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医療電子PCBの未来トレンド:小型化-高周波化-スマート化
62 0 Sep 26.2025, 11:26:33

医療技術の進歩は、医療機器をより精密に、より携帯性に、そしてよりスマートに進化させています。ウェアラブル型の監視デバイスは在宅でのリアルタイム健康モニタリングを可能にし、AI診断支援機器は短時間で病変を特定し、低侵襲手術機器は治療をより患者負担の少ないものにしています。こうした革新を支えているのが 医療電子PCB の技術進化であり、その方向性は「小型化」「高周波化」「スマート化」という3つのキーワードに集約されます。これらは単なる技術的ブレイクスルーではなく、医療サービスの提供形態そのものを変革し、「命を守る仕組み」をより効率的かつ便利にしています。

小型化と高密度化:医療機器をポータブルに

従来の医療機器は大型装置が主流で、例えば初期のCTは一部屋を占有するほどでした。しかし、ウェアラブルやポータブル診断機器の登場により、医療機器は急速に小型化しています。これを可能にしているのが HDI(高密度相互接続)PCB です。

HDI 基板は微細ビアや多層配線技術を用い、狭いスペースに高密度の回路を集積可能です。例えば4層HDI PCBでは配線幅/間隔を2mil/2milまで縮小し、ビア径はわずか0.15mm。これにより10cm2の基板に数百の接点を実装でき、従来の基板に比べ集積度は3~5倍に達します。あるウェアラブル心電パッチでは、HDI基板採用により体積を60%削減、重量も50%軽量化し、患者が24時間快適に装着できるようになりました。

今後は SiP(システム-イン-パッケージ) 技術の融合により、基板自体が「回路基板+チップ+部品」を一体化する方向に進化します。例えば血糖測定器は爪ほどの大きさとなり、PCB内にセンサーとAI処理ユニットを統合し、採血直後に即座に結果を提示できるようになります。

高周波化と高速信号伝送:診断精度の向上

診断機器の性能向上には、正確かつ高速な信号伝送が欠かせません。超音波診断では20MHz以上の高周波信号、AI CTでは毎秒数十GBの画像データが必要とされます。

高周波信号伝送には、安定した誘電率を持つ 高周波基材 が必須です。一般的なFR-4では高周波伝送時に8~10%の信号減衰が発生する一方、Rogers RO4350Bのような高周波材料はDk=3.48±0.05、Df=0.0037で、減衰率を2%以下に抑制可能です。これにより画像の鮮明度が飛躍的に向上し、1mm未満の病変検出精度も改善します。

また、高速信号伝送には「差動配線」や「インピーダンス整合」設計が導入され、10Gbps以上のデータ転送でもエラーを抑制。将来的には6G対応により100Gbps以上の伝送速度を実現し、リアルタイムAI診断を可能にする見込みです。

スマート化と集積化:医療機器の能動的進化

従来の医療機器はデータを表示するだけの受動的役割にとどまっていましたが、今後は 「感知+伝送+演算」 を統合し、能動的にリスクを予測-警告する方向へ進化します。

例えば、非侵襲血糖測定器ではPCB上に光学センサーを統合し、皮膚透過光を解析して血糖値を推定。さらに搭載されたマイクロプロセッサーがリアルタイムで解析し、異常時には無線通信で患者や医師に即時通知します。

AIチップとの統合も加速しています。ポータブル超音波装置では、PCBにエッジAIチップを組み込み、取得した画像をその場で解析。10秒以内に病変を検出し、初期診断を提示可能となります。これにより診断効率は3倍向上し、医師不足地域での誤診率も20%低減したという実績があります。

さらに柔性基板は新しい応用領域を広げています。可撓性を活かした内視鏡先端部では、マイクロカメラやLED、センサーを集積し、体内の詳細画像を取得。同時にAIがリアルタイム解析を行い、病変の検出や手術支援を行います。

まとめ:医療PCBの技術革新が医療の未来を形づくる

医療電子基板の進化は、医療機器の小型化-高周波化-スマート化を実現し、医療サービスの質を根本から変革しています。

PCBGOGOは、2mil/2mil配線-0.15mmマイクロビア加工に対応する HDI PCB 技術、Rogers基材を用いた 高周波PCB、さらに PCB+センサー+AIチップ の集積ソリューションを提供。すでに多数の医療機器メーカーと協力し、ウェアラブル監視デバイスやAI診断支援機器の開発を支えています。

今後も研究開発を強化し、より精密で、より携帯性が高く、よりスマートな医療機器の実現に向けて、医療PCBの新たな可能性を切り拓いていきます。


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