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イーサネット基板設計|MDI配線とPoE絶縁の確認ポイント

12 0 Oct 07.2026, 10:14:43

重要ポイントイーサネット基板では、MAC-PHY間とPHYから磁気部品へ向かうMDI配線を分けて確認します。PoE絶縁は、PSEかPDかと回路構成に応じて境界を特定します。

小型IoT機器やネットワーク機器でPoEを使う場合、基板上では通信信号と電力の経路が同じコネクタ周辺に集まります。

そのため、信号品質だけでなく、磁気部品、給電回路、シャーシとの境界をまとめて整理しておく必要があります。

この記事では、MDI配線とPoE絶縁を混同せず、試作前に確認すべき設計項目を整理します。具体的な寸法や耐圧値は一律に示さず、対象PHY、PoE回路、製品安全要求に沿って確認する前提です。

イーサネット基板ではMDIとMAC-PHY間の配線を分けて考える

イーサネットの信号経路は、概ね「MAC―MII/RMII/RGMII―PHY―MDI差動ペア―磁気部品―RJ45―ケーブル」の順につながります。

MDIはPHYとケーブル側インターフェースの間を指し、MACとPHYを結ぶMII、RMII、RGMIIとは別の区間です。

この区別が曖昧だと、適用する配線ルールや確認対象を取り違えるおそれがあります。

10/100BASE-TXと1000BASE-Tなどでは使用するペアや信号要件が異なるため、最初に通信規格とPHYの型番を確定し、該当する設計資料を参照します。

イーサネット基板におけるMAC-PHY間とMDI差動配線の区間を示すブロック図

MDI配線はPHYの設計資料と基準レイアウトに合わせる

PHYから磁気部品までの差動ペア

PHYのMDI端子から絶縁トランスや磁気部品までの配線は、差動ペアを一組として扱います。

配線長、ペア内の長さ差、線幅、間隔、ビア、分岐の許容条件は、PHYの型番、通信速度、スタックアップと基準レイアウトに基づいて確認してください。

異なるPHYの評価基板に記載された数値を、そのまま別設計に流用するのは避けます。

可能な範囲で配線を簡潔にし、不要なスタブや層変更を抑えながら、対象回路が指定する差動インピーダンスと長さ条件を満たすようにレビューします。

リファレンスプレーンに分割やスリットがあると、リターン経路が遠回りになる場合があります。

配線直下に連続した基準面を確保できるかを確認し、プレーン分割をまたぐ配置が避けられない場合は、採用PHYや磁気部品の設計資料に沿って対処を検討します。

磁気部品・RJ45・シャーシの配置

LANトランスを内蔵したRJ45(MagJack)を使うか、ディスクリートの磁気部品を使うかによって、部品配置と絶縁境界の描き方が変わります。

回路図段階で、PHY側、ケーブル側、コネクタシールド、シャーシの接続方針を明確にしておきます。

磁気部品の下や周辺に設ける銅箔禁止領域、グランド分離幅、シールドの接続方法は、部品・PHY・製品構成に依存します。

参考設計にある寸法を全基板共通のルールとみなさず、すべての層で意図しない銅箔、ビア、配線が絶縁領域を横断していないか確認してください。

PoE絶縁はPSEかPDかを特定して確認する

PoEではEthernetケーブルを介してデータと電力を扱いますが、給電するPSEと受電するPDでは、回路の役割も電力経路も異なります。

「PoE絶縁」という一語だけで離隔や回路方式を決めず、絶縁が必要な回路境界をシステム図と回路図の両方で特定します。

PSE(給電側)で確認すること

PSEでは、給電コントローラから各ポート、磁気部品のセンタータップや給電経路、スイッチ側電源・GNDまで、どこを電力が通るか追跡します。

通信信号の絶縁と、給電回路・制御回路の絶縁関係を分けて確認することが重要です。

PoEコントローラとスイッチ主回路の構成によって、絶縁境界の位置や必要な部品が変わる場合があります。

ポート数、給電方式、電力クラス、PSEコントローラの型番を確定し、該当する設計資料と製品安全要求に照らしてレビューします。

PD(受電側)で確認すること

PDでは、RJ45から磁気部品、整流回路、PDフロントエンド、DC-DC変換回路を経て、機器内部の電源へ至る経路を図にします。

絶縁型・非絶縁型の電源構成や、二次側回路と筐体の関係によって確認すべき境界が異なります。

変圧器やフォトカプラなどの絶縁部品だけで判断せず、一次側・二次側のネット、部品の端子や露出パッド、銅箔・ビアの接続関係まで確認します。

沿面距離、空間距離、耐圧などの要求値は、適用規格、使用電圧、汚損度、材料、標高などの条件を踏まえて設計者が確定する必要があります。

PSE給電側とPD受電側で異なるPoEの電力経路と絶縁境界を比較する図

試作前に共有したい設計情報

試作前には、通信速度とPHYの型番、PSE/PDの別、PoEコントローラやLANトランス/MagJackの型番を整理します。

加えて、層構成、板厚、銅厚、MDIネット、目標インピーダンスとその指定元を製造データと照合できる形にします。

絶縁境界図には、一次側・二次側のネット、シャーシや保護接地との接続方針、部品周辺の禁止領域を明示します。

耐圧試験や絶縁試験が必要な場合は、適用規格の版、試験条件、判定基準、試験の実施主体を設計・製造・実装の関係者間で合意してください。

参考設計や部品資料に記載された耐圧、距離、差動インピーダンスの数値は、それぞれ特定の回路・部品・規格条件に基づく例です。

数値を一般ルールとして転記せず、最終的な要求を対象製品の仕様と適用規格で確認します。

まとめ:通信配線と電力・絶縁境界を別々に追う

イーサネット基板では、MDI配線をMAC-PHY間の配線と区別し、PHYから磁気部品、RJ45までを一続きの信号経路として確認します。

PoEではPSEとPDの役割を特定し、電力経路と絶縁境界を回路構成に沿って追うことが重要です。

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製造データに層構成や配線条件を反映し、絶縁境界や試験要求など設計側で確定すべき項目を整理してからご相談ください。

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