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AIサーバーの世代交代が加速 PCB-CCL産業は数量と単価の双方で新たな成長局面へ
6 0 Nov 18.2025, 09:32:54

生成AIサーバーの更新サイクルが例年にないスピードで進む中、その中核部材であるプリント基板(PCB)および銅張積層板(CCL)にも高度化の波が押し寄せています。市場では、技術仕様のアップグレードに伴い、出荷数量だけでなく単価上昇が同時に進む「量価同時成長」の新サイクルが始まったとの見方が強まっています。


技術進化が価値向上を後押し

2026年下期より量産が予定されているエヌビディアの新世代「Rubinプラットフォーム」は、今回のアップグレードサイクルを象徴する存在とされています。高速伝送を要求する設計仕様により、業界はより高難度のM9クラスCCLおよび多層基板への移行を迫られています。

M9グレードのCCLでは、HVLP4銅箔や専用ガラスクロスを用いることで、従来のM8材料に比べてコストが約2--5倍に上昇。さらに、30層超のPCB設計や、ケーブルレス高速インターコネクト用バックプレーンといった新構造の採用が進むことで、サーバー1台あたりのPCB-CCLの搭載価値は大幅に増加します。


また、クラウド大手による自社開発AIチップ(ASIC)の高速進化も、高付加価値PCBの需要を押し上げる要因となっています。Google TPU v8 や AWS Trainium 3 などの新世代チップ投入により、ASICサーバー向けPCBは24層から30層以上へと移行しつつあります。TrendForceによれば、2025年における主要クラウド事業者の設備投資額は総額4200億ドルを超え、前年比61パーセント増と急拡大する見込みです。


コスト上昇と需給逼迫で値上げサイクルが本格化

一方、原材料価格の上昇も業界の値上げ基調を強めています。過去半年で銅価格は二七パーセント、ガラス繊維は72パーセント上昇し、CCLの加重平均コスト指数は40パーセント増加しました。加えて、高周波-高速向けCCLの供給ひっ迫が続いているほか、メーカー各社が高付加価値製品へ生産リソースを集中させることで、中低位グレード品の供給もタイト化しています。


業界の集中度が高いことから、CCLメーカーはコスト増を下流のPCBメーカーに転嫁しやすく、実際に価格改定の動きが広がり始めています。


市場では、AIサーバーの世代交代とクラウド大手のASIC投資拡大が相まって、PCB-CCLの需給逼迫は2026年以降も続くとの見方が強まっています。技術革新とコスト増が同時に進行する今回のサイクルは、サプライチェーンの競争環境を大きく塗り替える可能性があります。


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