
多層基板設計において、材料の選定は電気特性、機械的強度、製造コストに直接影響します。特に多層基板では、高速信号、高電力、高周波アプリケーションに対応する必要があり、不適切な材料選定は信号損失、放熱不良、製造不良などのリスクを招く可能性があります。専門PCBメーカーであるPCBGOGOは、業界での豊富な経験をもとに、エンジニアが信頼性の高い設計を実現できるよう、多層基板材料の選定アドバイスを提供しています。
1. 材料選定に影響を与える主要パラメータ
(1)比誘電率(Dk)と誘電正接(Df)
Dk(比誘電率):信号伝送速度に影響し、数値が低いほど信号遅延が少なくなり、高周波用途に適しています(例:5G、レーダー)。
Df(誘電正接):信号減衰率を示し、高周波回路(ミリ波、RFなど)では低Df材料(例:Rogers、テフロン)の使用が推奨されます。
主な適用材料と使用例:
FR4(標準エポキシ樹脂):Dk 約4.3、Df 約0.02、一般的なデジタル回路向け
高周波材料(例:Rogers RO4003C):Dk 約3.38、Df 約0.0027、5Gや衛星通信用途に最適
(2)ガラス転移温度(Tg)
Tgは材料が剛性状態から軟化状態へと移行する温度を示します。高Tg材料(170度以上)は自動車用電子機器や航空宇宙用途など高温環境での使用に適しています。
(3)熱膨張係数(CTE)
多層基板は高温下で層間剥離が発生しやすいため、CTEが一致する材料を選ぶことが重要です。特に高密度配線(HDI)基板では要注意です。
2. PCBGOGOの選材経験と市場動向
PCBGOGOの製造現場では、近年、通信機器や自動車電子機器における高周波-高放熱性材料の需要が著しく増加しています。材料選定の際には、以下の点を総合的に判断する必要があります。
- 信号速度要求:PCIe 5.0などの高速デジタル回路では低Dk/Df材料が必要です。
- 使用環境:高温-高湿環境下では高TgかつCAF耐性(電気導電性陽極フィラメント耐性)材料が推奨されます。
- コスト制約:高周波材料は価格が高いため、性能と予算のバランスを取ることが大切です。
3. エンジニア向け材料選定のポイント
- 用途ニーズを明確にする:動作周波数、使用温度範囲、使用環境などを事前に把握します。
- 業界の事例を参考にする:5Gモジュールや自動車用ECUなど、類似製品の材料構成を参考します。
- 製造業者へ相談する:PCBGOGOは専門的な材料選定サポートを提供しており、設計最適化とコスト削減の両立を支援します。
まとめ
多層基板における材料の合理的な選定は、製品の性能と信頼性を左右する重要な要素です。エンジニアは、電気的性能、機械的強度、コスト要因を総合的に考慮し、最適な材料を選ぶ必要があります。PCBGOGOは豊富な製造経験と専門知識を活かし、高信頼性かつ競争力のある製品開発を支援する材料選定アドバイスを提供しています。