SMT部品の立ち上がり(トゥームストーン現象)はなぜ発生するのか、そしてどのように防止するか
SMT部品の立ち上がり(トゥームストーン現象)は、表面実装組立で最も頻発するPCBA不良の1つです。特に0402や0603の抵抗/コンデンサといった軽量チップ部品で多く見られます。回流はんだ付け中に左右のぬれ力が不均衡になると、部品の片側が持ち上がり、垂直に立ち上がった状態になります。この不良は開放不良を引き起こし、製品機能に直接影響します。
本記事では、立ち上がり現象が発生する主な要因を整理し、再発を防ぐための実践的な対策を解説します。

SMT部品の立ち上がりとは何か
SMT部品の立ち上がりとは、回流はんだ付け中にチップ部品が2つのランドに水平に載らず、片側のみがぬれ、もう一方が垂直に立ち上がる現象です。はんだの溶融タイミングのずれ、ランド設計の不適切さ、熱伝達の非対称性が主な原因です。
SMT部品の立ち上がりはなぜ発生するのか、そしてどのように防ぐか
1. PCB設計に起因する問題
不適切なPCBレイアウトやランド設計は、立ち上がり発生の主要因です。
よくある設計上の要因:
ランドのサイズや形状が左右で異なる
→ 面積が大きい側のランドが早く加熱され、はんだが先に溶融して部品を引き寄せる。PCB上の熱分布が不均一
→ 大型銅箔、ビア、GNDプレーン、ヒートシンク周辺の部品は加熱バランスが崩れやすい。部品配置の最適化不足
→ 異なるサイズの部品を密集させると、エアフローと熱伝達が乱れやすい。
防止策:
ランド形状を標準化し、左右対称で同等の熱容量になるよう設計する。
部品配置と配線を最適化し、回流時の熱バランスを確保する。
2. 部品に起因する問題
部品材料や表面処理は、立ち上がりリスクに直接影響します。
よくある原因:
酸化や汚染によるぬれ性の低下
→ 一側のぬれ速度が遅くなり、はんだ表面張力が不均一になる。非常に小さく軽いチップ部品
→ 軽量部品は表面張力の影響を強く受け、持ち上がりやすい。
防止策:
ぬれ性の良い部品や改良型表面処理部品へ変更する。
回流炉の温度プロファイルを調整し、左右ランドのぬれタイミングを揃える。
3. SMTプロセスとはんだペーストに起因する問題
業界データによると、SMT不良の70%以上(立ち上がりを含む)は、はんだ印刷工程に起因します。
主な原因:
2つのランド間でのはんだ量の不均一
→ ぬれ速度と溶融タイミングがズレる。はんだペーストの離型不良、または適切でないステンシル設計
→ ステンシル厚、開口設計、ペースト粘度が印刷品質に影響。チップマウンタによる部品搭載ずれ
→ 片側ランド寄りに搭載されると、回流中に引っ張り力が不均一になり立ち上がりやすい。
防止策:
はんだ印刷条件を厳格に管理する。
ステンシルの清浄度と開口設計を最適化する。
安定性の高いはんだペーストを使用する。
印刷後にSPI検査を実施し、不均一印刷を早期検出する。
マウンタの校正、ノズル性能管理により搭載精度を確保する。
回流プロファイルを最適化し、左右ランドの同時ぬれを実現する。
結論:PCBAの専門的な工法管理により立ち上がり不良を確実に防止する
SMT部品の立ち上がりは、ランド設計の非対称性、はんだ印刷の不均一、熱バランスの不良、部品のぬれ性問題が複合的に関与して発生します。PCB設計の最適化、はんだペースト量の管理、回流プロファイルの改善、そして高精度な部品搭載により、この不良を大幅に抑制し、PCBA歩留まりを向上させることができます。
PCBGOGOでは、高精度SMT実装と一貫したPCBA製造サービスを提供し、工程レビュー、先進的な搭載設備、SPI/AOI検査、厳格なプロセス管理により、立ち上がり、ブリッジ、はんだボール、開放などの不良を徹底的に抑制します。高品質で安定したPCBA生産をお求めの方は、試作から量産までPCBGOGOが全工程でサポートします。