
SMT(表面実装技術)実装で高品質な仕上がりを目指すには、使用するステンシルの種類が非常に重要です。代表的なステンシルには「フレーム付き」と「フレームなし」の2タイプがあります。それぞれの特徴を理解することで、目的や予算に応じた最適な選択が可能になります。
SMT実装におけるステンシルとは?
ステンシルは、プリント基板(PCB)に電子部品を取り付けるためのはんだペーストを、正確に塗布するための金属製プレートです。PCBレイアウトに対応した開口部が加工されており、そこからはんだが押し出され、正しい箇所に配置されます。
はんだ量が多すぎたり少なすぎたりすると、ブリッジや未接続といった不良が発生しやすくなるため、ステンシルの精度は製品品質に大きな影響を与えます。
フレーム付きステンシルの特徴とメリット
フレーム付きステンシルは、ステンレス製のプレートをアルミやスチールなどの剛性フレームに固定した構造で、テンションが常に一定に保たれます。自動印刷機との相性が良く、大量生産に適した仕様です。
このタイプの主なメリットには、長期間使用できる耐久性、印刷精度の高さ、装置との互換性の良さが挙げられます。特に大量のPCBを高速で処理する自動化ラインでは、一貫した品質を維持しやすい点が評価されています。
一方で、コストがやや高く、フレームの分だけ保管スペースを多く必要とする点がデメリットです。また、設計変更が発生した場合は、新たなステンシルを作成し直す必要があります。
フレームなしステンシルの特徴とメリット
フレームなしステンシル(別名:フォイルステンシル)は、テンションフレームに取り付けて使用する、単体のステンレスプレートです。主に少量生産や試作段階で活用され、コスト効率と柔軟性に優れています。
価格が安く、設計変更にも迅速に対応できる点は特に魅力的です。また、フレームがない分、省スペースでの保管も可能で、小規模工場やスタートアップに最適です。
ただし、テンションが不十分なまま使用すると、印刷ムラやはんだのズレが生じやすくなります。また、耐久性がやや低く、取り扱いによっては曲がったり破損しやすい点には注意が必要です。
どちらを選ぶべきか?
フレーム付きステンシルは、1日に数千枚単位で生産する大規模工場や、自動印刷装置を活用している場合に適しています。高密度回路やファインピッチ設計に対しても高い安定性を発揮します。
一方、フレームなしステンシルは、試作や小ロット生産に向いており、頻繁な設計変更があるプロジェクトにも柔軟に対応できます。コスト削減が重視される場面でも有利です。
ステンシルを長持ちさせるためのポイント
ステンシルの性能を最大限に活かすためには、日々のメンテナンスが欠かせません。
はんだペーストの蓄積を防ぐため、5?10回の印刷ごとに洗浄を行いましょう。
フレーム付きは縦置きで保管し、フレームなしは平らに置いて保護ケースに入れて保管してください。
フレームなしを使用する場合、テンションが均等にかかっているか必ず確認を。
小さなキズや変形でも印刷精度に影響するため、定期的な点検が重要です。
まとめ
フレーム付きステンシルは、精度と耐久性に優れたプロフェッショナル向けの選択肢で、大量生産や高精度製品に最適です。
一方、フレームなしステンシルは、コスト効率と柔軟性を重視する場合にぴったりの選択肢となります。
それぞれの用途と目的に応じて、最適なステンシルを選ぶことが、SMT実装における品質向上の鍵となります。
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