柔性プリント基板(FPC)は、軽量かつ高い柔軟性を持つことから、スマートウォッチやフォルダブルスマートフォンなどに幅広く採用されています。しかし、フライングプローブテストでは「基材に剛性がない」という構造的特性により、テスト時の変形が発生しやすいという課題があります。業界データによれば、変形を適切に管理していないFPCでは、折れやシワによるテスト不良が40%を超えるケースも報告されています。あるフォルダブル端末メーカーでは、変形を伴うテストにより1,500枚のFPCでパッド剥離が発生し、約80万円の損失につながった事例もあります。

PCBGOGOは柔性PCBテストに特化して6年以上の実績があり、累計600万枚以上のFPCをテストしてきました。独自の変形抑制技術により、変形が原因となる不良率を1%以下に抑えています。本記事では、FPCがフライングプローブテストで変形する根本原因と、固定方式、圧力調整、検証方法を体系的に解説し、変形問題の解決策を提示します。
1. 変形が起こる要因と技術的背景
柔性PCBにおける変形コントロールは、IPC-1101の6.4項に準拠させる必要があり、特に以下の2つの課題を同時に解決することが求められます。
固定方式と変形のトレードオフ
FPCを縁部のみで固定した場合、中央部が容易に“たわみ”を起こし、たわみ量が0.1mmを超えるとプローブの接触位置がずれ、テスト不良が発生します。PCBGOGOの比較データでは、面全体を吸着する真空固定方式は、縁部固定方式に比べて変形量を80%低減できることが確認されています。
探針圧と基材ダメージのトレードオフ
FPCの基材(PIなど)が耐えられる圧力は最大80g程度であり、100gを超える圧力が加わると、基材に0.02mmを超える圧痕が残ったり、パッド剥離を引き起こします。これはIPC-A-610G Class 2で求められる外観要件にも抵触します。
PCBGOGOでは、真空吸着と弾性支持を組み合わせた独自工法を採用しています。吸着圧力は-50kPa、支点間隔は5mmとし、厚み0.05mmから0.2mmのFPCに適応。さらに超薄型(0.05mm以下)のFPCに対しては、静電気対策シリコンバー(硬度30A)を追加することで、変形量を0.03mm以下に抑えることができます。これは業界標準の変形量(約0.1mm)を大きく下回る数値です。
2. 実用化された変形抑制プロセス
FPCのフライングプローブテストでは、「固定」「圧力」「動作経路」の3点を総合的に最適化する必要があります。
2.1 固定方式の最適化
厚さ0.08mm--0.2mmのFPC
PCBGOGOの真空吸着テスト台(JPE-FPC-Vac100)を使用し、FPC全面を均一に吸着。吸着圧力は-50kPa±5kPa。レーザー変位センサ(精度±0.001mm)を用いて変形量を計測し、0.05mm以下であることを確認します。厚さ0.05mm以下の超薄型FPC
真空吸着に加え、幅5mm、硬度30Aのシリコンバーを追加。加圧は10g±2gとし、基材の浮きを防止。変形量0.03mm以下を基準とします。
2.2 探針圧の調整
FPCに合わせて探針圧を細かく設定します。
厚さ0.05mm--0.1mm:40g±5g
厚さ0.1mm--0.2mm:60g±5g
圧力は高精度センサー(±1g)で常時監視し、IPC-9252の5.3項に沿って上限超過時は即停止します。
2.3 テストパス(動作経路)の最適化
PCBGOGOのFPC専用テストソフト(JPE-FPC-Test 3.0)は、基材のシワ発生を抑えるため、外周から中心へ向かう動作パスを自動生成します。
隣接ポイント間が2mm以下の区間では移動速度を5mm/sに制御
顕微鏡(200倍)で経路偏差0.008mm以下を確認
3. PCBGOGOによる総合ソリューション
FPC特有の“柔らかさ”に起因する変形問題は、単一の工程では解決できません。固定方式、探針圧の最適化、動作経路の制御を総合的に設計することが重要です。
PCBGOGOでは、FPC専用のテスト工位を提供しています。
サイズ別にカスタム可能な真空吸着台
圧力40g--80gの無段階調整プローブユニット
全ロットで変形量検査レポートを付与(IPC-1101準拠)
FPCテストの品質と安定性を高めたい企業様は、ぜひPCBGOGOにご相談ください。