プリント基板の板厚の決め方|1.6mmを基準に層数・強度・実装条件で選ぶ
プリント基板の板厚を決めるとき、「標準だから1.6mm」と先に決めてしまうことがあります。1.6mmは多くの設計で使いやすい基準ですが、すべての基板にとって最適な厚さとは限りません。
板厚は、層数、基板サイズ、搭載部品、強度、放熱、コネクタの仕様、そして製造条件の組み合わせで決まります。本稿では、1.6mmを出発点に、どの条件で薄く・厚く調整するかを整理します。
なぜプリント基板の標準板厚は1.6mmなのか
1.6mmは、材料の流通量と加工実績が多く、機械的な剛性とコストのバランスを取りやすい板厚です。特別な制約がなければ、まず1.6mmを候補にすると、部品や製造側とのすり合わせを始めやすくなります。
ただし、「標準」は「必ずこの厚さにする」という意味ではありません。小型化や軽量化が優先される製品では薄板が必要になり、重い部品、大きな基板、振動のある用途では厚板が有利になる場合があります。
板厚はコア・プリプレグ・銅箔の組み合わせで決まる
片面・両面基板では基材の厚さが板厚を大きく左右します。多層プリント基板では、コア、プリプレグ、銅箔を積み重ね、その合計が仕上がり板厚になります。層数が増えるほど、必要な絶縁層や銅箔が加わるため、狙った板厚に合わせた層構成の設計が必要です。
ここで注意したいのは、図面や見積もりでいう「板厚」に、表面銅箔を含むかどうかです。精度が必要なコネクタや筐体に組み込む場合は、板厚の定義と許容差を製造前に確認してください。
薄い基板・1.6mm・厚い基板の使い分け
薄い基板は、限られたスペースや軽量化が重要な機器に向いています。一方で、基板がたわみやすく、重い部品や大きなコネクタを搭載すると実装部に機械的な負荷が集中することがあります。
1.6mmは、一般的な部品実装と機械的強度のバランスを取りやすい基準です。厚い基板は、基板サイズが大きい場合、重い部品を搭載する場合、振動や荷重への剛性が必要な場合に検討します。ただし、厚くするほど材料費や加工条件、穴あけとの関係も確認が必要です。

28層・6mmのような多層・厚板は、単に「厚いほうが安心」という理由で選ぶものではありません。層数、信号配線、電源分配、機械強度などの要求を一つの層構成にまとめた結果として、必要な板厚が決まります。
板厚を決めるときに確認したい5つの条件
部品とコネクタ:端面コネクタや挿入部品には、対応板厚が指定されていることがあります。部品図面の条件を先に確認します。
基板サイズと強度:大型・細長い基板、重量部品、振動がある機器では、たわみや反りを考慮します。
層数と銅厚:層数、電源層、厚銅の要求を踏まえ、コアとプリプレグの組み合わせで狙いの板厚を検討します。
穴径とアスペクト比:厚板で小径のスルーホールを使う場合、穴径と板厚の比率が製造性に影響します。
信号と製造条件:インピーダンス制御では、信号層と基準層の距離が重要です。板厚だけでなく、層構成全体で確認します。
PCBgogoで板厚と層構成を確認する方法
PCBgogoでは、基板の層数、材料、銅厚、仕上がり板厚などの条件を確認しながら、多層プリント基板の製造仕様を検討できます。基板の層構成や、プリント基板製造能力も事前確認に役立ちます。
板厚を先に一つの数字として決めてしまうのではなく、必要な強度、部品条件、層構成、信号要件を整理したうえで、製造可能な板厚と公差を確認することが、手戻りを減らす近道です。
仕様が決まっていない場合は、ガーバー(Gerber)データ、基板サイズ、層数、部品・コネクタ条件を添えて、基板製造のお見積もりからご相談ください。
まとめ
1.6mmは、板厚を決めるときの実用的な出発点です。しかし、最適な板厚は製品の用途だけでなく、層数、強度、部品、穴径、信号、製造条件によって変わります。板厚を「標準値から選ぶ」のではなく、設計と製造の条件を一緒に確認して決めることが重要です。