これらの設計ディテールで80%のフローはんだ不良を回避できる
多くのエンジニアは、フローはんだ不良は工程条件の問題だと考えがちです。しかし実際には、PCB設計がはんだ品質に大きな影響を与えています。では、どのような設計ディテールがフローはんだ不良を引き起こしやすいのでしょうか。また、設計段階でどのように最適化すれば不良を防げるのでしょうか。
確かに、フローはんだ不良が発生すると、まず温度条件やフラックス量などの工程パラメータを調整するケースが多く見られます。しかし、設計そのものに問題がある場合、工程条件をどれだけ最適化しても不良を完全に防ぐことはできません。
PCBGOGO のPCB設計および製造プロセスの専門的な知見から見ると、以下の設計ポイントを最適化することで、約80%のフローはんだ不良を未然に防ぐことが可能です。

1. ランド設計の重要ポイント
ランドは、PCBとはんだ付け部品を接続する最も重要な要素です。不適切なランド設計は、はんだボール、はんだ不足、ブリッジなどの不良を直接引き起こします。
例えば、ランドサイズが大きすぎると、はんだが拡散してリードを十分に包み込めず、はんだ不良が発生します。一方で、ランドサイズが小さすぎる場合も、はんだ量が不足し、同様にはんだ不良につながります。さらに、狭ピッチ部品においてランド間隔が不足すると、ブリッジが発生しやすくなります。
PCBGOGO では、IPC-7351 規格と部品データシートを基準に、ランドの長さ、幅、間隔を最適化しています。また、矩形ランドの場合、リード出口側に小さな面取りを設けることで、はんだ溜まりを防ぎ、ブリッジ発生リスクを低減しています。
2. PCBレイアウト設計の最適化
部品の配置方向や位置は、フローはんだ品質に直接影響します。例えば、部品リードの方向がフローはんだ装置の搬送方向と直交している場合、はんだが十分に濡れず、はんだ不良が発生しやすくなります。
また、部品間隔が狭すぎると、はんだの流れが阻害され、はんだボールやブリッジの原因となります。さらに、トランスや電解コンデンサなどの重量部品をPCBの端部に配置すると、フローはんだ時の熱や重力によって基板が反り、はんだ品質に悪影響を与えます。
PCBGOGO では、部品リード方向を搬送方向と平行に配置し、十分な部品間隔を確保します。重量部品はPCB中央付近に配置し、必要に応じて支持ポイントを追加することで、基板変形を防止しています。
3. スルーホールおよびソルダーレジスト設計
スルーホールがランドに近すぎる場合、フローはんだ時にはんだがホール側に流出し、ランド上のはんだ量が不足してはんだ不良が発生します。そのため、スルーホールとランドの距離は0.5mm以上確保することが推奨されます。
やむを得ずランド近傍にビアを配置する場合は、ブラインドビアや埋め込みビアを採用することで、はんだ流出を防ぐことができます。
また、ソルダーレジスト設計も重要です。レジストがランドにかかっていると、はんだの濡れ性が低下し、はんだ不良の原因になります。さらに、レジストに気泡やピンホールがあると、はんだボールが発生しやすくなります。
PCBGOGO では、ソルダーレジストの塗布厚みと硬化条件を厳密に管理し、ランド非被覆、気泡やピンホールのない高品質なレジスト仕上げを実現しています。
4. PCBの板厚および材料選定
PCBの板厚が薄すぎると、フローはんだ時の温度変化によって基板が反りやすくなり、はんだ品質が不安定になります。また、材料の熱伝導性が低い場合、予熱不足となり、さまざまなはんだ不良を引き起こします。
PCBGOGO では、用途や設計条件に応じて適切な板厚と材料を選定しています。例えば、高密度PCBには FR-4 材料、板厚1.6mmを採用することで、フローはんだ工程中の基板変形を防ぎ、安定したはんだ品質を確保しています。
まとめ
フローはんだ品質は工程条件だけで決まるものではなく、PCB設計段階での配慮が極めて重要です。ランド設計、部品レイアウト、スルーホール配置、ソルダーレジスト、基板材料といった設計ディテールを最適化することで、多くのフローはんだ不良を設計段階で防ぐことが可能になります。
PCBGOGO は、PCB設計と製造プロセスを深く理解したパートナーとして、設計段階から量産まで一貫したサポートを提供しています。設計起点で不良を減らし、高品質な電子製品づくりを実現したい方は、ぜひ PCBGOGO の専門技術をご活用ください。