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PCB スルーホールパッドにおける はんだ流出不良の発生要因と回避のための核心戦略

6 0 Dec 23.2025, 10:20:57

基板実装工程において スルーホールはんだの流出不良は はんだ付け品質および製品信頼性に深刻な影響を与える代表的な課題です。この不良は 溶融はんだがスルーホール内壁から裏面パッドや基板の隙間へと流れ出す現象として現れ はんだ材料の無駄だけでなく 外観品質の低下 ショート はんだ不足などの致命的欠陥を引き起こし 製品歩留まりを大きく低下させます。本質的に見ると スルーホールはんだ流出は スルーホール内における はんだの力学的バランスが崩れることで発生します。

溶融状態のはんだは 表面張力 重力 スルーホール内壁への付着力の影響を同時に受けており これらのいずれかが不均衡になると はんだが制御不能となり 流出が発生します。


まず 基板設計段階での見落としが 根本的な原因となるケースが少なくありません。一部の設計では スルーホール径とリード径の適合性ばかりが重視され パッド径と孔径の比率が軽視されがちです。


IPC-6012 規格では スルーホールパッド径は 孔径よりも 0.6 mm 以上大きく設定することが推奨されています。


パッド径が小さすぎる場合 はんだの付着面積が不足し 表面張力による保持力が弱まり 溶融はんだが内壁に沿って流出しやすくなります。


また スルーホールの金属化品質も極めて重要です。PCBGOGO の製造実績では スルーホールの銅めっき厚が 25 μm 未満になると 内壁の付着力が大きく低下し はんだが滑りやすくなり 流出不良の発生率が急増することが確認されています。


次に 実装工程パラメータの不適切さが 直接的な誘因となります。スルーホール実装では 波はんだ付けが一般的に用いられますが はんだ温度 搬送速度 波高のバランスが 品質を左右します。


はんだ温度が 265 ℃ を超えると はんだの粘度が急激に低下し 流動性が過剰となり スルーホールから溢れやすくなります。


一方で 搬送速度が遅すぎる場合 PCB とはんだの接触時間が長くなり 過剰なはんだが孔内に滞留し 流出を招きます。


PCBGOGO のプロセスエンジニアリングチームによる検証では はんだ温度を 250 ℃ から 260 ℃ に制御し 搬送速度を 1.2 m/min から 1.5 m/min に設定 波高は スルーホール底面から約 2 mm 上に達するレベルが 最適であることが確認されています。


さらに PCB 基板材料の特性も はんだ流出に影響を及ぼします。FR-4 をはじめとする樹脂基板は 吸湿性を有しており 十分に乾燥されていない場合 実装時の高温により内部水分が急速に気化します。この水蒸気が溶融はんだを押し上げ 安定状態を乱すことで 流出不良を引き起こします。


そのため、実装前の基板プリベークは不可欠です。PCBGOGO では すべての実装対象 PCB に対し 120 ℃ で 2 時間の事前乾燥を必須とし 基板内部の水分を徹底的に除去しています。


これらの要因を踏まえ スルーホールはんだ流出不良を回避するためには 設計 工程 材料の 3 つの視点から 閉ループ型の管理体制を構築することが重要です。


設計面では IPC 規格を厳守し パッド径と孔径の最適な比率を確保します。


工程面では 波はんだ条件を最適化し インライン検査装置によるリアルタイム監視を導入します。


材料面では 高密着性の金属化プロセスを採用した PCB を選定し 基板乾燥状態を確実に管理します。


PCBGOGO は これらを統合した全工程管理により スルーホールはんだ流出不良率を 0.1 パーセント 以下に抑制しており 高信頼性 PCBA 製造における 実践的なモデルケースを提供しています。


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