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PCBAテスト戦略:機能テストとICTテストの実施方法

5 0 Dec 17.2025, 09:45:44

電子機器製造の分野において、製品の信頼性は決して妥協できない重要要素です。体系的に構築されたPCBAテスト戦略は、品質を保証する設計図のような存在であり、すべてのプリント基板実装品 PCBA が構造的要件を満たすだけでなく、実際の動作環境においても確実に機能することを保証します。この戦略の中核となるのが、インサーキットテスト ICT機能テスト FCT という二つの相補的な検査手法です。これらの技術的な実行方法を正しく理解することが、歩留まり向上と高コスト不良の削減につながります。

インサーキットテスト ICT:実装不良を高精度で検出

ICT は、PCBAの構造的完全性および基本的な電気特性を検証するための強力な製造検査手法です。通常、SMT実装および THT 実装工程の完了後、早い段階で実施されます。

ICT の実施方法(ベッドオブネイル方式)

1. テスト治具の設計

基板レイアウトに基づき、専用のテスト治具(ニードルベッド)を設計します。治具は空圧または真空方式で駆動され、多数のスプリングプローブがPCBA上の指定テストパッドに正確に接触する構造となっています。

2. 接触と測定

PCBAを治具に固定すると、プローブが各テストポイントに電気的に接触し、測定が可能になります。

3. シーケンステスト

ICTテスタは基板上の各ノードに対して順次刺激信号を与え、測定を行います。主なテスト内容は以下の通りです。

短絡および断線テスト
はんだブリッジやオープン不良を高速に検出します。

受動部品測定
抵抗値 R、容量 C、インダクタンス L を測定し、設計許容範囲内であるかを確認します。

能動部品検証
ダイオードやトランジスタの極性および動作確認を行い、保護プローブなどを用いてICの健全性を検証します。

ICT は、部品誤搭載、部品欠品、はんだ不良といった製造起因の欠陥を正確に特定でき、迅速な不良解析と修理指示につながります。

機能テスト FCT:実動作性能の検証

機能テスト FCT は、最終段階で実施される包括的な性能検証です。実際の使用環境を模擬し、PCBAが設計通りの機能を確実に実行できるかを確認します。

FCT の実施方法(シミュレーション方式)

1. ファームウェア書き込み

最初に行う重要な工程が ISP インシステムプログラミングです。最終版のソフトウェアやファームウェアをマイコンやフラッシュメモリに書き込みます。

2. テスト治具とインターフェース

FCT用治具は、電源コネクタ、入出力ポート、通信インターフェース(USB、Ethernet、RFアンテナなど)との接続を重視して設計されます。

3. 動作環境の模擬

実際の使用条件を再現し、以下の項目を検証します。

電源検証
電圧安定性、消費電流、電源オンオフシーケンスを確認します。

入力信号の模擬
センサー、スイッチ、通信信号などを外部機器により模擬入力します。

出力動作の確認
デジタル出力状態、アナログ信号品質、通信速度やデータ送信の正確性を測定します。例えば、通信モジュールが正常にデータを送信できるかを確認します。

4. 合否判定

FCTは基本的に合格または不合格の明確な判定を行い、PCBAがすべての設計仕様を満たして完全に動作することを証明します。

FCTは、ICTでは検出できないタイミング不良、ソフトウェア起因の問題、部品間の相互作用による機能不良を発見できる点で不可欠です。

まとめ

効果的なPCBAテスト戦略は、ICTとFCTを組み合わせて運用することが重要です。ICTは製造品質の基礎を支え、構造的な不良を早期に排除します。その上で、FCTが最終的な機能検証に集中することで、高信頼性の電子製品が実現します。この構造検証から動作検証へと段階的に進む手法は、信頼性重視の電子製造における標準的なアプローチです。

PCBGOGOは、ICTとカスタマイズ可能なFCTを統合した先進的なSMT生産ラインを備え、厳格な品質管理体制のもとでPCBAサービスを提供しています。
高い信頼性と安定した量産品質を求めるお客様に対し、PCBGOGOは最適なPCBAテスト戦略を通じて、製品品質と市場投入スピードの両立を実現します。


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