PCB スタックアップ設計におけるビアインブラインド技術の応用とプロセス協調
高密度実装を実現する HDI PCB 分野において、PCB スタックアップ設計とビアインブラインド技術の組み合わせは、小型化と高集積化を達成するための重要なアプローチです。ビアインブラインド技術は、基板表面に露出するスルーホールの数を削減し、配線密度を向上させることが可能です。一方、適切なスタックアップ設計を行うことで、ビアインブラインドの信頼性と電気特性を確実に維持できます。PCBGOGO では、HDI PCB の開発および製造において、スタックアップ設計とビアインブラインド技術を高度に融合させ、高性能電子機器の要求に対応するソリューションを提供しています。

ビアインブラインドの定義と分類
まず、ビアインブラインドの基本的な定義と分類を明確にする必要があります。
ビアインナーとは、基板内部層にのみ存在し、表層まで貫通しないビアで、内部信号層同士を接続するために使用されます。
一方、ブラインドビアは、基板表層から内部層へ接続されるビアで、基板全体を貫通しない構造となっています。
スルーホールと比較すると、ビアインブラインドは表層スペースを節約でき、信号伝送距離を短縮し、電磁干渉の低減にも寄与します。そのため、スタックアップ設計においては、ビアインブラインドの位置やサイズを層構成と緊密に整合させることが不可欠です。
10 層 HDI 基板における二次ビアインブラインドの設計事例
PCBGOGO が手がけた 10 層構成の HDI スマートフォン用メインボードでは、二次ビアインブラインド技術を採用しました。
スタックアップ構成は以下の通りです。
L1 トップ層
L2 グランド層
L3 信号層
L4 信号層
L5 電源層
L6 電源層
L7 信号層
L8 信号層
L9 グランド層
L10 ボトム層
この設計では、一次ブラインドビアを L1 から L3、および L10 から L8 に接続し、二次ビアインナーを L3 から L7 に接続しています。
この構造により、各信号層間の高密度相互接続を実現しつつ、スルーホールによる表層配線スペースの占有を回避しています。
スタックアップ設計におけるビアインブラインド設計の基本原則
PCB スタックアップ設計におけるビアインブラインドの設計には、以下の 3 つの原則を遵守する必要があります。
第一に、ビア径およびランドサイズは層厚に適合させる必要があります。一般的に、ビア径は層厚の 50 パーセント以下とし、ビア破断のリスクを防止します。
第二に、ビアインブラインドは電源層およびグランド層の重要エリアを避けて配置し、電源ショートや接地不良の発生を防ぐ必要があります。
第三に、隣接するビアインブラインド間には十分な間隔を確保する必要があります。通常は 0.3 mm 以上とし、孔壁銅箔間の短絡を防止します。
PCBGOGO では、CAM ソフトウェアによる精密な解析を通じて、ビア位置および寸法を厳密に管理し、孔壁粗さを 5 μm 以下に制御することで、ビアの長期信頼性を高めています。
プロセス協調によるビアインブラインド技術の実装
ビアインブラインド技術をスタックアップ設計に確実に反映させるためには、製造プロセスとの協調が不可欠です。
ビアインブラインドの製造工程は、ドリリング、無電解銅めっき、電解めっきなど複数の工程から構成されており、それぞれが設計条件と整合している必要があります。
例えば、ドリリング工程では、スタックアップ設計で定義された層厚に基づき、適切なドリル径と加工条件を選定し、ドリル偏心や孔壁バリの発生を防止します。
無電解銅めっき工程では、析出厚の均一性を厳密に管理し、孔壁の導電性を確保します。
PCBGOGO は、自社開発の高精度ドリリング設備と自動化電解めっきラインを活用し、ビアインブラインド加工の高精度制御を実現しています。その結果、工程良率は安定して 99 パーセント以上を維持しています。
設計段階で考慮すべきコスト最適化
スタックアップ設計におけるビアインブラインド技術の適用では、コスト面の検討も重要です。
二次ビアインブラインドは一次構造と比較して工程難易度が高く、製造コストも増加します。そのため、設計段階においては製品要件を十分に分析し、適切なビア階数を選定する必要があります。
PCBGOGO は、設計、製造プロセス、コスト評価を一体化したソリューションを提供し、性能要件を満たしながら最適なスタックアップ設計を提案することで、量産コストの最適化を実現します。