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部品高さの違いを克服する階段式ステンシル:多層ゲルパステクノロジーで精度と信頼性アップ
1 0 Jul 04.2025, 17:03:14

現代の高密度PCBでは、部品ごとの高さ差が大きな悩みとなりますが、階段式ステンシル(多段階ゲルパス型鋼板)はその課題を見事に解決します。本記事では、その仕組みや導入によるメリット、設計上の注意ポイントまで詳しくご紹介します。

階段式ステンシルとは?なぜ必要か

階段式ステンシルは、厚みの異なるステップを持つ専用鋼板でございます。0201抵抗器などの小型部品からBGAやコネクタなどの高い部品まで、部品ごとに適切なはんだ量を調整できるため、過不足のない印刷が実現できます。

部品高さ差による課題と影響

PCB上の部品高さは0.4?mmから2?mm以上まで多岐にわたり、標準ステンシルでは均一なゲルパスト量が得られず、頻繁にブリッジや不足が発生します。実際、SMT欠陥の最大60%が発生原因は不適切なはんだ量によるものとされております。

階段式ステンシルの技術と導入

化学エッチングやレーザー切断で厚みを0.1?0.25?mmの多段階に加工することで、刮刀引き時に部品ごとに最適量のゲルパスが印刷できます。小さな抵抗には薄いステップ、大きなBGAには厚いステップが対応し、全体の均質性が大幅に向上します。

階段式ステンシル導入による利点

  • はんだ接合の信頼性向上:棄権率を30%低減するなど、実績がございます。

  • 欠陥-返工削減:ブリッジや立碑などの不良を抑制し、製造コストと時間を削減できます。

  • 混載技術対応表面実装と スルーホール部品混載にも一枚のステンシルで対応可能です。

  • 大規模生産向けの費用対効果:初期コストは高めでも、欠陥率の改善により即時回収が可能でございます。

適用分野と使用実績

  • スマートフォンやウェアラブル機器:高度に集積された部品配置に対応します。

  • 車載電子:ADASやバッテリー制御基板など、多様な部品高さに対応します。

  • 医療機器:高い信頼性が求められる環境でも安心して使用されます。

  • 産業機器:大型コネクタや細ピッチICの混在基板に最適でございます。

導入のベストプラクティス

ステップ内容
1. 早期連携PCB設計段階で部品高さ--パッド情報をステンシル業者と共有します。
2. 開口設計の最適化部品毎に適切な開口比(0.5?0.6)でゲル量を制御します。
3. テスト印刷AOI等で印刷状態を確認し、調整を繰り返します。
4. 定期メンテ多段構造の保持と開口寿命延長のため、最適な洗浄と保管が必要です。

注意点と制限

  • 前期費用が高額になる場合がございます。

  • 部品密度が極端に高い場合には適合しないケースもございます。

  • 機器の刮刀圧や速度を専用調整が必要になります。

まとめ

階段式ステンシル(メタルマスク)は、部品高さ差や混載実装によるPCB設計の複雑化を強力にサポートいたします。精密なゲルパス制御で欠陥を抑制し、製造信頼性を向上させるこの技術は、特に高密度--高信頼性要求の電子機器において絶大な効果を発揮いたします。導入を検討する際には、設計段階からの協業と徹底したテスト体制が鍵となります。


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