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多層基板設計におけるEDAツールの推奨と実務経験
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May 27.2025, 11:09:10
電子機器の機能統合がますます高度化する中で、多層基板は高性能デバイスにおける標準的な選択肢となっています。二層基板と比較して、多層基板はより多くの信号層、電源層、GND層を持つことができ、優れたEMC性能と信号完全性を実現します。その一方で、設計の複雑さも増し、EDAツールの選定と実務経験が成功の鍵となります。
代表的なEDAツールの紹介
現在広く使用されているEDAツールの中で、多層基板設計において特に優れた性能を発揮するソフトウェアは以下の通りです。
Altium Designer
機能が充実しており、操作画面も直感的で、中?上級レベルの設計ニーズに対応しています。高速信号のインピーダンス整合解析や3Dビジュアル配線にも対応しており、筆者が最も推奨する設計ツールです。
Cadence Allegro
高性能PCB設計における業界標準ツールであり、通信機器やサーバーなどの複雑なシステム設計に適しています。制約ルール設定やチームでの協調設計にも優れています。
Mentor PADS / Xpedition
企業レベルの開発に向いており、多層配線アルゴリズム、差動対設計、熱解析などの高度な機能が備わっています。
KiCad(オープンソース)
教育機関や初心者に適しており、多層設計にも対応しています。商用ツールに比べると一部機能は劣りますが、柔軟性とコミュニティの活発さが強みです。
実際の多層基板設計プロジェクトでは、積層構造の計画、配線ルールの設定、電源とGNDの分割管理など多くの課題に直面します。以下にいくつかの経験則を共有します:
- 配線より積層構造の計画を優先
設計初期に適切な層構成を決定することが重要です。例えば「信号層-GND層-信号層-電源層」の4層構成は、クロストークやリターンパス問題を軽減できます。 - 差動配線機能の活用
USB3.0やHDMIなどの高速信号設計では、差動ペアの配線長一致や経路整合性が重要です。AltiumやAllegroでは差動配線の自動支援機能が充実しています。 - 配線密度とビアの選定
多層基板では高密度配線が求められるため、ブラインドビアやベリードビアの使用が有効ですが、製造コストの増加も考慮が必要です。
今後はAIによる配線自動化やクラウドベースEDAの普及が進むと見られ、PCBGOGOでも最新の技術動向に対応したサポート体制を強化してまいります。
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