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フレキシブル基板組立におけるよくある不良と対処法:実践マニュアル
5 0 Jul 02.2025, 16:02:45

フレキシブルプリント基板(FPC)は、現代の電子機器、とりわけスペースの制約がある携帯型デバイスにおいて不可欠な存在です。しかし、柔軟性ゆえにFPCの組立には特有の課題が伴い、はんだ付け不良、部品の位置ずれ、信頼性の低い接合などの不具合が発生しやすくなります。

なぜFPC組立の不良が重要なのか

FPCは折り曲げ可能な構造により、ウェアラブル機器、医療機器、車載電子機器などに最適ですが、その柔軟性が逆に構造的弱点にもなり、不良発生の原因となります。不適切なや部品のずれは、電気的な障害、製品寿命の短縮、高コストのリワークにつながります。不良を初期段階で対処することで、時間やコストを削減し、製品の性能基準を維持できます。


1. FPCのはんだ付け不良:原因と対策

FPCの薄く繊細な材料により、はんだ付け工程は特に注意が必要です。冷接合(コールドジョイント)、ブリッジ、パッドの剥離といった不良は、電気接続の断絶や機器の不具合を引き起こします。


代表的なはんだ付け不良:

冷接合(コールドジョイント): はんだが十分に溶けきらず、パッドやリードと適切に結合しない状態でございます。加熱不足が主な原因でございます。


ブリッジ: はんだ量の過多により、隣接するパッド間でショートが発生します。


パッド剥離: 過度な熱や機械的ストレスにより、銅パッドが基板から剥がれてしまいます。


対策:

適切な温度管理(260~300℃)が可能なはんだごてを使用します。


活性フラックスで表面を清浄し、はんだ濡れ性を向上させます。


FPCを平面な治具や耐熱マットで支持し、作業中の変形を防止します。


拡大鏡や顕微鏡での外観検査を徹底し、初期不良を早期に発見します。


2. 部品の位置ずれ:検出と修正

フレキ基板は柔軟性のため、部品配置時やはんだ付け中に部品が移動しやすく、位置ずれが発生します。これにより電気的接続不良や物理的ストレスが生じます。


原因:


基板のたわみ-変形による移動が発生します。


手動実装や自動実装でのピックアンドプレースの精度が不十分でございます。


リフロー工程での熱不均一が移動の要因となります。


対策:


剛性治具により基板を固定して作業を行います。


ステンシル設計を最適化し、適切なはんだペースト量を確保します。


リフロー炉の温度プロファイルを調整し、熱衝撃を抑えます。


自動光学検査(AOI)または手動検査によって位置ずれを確認します。


3. 接合部の信頼性:長期性能の確保

FPCの接合部(はんだジョイント)は、曲げや振動による疲労にさらされやすく、長期にわたり性能を保つことが困難でございます。


要因:


曲げによる機械的応力が加わります。


熱サイクルにより膨張-収縮の繰り返しが生じます。


熱膨張係数(CTE)の差異によって応力が発生します。


対策:


柔軟性の高いSAC305などの鉛フリー合金を使用します。


アンダーフィルやエポキシ樹脂により接合部を補強します。


設計段階で部品配置を最適化し、応力集中を避けます。


温度サイクル試験や屈曲試験を実施し、信頼性を確認します。

4. リワーク(修理)手順:最良の実施方法

FPCのリワーク作業は、基板の脆弱性ゆえに特に慎重な対応が必要でございます。誤ったリワークは、パッド剥離や配線損傷など新たな問題を引き起こします。


課題:


熱に弱い基材が損傷しやすいです。


細い配線が破損するリスクがあります。


作業空間が狭く、工具操作が難しいです。


対策:


温度制御可能なホットエアーステーションを使用します(250℃程度)。


周囲を耐熱テープで保護し、基板下に固定台を敷きます。


破損したパターンは導電性エポキシやジャンパー線で修復します。


使用ツール-手順を記録し、品質改善に役立てます。


5. コンフォーマルコーティング不良:予防と対処

FPC上のコンフォーマルコーティング不良は、防湿-防塵-機械的保護機能を損なう原因となります。特に繰り返しの曲げにより、剥離やひび割れが発生しやすくなります。


原因:


不均一なスプレーや塗布により厚みのムラが生じます。


コーティング材料が基材と適合しない場合に剥離します。


繰り返しの曲げがクラックを生じさせます。


対策:


シリコーンやポリウレタン系など柔軟性に優れた材料を選定します。


自動スプレーまたはディッピングにより均一な塗布を行います。


指定された温度と時間で適切に硬化させます(例:60℃で30分)。


UVランプによる確認を行い、必要に応じて再塗布します。

欠陥を防ぐための組立戦略

故障対策は重要ですが、初めから欠陥を防ぐことが最も効果的でございます。


DFM(製造容易性設計): ストレス集中を避ける設計、配線の最適化、柔軟性への配慮を行います。


技術者の教育: 適切な作業手順とツールの使用を習得させます。


品質管理の強化: AOIやX線検査(AXI)などの工程内検査を実施します。


信頼できるパートナーとの協業: PCBGOGOのような経験豊富な製造会社と連携し、最先端の技術と品質を確保します。


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