PCBによくある設計問題:ソルダーレジストとシルク印刷
PCB設計において、ソルダーレジスト層とシルク印刷層は製品外観だけでなく、はんだ付け品質、生産歩留まり、検査のしやすさに直結します。設計が不適切な場合、パッドのレジスト被り、はんだ不足、文字の不鮮明、マーキング消失などの問題が発生します。多層板-高密度基板-高速基板の普及に伴い、ソルダーレジストとシルク設計に対するDFM(製造容易性)要求はますます厳しくなっています。
本記事では、よくあるソルダーレジストおよびシルク設計の問題点とDFMの観点からの対策をまとめ、設計最適化によるリスク低減と初回合格率向上を支援します。

1. ソルダーレジスト設計の問題点とDFM提案
1.1 ビアのレジスト被覆と開口指定の不一致
問題内容:注文システムではビアをレジスト被覆指定しているのに、Gerberデータではビア開口が設計されている。
品質リスク:ビア処理方式の誤判定につながる。
DFM提案:Gerber上のビア開口指定と、注文システムのビア処理設定を一致させる。
補足:
ソルダーレジストとビア開口の不一致は、生産側でビア種別の誤認を招き、虚はんだや銅露出の原因になります。Gerberファイル内でビア属性を明確にし、注文条件と整合させることが重要です。
1.2 パッドのソルダーレジスト未開口
問題内容:配線上にパッドがあるが、ソルダーレジストに開口が設計されていない。
品質リスク:パッドのレジスト被りが発生しやすい。
DFM提案:パッドがある箇所は必ずソルダーレジスト開口を設ける。
補足:
レジストがパッドを覆うと、熱伝導やはんだ濡れ性が低下し、虚はんだやブリッジの原因になります。開口サイズはパッド寸法より0.05--0.1mm程度の余裕を持たせるのが一般的です。
1.3 ソルダーレジストのはんだラインが長すぎる
問題内容:レジスト設計におけるはんだラインが過度に長い。
品質リスク:銅露出やエッチング不良が発生しやすい。
DFM提案:はんだライン長を適正範囲に管理する。
補足:
はんだラインが長すぎると、エッチング精度や銅箔の完全性に影響し、短絡リスクが高まります。合理的な長さ制御が必要です。
2. シルク印刷設計の問題点とDFM提案
2.1 文字をパッド上に配置しない
問題内容:文字をパッドやその近傍に配置している。
品質リスク:工程上で自動削除され、文字が消失する。
DFM提案:表示が必要な文字はパッド上に配置しない。
補足:
シルクとパッドが重なると、製造時に除去されやすくなります。文字とパッドの安全距離は通常0.2mm以上を確保します。
2.2 文字サイズ(高さ - 線幅)が小さすぎる
問題内容:文字の高さ-線幅が過小。
品質リスク:印刷が不鮮明になり、判読不能となる。
DFM提案:文字高さは30MIL以上、線幅は5MIL以上とする。
補足:
最小値を下回ると、シルク印刷が不完全になります。一般的な推奨値は、文字高さ0.8mm以上、線幅0.13mm以上です。
2.3 文字の重なり
問題内容:文字同士が重なって配置されている。
品質リスク:重なりにより文字が潰れて不鮮明になる。
DFM提案:設計段階で文字の重なりを避ける。
補足:
特に小型部品周辺では印刷不良が起きやすいため、文字間隔は0.2mm以上を確保します。
2.4 極性マークの隠れ
問題内容:極性マークが目立たない、または隠れている。
品質リスク:極性表示の欠落による実装ミス。
DFM提案:重要な表示はパッドと十分な距離を確保して配置する。
補足:
極性マークや重要識別は、組立ミス防止のため明確に視認できる位置に配置します。パッドとの距離は0.2--0.3mm以上が推奨です。
3. ソルダーレジスト-シルクのDFM参考値
ソルダーレジスト開口余裕は+0.05--0.1mm、シルク文字高さは30MIL以上、文字線幅は5MIL以上、文字間隔は20MIL以上、極性マークとパッドの距離は0.2--0.3mm以上を目安とします。
4. まとめ
ソルダーレジスト層とシルク印刷層の設計は、PCBの製造および実装品質に大きな影響を与えます。設計段階で開口ルール、文字サイズと間隔を厳守し、DRCチェックを併用することで、生産リスクを低減し、初回合格率と実装信頼性を向上させることが可能です。
PCBGOGOは、ソルダーレジストおよびシルク設計に関するDFMレビューと量産対応サービスを提供し、製造歩留まりと組立信頼性の向上をサポートします。