
BGAパッケージとは?
BGAは、電子部品(IC)底面のはんだボールでPCBに接続する実装方式で、高密度接続と優れた電気性能を提供します。以下は代表的なタイプです:
PBGA(プラスチックBGA):コストパフォーマンスに優れ、ゲーム機などで広く使われます。
CBGA(セラミックBGA):熱伝導性が高く、サーバーや車載機器に最適です。
TBGA(テープBGA):薄型-軽量で、ウェアラブル機器に多く活用されます。
ピッチ(はんだボール間隔)は古い設計で1.27mm、高密度パッケージでは0.4mmに達し、装着精度が極めて重要です。
1. PCB設計 - レイアウト
パッド設計:BGAのボール配列に合わせ、例:0.8mmピッチなら0.4mm、0.4mmならさらに小さなパッド径が必要です。
ビア(穴)管理:未充填スルーホールはんだを吸われる恐れがあるため、ビアレス設計か埋設ビアを推奨します。
レジスト設計:NSMD(ノンソルダー - マスク - デフィンドパッド)にすると、0.5mm以上のピッチで強固な接合を実現できます。
2. はんだペースト適用
版厚:100~150μmが標準です。0.5mmピッチでは125μmが適状です。
穴径設計:パッド比100%が標準だが、微細パッケージでは90%程度に調整し、橋はんだを防止します。
量制御:各パッドに0.1~0.15mmを目安にし、均一性を図ります。
3. 部品の搭載
装着精度:±25μmの精度を持つ高性能マウンターで、0.5mm以下の実装も高精度で行います。
基準マーク:PCB上の光学マークを参照して、放置精度を確保します。
4. リフロー炉によるはんだ付け
温度プロファイル:リードフリーはんだ(SAC305)を用い、予熱150–180°C、浸漬60–90秒、ピーク235–250°Cで20–40秒保持します。
加熱均一 - 急冷却の回避:熱ムラを防ぎ、冷却は2–4°C/秒程度の制御でひび割れ防止を実現します。
5. 検査と品質管理
X線検査:空洞、ボイド、はんだ欠陥などの内部異常を検出します。IPC基準で25%以下の不良率が許容範囲です。
電気的検査:通電チェックで導通 - ショートを確認します。X線と併用して確実な品質評価を行います。
BGA実装の課題と対策
課題 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
ボイド | リフロー時のはんだ中のガス残留 | 浸漬時間を90–120秒に延長し、ガスを排出 |
ブリッジ(はんだ橋) | はんだ過剰 | 版穴径の最適化と量調整 |
ずれ | 装着精度不足 | 部品取付位置確認、機械キャリブレーション |
熱応力 | 高電力部品による局所温度上昇 | サーマルビア追加、ヒートシンク併用 |
6. リワークとリペア技術について
検査で見逃された不良がある場合、リワークが必要になります。特にBGA(ボール-グリッド-アレイ)のリワークには、基板や部品を損傷させないための高い精度が求められます。
使用する設備:
上部-下部加熱が可能なBGAリワークステーションを使用することで、温度を220~240°Cに制御しながら、安全に取り外し作業を行うことができます。リワーク手順:
まずBGA部品を加熱し、真空ピックアップツールで取り外します。次に、吸取り線を使って既存のはんだを除去し、新しいはんだペーストを塗布したうえで、新品のBGA部品を実装します。注意点:
リワーク回数は通常2回までに制限することが推奨されており、過度なリワークはPCBの損傷につながる可能性があります。
精度の重要性と信頼性向上
BGAの品質は熱サイクルや振動等により劣化しやすいため、プロセス各ステップでの精度と管理が不可欠です。特に車載-航空機等高信頼性用途では、設計-塗布-装着-はんだ付け-検査を体系的に実施し、長期にわたる信頼性を確保する必要があります。
まとめ:BGA実装で高品質を安定確保するために
精密なプロセス制御、きめ細かな設計、適切な検査技術、そして迅速な対応が成功へ導きます。信頼性の高い実装は、仕様要件-耐久性-顧客満足度に直結します。PCBGOGOでは、0.4mmピッチを含むBGA実装に対応し、迅速なプロトタイプ~量産対応まで一貫対応可能です。