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SMT実装において、メーカーはいかにしてはんだボイドの信頼性を最適化するのか

213 0 Dec 18.2025, 09:56:23

高品質な電子製品を追求するうえで、すべてのはんだ接合部の健全性は極めて重要です。表面実装技術(SMT)において、最も重要でありながら管理が難しい欠陥の一つが「はんだボイド」です。はんだボイドとは、リフロー後のはんだ接合部内部に形成される微細な気泡状の空洞を指します。ボイドを完全にゼロにすることは現実的ではありませんが、そのサイズと分布を適切に管理することは可能であり、極めて重要です。はんだボイドの信頼性に関する管理が不十分な場合、PCBAの機械的強度、放熱性能、さらには長期的な信頼性が大きく低下します。特に、自動車電子、航空宇宙、医療機器などの高信頼性用途では、致命的なリスクとなり得ます。

はんだボイドの定義と識別方法

はんだボイドとは、はんだ接合部内部に存在する空隙や孔であり、主にリフロー工程中に発生したガスがはんだ内に閉じ込められることで形成されます。

一般的には「ボイド率」という指標で評価され、これははんだ接合部全体の面積に対する空洞の総面積の割合を指します。特にBGA、QFN、LGAなどの部品では、X線検査による定量評価が不可欠です。

なぜはんだボイドは信頼性を脅かすのか

まず、放熱性能の低下が挙げられます。
ボイドは断熱層のように機能し、QFNやBGAなどの放熱パッドを持つパワーデバイスでは、部品からPCBへの主要な熱伝導経路を阻害します。その結果、局所的な温度上昇が発生し、早期故障の原因となります。

次に、機械的強度の低下です。
ボイドが存在すると、はんだ接合部の有効断面積が減少し、温度サイクルによる膨張-収縮ストレスに対する耐性が弱まります。その結果、クラックや剥離が発生しやすくなります。

さらに、発生頻度は低いものの、電気的信頼性への影響も無視できません。
非常に大きなボイドやボイドが集中した場合、時間の経過とともに接触不良や間欠的な回路障害を引き起こす可能性があります。

はんだボイド発生の主な原因

はんだボイドの信頼性を制御するためには、ガス滞留の根本原因を多角的に理解する必要があります。

はんだペーストの要因

はんだペースト中のフラックスは、金属表面の洗浄と濡れ性向上を目的としており、リフロー中に揮発します。しかし、ペーストの粘度や流動性が適切でない場合、揮発ガスがはんだ内に閉じ込められやすくなります。

また、不適切な保管、温度変動、攪拌不足などにより、はんだ粉とフラックスの分離が生じると、リフロー中に局所的なガス発生が起こりやすくなります。

PCB表面およびパッドの状態

酸化した銅パッドや、基材内部に残留した水分は、溶融はんだと反応してガスを発生させます。わずかな汚染であっても、界面の安定性を大きく損なう要因となります。

さらに、HASL、ENIG、OSPなどの表面処理の種類や品質は、はんだの濡れ性に影響し、結果としてガスが逃げやすいかどうかを左右します。

リフロープロファイルの最適化不足

リフロー工程における予熱ゾーンは、ボイド抑制において極めて重要です。
昇温速度が速すぎる場合、フラックスが急激に揮発し、ガスが逃げる前にはんだが溶融してしまいます。

適切なリフロープロファイルでは、はんだが液相線温度に達する前に、十分な時間をかけてフラックスを活性化させ、ガスを放出させることが可能です。

業界標準におけるはんだボイドの許容基準

はんだボイドの許容率は、IPC-A-610などの業界標準および製品の信頼性クラスによって定められています。
一般的に、民生用電子機器よりも、産業用、医療、自動車、軍事用途では、はるかに厳しい管理が求められます。

そのため、BGA下のはんだ接合部や、QFN-LGAの放熱パッドなど、重要部位については、2Dまたは3DのX線検査を用いた定量評価が不可欠です。

はんだボイド低減のための実践的対策

はんだボイドの信頼性を向上させるため、メーカーは高度なプロセス制御を導入する必要があります。

まず、真空リフローは最も効果的な手法の一つです。
リフローの液相期間中に真空環境を適用することで、溶融はんだ内に滞留した気泡を物理的に排出できます。

次に、窒素雰囲気リフローの活用です。
窒素環境では酸化が抑制され、はんだの濡れ性が向上し、ガスがよりスムーズに放出されます。

さらに、ステンシル設計の最適化も重要です。
特にサーマルパッドでは、「ウィンドウペイン」パターンを採用することで、フラックス揮発成分の逃げ道を確保し、ボイドの発生を効果的に抑制できます。

まとめ

現代のSMT実装において、高いはんだボイド信頼性を維持することは、単一の対策で解決できる問題ではありません。
材料管理、PCB品質、リフロープロセス設計、検査技術を総合的に最適化することが不可欠です。

はんだペーストの取り扱い、PCB表面品質、リフロー工程の完全性を厳密に管理することで、電子機器の寿命と性能を大きく向上させることができます。

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