違い

JIS B 0105:2012では、数値制御工作機械を、位置や速度などの数値情報とプログラム指令によって工具と工作物の相対運動を制御する工作機械として整理しています。3軸・5軸の違いも、この相対運動をどの方向まで制御するかという違いです。CNCの制御方式そのものは、「CNC加工とは」で確認できます。

5軸加工では、3つの直進軸に2つの旋回軸が加わります。回転軸はテーブル側に置かれる場合も、主軸頭側に置かれる場合もあり、必ず同じ軸記号や同じ機械構造になるわけではありません。JIS B 0105:2012の5軸制御マシニングセンタも、直交3軸と旋回2軸を持ち、同時に5軸を制御できる設備として定義されています。

ただし、5軸加工には、回転軸を所定の角度で止めてから加工する割出し加工と、複数の軸を連続して動かしながら加工する同時5軸加工があります。名称が5軸であっても、実際に必要な加工方式は部品形状と加工内容で異なります。

5軸加工を検討しやすい形状と工程

5軸加工を検討する起点は、複雑そうに見えることではなく、工具がどの方向から届くかです。例えば、複数の面に加工箇所があり、それらの位置関係を一度の保持で管理したい部品では、ワークを傾けられることが有利になる場合があります。持ち替え回数が減れば、各工程で基準を取り直す場面も減らせます。

傾斜面、斜め穴、角度を持つポケット、アンダーカットは、工具の姿勢やワークの向きを変えなければ加工しにくい形状です。3軸でも治具や工程分割で対応できることはありますが、5軸を使うことで治具や段取りを見直せる場合があります。穴の加工方法そのものは「穴あけ加工とは」で解説していますが、斜め穴では穴径だけでなく、穴の方向と工具の到達性を確認する必要があります。

深いポケットや立壁を持つ部品も、工具姿勢の検討が重要です。5軸でワークまたは工具を傾けられれば、より短い工具で届く姿勢を選べる場合があります。その結果、工具のたわみを抑えやすくなる可能性があります。ただし、実際の効果は工具径、突出し長さ、材料、切削条件によって変わります。

自由曲面を連続して仕上げる部品では、同時5軸加工が検討されます。一方で、単に面が多いだけなら、割出し加工や3軸の工程分割で十分なこともあります。5軸が必要かどうかは、形状の見た目ではなく、各面に必要な工具姿勢と工程数で判断します。

3軸加工と5軸加工の違いを示す比較図。3軸では加工面ごとにワークを持ち替え、5軸ではワークを傾けて一度の保持で多面加工できるイメージ

5軸加工が必ずしも適さないケース

5軸加工は万能ではありません。単純な板状部品、上面から加工できる穴や溝、形状の少ない部品では、3軸のほうが工程を組みやすい場合があります。軸が少ないことは品質が低いという意味ではなく、必要な加工に対して構成が適切かどうかが重要です。

また、5軸では回転軸を含めた機械の状態、干渉、プログラム、ワーク保持を確認する必要があります。精密工学会の研究でも、5軸制御工作機械の回転軸が反転する際の動的挙動や、回転軸中心線の誤差は評価・補正の対象として扱われています。高い精度が必要な場合ほど、「5軸だから自動的に精度が上がる」とは考えず、加工先と基準・工程・検査方法を確認することが必要です。

大きな切削量を短時間で除去する粗加工では、工具姿勢の自由度よりも、使用設備の剛性や保持方法が優先されることがあります。工件の大きさが設備範囲を超える場合や、プログラム準備の負荷が工程短縮の効果を上回る場合も、5軸が最適とは限りません。

図面から3軸・5軸を判断する確認ポイント

部品の加工方法を決めるときは、「5軸かどうか」を先に決めるのではなく、図面にある加工面と要求を分解します。次の表は、問い合わせ前に整理すると判断しやすい項目です。

確認項目3軸で検討しやすい例5軸を検討するきっかけ
加工する面主に同一方向から届く上面・側面複数面を異なる角度から加工する
穴・溝の方向垂直穴、同じ方向の溝斜め穴、複数方向の穴や溝
工具の到達性短い工具で届く深さ・内角深い形状、立壁、工具姿勢の制約
基準と公差工程を分けても基準を保ちやすい複数面の相互位置を一度の保持で管理したい
数量と工程単純形状で工程分割が合理的段取りや治具を減らす効果を確認したい

4軸加工は、3つの直進軸に1つの回転軸を加えた中間的な構成です。円筒方向に複数の加工を配置する部品では、4軸が候補になることがあります。本記事では3軸と5軸の比較に絞りますが、3軸か5軸かの二択に固定しないことも大切です。

3軸・5軸加工は、回転工具を使うフライス加工の発展した加工形態として検討されることが多い方法です。材料を削って形状を作る全体像は「切削加工とは」で確認できます。

加工を依頼するときに共有したい情報

加工先に相談するときは、2D図面または形状を確認できる3Dデータに加え、材料、数量、希望納期を共有します。さらに、どの面や穴が機能上重要か、どの面どうしの位置関係を管理したいかを示すと、加工姿勢や保持方法の検討につながります。

  • 加工する面・穴・溝と、その向き

  • 重要な寸法、公差、平行度・垂直度などの幾何関係

  • 材質、数量、試作か量産かという段階

  • 表面処理、バリの扱い、検査が必要な箇所

  • 希望納期と、コスト・工程短縮のどちらを優先するか

図面に傾斜穴が1つあるだけで、直ちに5軸加工が必要になるわけではありません。反対に、多面加工の部品でも、重要な面の組み合わせによっては5軸の検討価値があります。工具の到達性、固定方法、加工経路、実際の設備構成まで含めて確認することが、発注前の確実な判断につながります。

加工方法が決めきれていない場合でも、図面や3Dデータ、材料、数量、重要な要求を整理してPCBgogoへご相談ください。3軸・4軸・5軸のどれを前提にするかではなく、部品の用途と加工上の課題から確認を進めることができます。

まとめ

3軸加工と5軸加工の違いは、工具やワークを動かせる方向にあります。5軸加工は、多面、傾斜、深い形状、自由曲面などで有効な選択肢になる場合がありますが、常に最適とは限りません。図面の面数、穴の方向、工具の到達性、重要な幾何関係、数量を先に整理し、必要な工程を加工先と確認しましょう。

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