営業窓口:10:00~19:00(日本時間/土日祝日を除く) ガーバーデータビューア
engineer

平行度の測定方法|図面記号・データム・平面度との違い

8 0 Sep 09.2026, 16:16:33

平行度の測定方法は、図面で指定された基準と、評価する面・軸によって変わります。測定器の表示値が安定していても、基準の取り方が違えば図面の要求を確認したことにはなりません。まずデータムと対象形体を読み取り、その関係を評価できる方法を選びます。

重要ポイント平行度の確認は、測定器より先に、データムと評価対象を決めることから始まります。厚さのばらつきや一方向の測定結果だけで判断せず、図面の公差域に対応した基準・測定範囲・評価方法を確認します。

平行度とは

平行度は、基準となるデータムに対して、面や軸がどの程度平行であるかを管理する幾何公差です。JIS B 0021は形状、姿勢、位置、振れの公差表示を扱い、平行度は姿勢に関わる要求です。部品の厚さや穴径そのものを指定する寸法公差とは、確認する内容が異なります。

データムとは、評価の基準となる理論上の正確な面や軸などです。実物の基準となる形体には凹凸や形状偏差があるため、その表面そのものと理論上のデータムを同一視しないことが重要です。測定では、図面の指示に沿って基準を設定します。

平行度とは

平行度の図面記号と公差域の読み方

図面では、平行な二本の斜線で表す平行度記号、公差値、参照するデータムの文字を確認します。さらに、指示線がどこを指すかを読み、表面を評価するのか、軸線などを評価するのかを区別します。記号だけを見て測定箇所を決めてはいけません。

面に対する代表的な指示では、データムに平行な二つの平面の間に対象面が収まることを求めます。この二平面の間隔が公差値に対応します。数値は許容される角度をそのまま示すものではありません。面が傾いている場合だけでなく、うねりなどの形状も評価結果に関わります。

軸を対象とする場合は、図面の指示によって公差域の形や拘束する方向を確認する必要があります。面の高さを測る手順をそのまま適用することはできません。ISO 5459はデータムとデータム系を扱っていますが、実際の評価では図面で適用される規格と顧客との取り決めを確認します。

平行度と平面度の違い

平面度は一つの面そのものの形状を評価し、平行度はデータムに対する姿勢を含めて評価します。平らな板でも、基準に対して傾いていれば平行度の要求を満たさないことがあります。精密工学会の解説でも、平行度のような関連形体の公差にはデータムの指示が必要とされています。

確認項目平行度平面度
主な評価内容データムに対する面や軸の姿勢単一の面の形状
データム必要不要
面の公差域データムに平行な二平面で制限データムに方向を合わせず二平面で制限
注意点基準の設定と対象の範囲を確認する面が平らでも他の面との平行関係は保証しない

二つの公差を単に別物として切り離すのも適切ではありません。同じ表面を対象とする二平面の平行度公差域は、その面の形状偏差も制限します。ただし、別に指定された平面度公差の値や評価範囲が異なる場合は、その要求も確認します。

平行度の測定方法

代表的な方法は、定盤とダイヤルゲージなどによる確認と、三次元測定機による評価です。ここでは測定の考え方を整理します。実際の手順は、部品形状、要求公差、使用機器、適用規格に合わせて決めます。

定盤とダイヤルゲージによる確認

基準となる面を安定して支持できる部品では、定盤とダイヤルゲージ、または測定器を取り付けたハイトゲージを用いる方法があります。図面のデータムに対応する姿勢をつくり、対象面を走査して高さの変化を確認します。定盤の上に置くだけで適切な基準ができるとは限りません。

このように基準方向をそろえた面の測定では、最大指示値と最小指示値の差から平行度を評価する例があります。ただし、一列をなぞった結果だけでは面全体を確認できません。測線や測定範囲を決め、局所的な高低差を見落とさないようにします。

支持部の異物やバリ、部品のがたつきがあると姿勢が変わります。また、柔らかい部品や薄い部分では、測定力や固定力による変形が結果に影響する場合があります。安定して支持できない形状では、治具や別の測定方法を検討します。

定盤とダイヤルゲージによる確認

マイクロメータで確認できること

マイクロメータで複数箇所の厚さを測ると、局所的な寸法の変化を確認できます。しかし、これはデータムに対する対象面の高さを直接測る方法ではありません。両面の形状や測定位置の影響も受けるため、厚さがそろっていることだけで平行度が合格とは判断できません。

厚さの確認は補助的な情報として扱い、平行度の合否には、指定された基準と公差域を評価できる方法を使います。なお、「マイクロメータの測定面の平行度を検査する」という説明は、測定器自身の検査を意味し、部品の測り方とは異なります。

三次元測定機による評価

三次元測定機では、基準となる面や円筒などの測定データから基準を設定し、対象の面や軸との関係を評価します。定盤上で姿勢を合わせにくい部品や、複数の幾何要素の関係を確認する場合に検討できる方法です。

ただし、装置が自動で図面の意図を判断するわけではありません。基準の設定、測定点の配置と範囲、要素の計算方法を確認します。少数の点から求めた面が、実物の局所的な凹凸まで表しているとは限らないため、必要な形状情報を取得できる測定計画が重要です。

測定結果を確認するときの注意点

測定者や装置によって結果が違うときは、直ちに加工不良と決めず、まず評価条件を照合します。JEEDの測定技術教育でも、製品の機能と図面指示に応じた測定が重視されています。確認事項を記録しておくと、数値だけでは分からない違いを比較できます。

  • 図面の版数、対象形体、公差値、参照データムは一致しているか。

  • 基準の設定方法と、ワークの支持・固定状態を記録しているか。

  • 対象面または軸の必要な範囲を測定しているか。

  • 測線・測定点の配置、測定方向、評価方法を確認しているか。

  • 測定器の状態と、要求公差に対する測定方法の適切さを確認しているか。

個別の平行度指示がない場合も、独自の合格値を当てはめてはいけません。図面に指定された一般幾何公差や適用規格を確認します。寸法の一般公差だけを、そのまま平行度の許容値として使用することは避け、不明点は設計者と確認します。

CNC部品の図面で平行度を指定するときの考え方

切削加工で部品を製作する際は、組付けや動作に関わる面・軸を特定し、どこを基準として平行度を要求するのかを伝えます。機能上の目的が分からないまま、すべての面へ厳しい要求を付けるのではなく、必要な箇所と検査条件を整理します。

図面には、対象箇所、データム、公差のほか、必要な検査報告や合意事項も添えると確認しやすくなります。PCBgogoでは、CNCフライス加工、CNC旋盤加工、旋盤・フライス複合加工に対応し、設計データをもとに製造性を確認したうえで、お見積もりをご案内します。

まとめ

平行度を測るときは、データムと対象形体、公差域を確認してから測定方法を選びます。定盤とダイヤルゲージ、三次元測定機は、それぞれの測定条件を図面要求に合わせることが重要です。厚さの比較を平行度の判定に置き換えず、基準・測定範囲・評価方法を共有して確認してください。

記事を書く