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用途別に見るPCB設計工芸技術標準の違いとは

4 0 Dec 22.2025, 09:13:14

PCBは、消費者向け電子機器から産業機器、車載システム、医療機器、航空宇宙分野まで、非常に幅広い分野で使用されています。用途ごとに求められる性能要件が大きく異なるため、PCB設計工芸技術標準も分野別に明確な差異があります。設計時に異なる分野の標準を混同してしまうと、認証不合格や量産不可といった重大な問題につながります。本記事では、IPC国際規格とPCBGOGOの豊富な業界経験をもとに、消費電子、工業制御、車載電子、航空宇宙、医療機器の5分野における基板設計工芸技術標準の違いを詳しく解説します。

分野別PCB設計工芸技術標準の主な違い

異なる用途分野におけるPCB設計工芸技術標準の差異は、主に以下の4点に表れます。

材料選定
設計ルール
製造プロセス条件
検査および評価基準

以下、各分野ごとに詳しく見ていきます。


1.消費電子分野のPCB設計基準

消費電子分野のPCBは、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチなどに使用され、小型化、軽量化、低コストが重視されます。設計基準は主にIPC 2221 印刷配線板設計通則と、IPC 6012 剛性プリント配線板の性能規格におけるClass 1要件に準拠します。

材料は一般的なFR 4基材が中心で、Tgは130℃以上、難燃性はUL94 V 0、銅厚は1oz以下が一般的です。
設計ルールとしては、最小線幅および線間距離は3mil、最小ビア径は0.3mm、BGAピッチは0.5mm以上が目安となります。
製造条件では、エッチングファクター3以上、ソルダーレジスト厚10μmから25μm、めっき厚5μmから10μmが標準です。
検査はAOI外観検査が中心で、軽微な傷や凹みなど外観上の軽度欠陥は許容される場合があります。

PCBGOGOでは、消費電子向けにさらに厳しい社内基準を設定し、最小線幅および線間距離を2mil、ビア径を0.25mmまで対応しています。また、最短24時間の短納期対応により、製品の高速開発サイクルを支援しています。


2. 工業制御分野のPCB設計基準

工業制御用PCBは、PLC、インバータ、サーボシステムなどに使用され、高信頼性と広い動作温度範囲が求められます。IPC 2221およびIPC 6012のClass 2要件が主な設計基準です。

材料は高Tg FR 4が使用され、Tgは150℃以上、銅厚は1ozから2ozが一般的です。
設計ルールでは、最小線幅および線間距離は4mil、最小ビア径は0.4mm、BGAピッチは0.6mm以上が推奨されます。
製造条件としては、エッチングファクター3.2以上、ソルダーレジスト厚15μmから30μm、めっき厚10μmから15μmが基準となります。
検査ではAOIに加え、電気検査を実施し、短絡や断線など電気特性に影響する欠陥は許容されません。

PCBGOGOでは、高精度設備と厳格な工程管理により、線幅誤差をプラスマイナス0.1mil以内に制御しています。また、ISO 9001およびISO 14001認証を取得し、工業用途に求められる品質水準を満たしています。


3. 車載電子分野のPCB設計基準

車載電子用PCBは、カーナビ、エンジン制御ユニット、エアバッグシステムなどに使用され、高温耐性、耐振動性、長期信頼性が不可欠です。IPC 6012 DS 車載用剛性プリント配線板規格およびIATF 16949が主要基準となります。

材料は高Tgかつ高熱膨張特性を持つFR 4が使用され、Tgは170℃以上、銅厚は2oz以上が一般的です。
設計ルールでは、最小線幅および線間距離は5mil、最小ビア径は0.5mm、BGAピッチは0.7mm以上が必要です。
製造条件として、エッチングファクター3.5以上、ソルダーレジスト厚20μmから35μm、めっき厚15μmから20μmが求められます。
検査はAOI、X線検査に加え、温度サイクル試験、振動試験、塩水噴霧試験などの信頼性試験が実施されます。

PCBGOGOは専用の車載PCB生産ラインを構築し、IATF 16949認証を取得しています。無鉛はんだプロセスやコンフォーマルコーティングを採用し、環境対応と耐腐食性の両立を実現しています。


4. 医療機器分野のPCB設計基準

医療機器向けPCBは、心電計、MRI装置、人工呼吸器などに使用され、高信頼性、高精度、耐ノイズ性が求められます。IPC 2221、IPC 6012のClass 3要件に加え、ISO 13485 医療機器品質マネジメント規格に準拠します。

材料は高Tg FR 4やポリイミド基材が用いられ、Tgは170℃以上、銅厚は1ozから2ozが一般的です。
設計ルールは車載分野と同様に、最小線幅および線間距離5mil、最小ビア径0.5mm、BGAピッチ0.7mm以上が目安です。
製造条件では、エッチングファクター3.5以上、ソルダーレジスト厚20μmから35μm、めっき厚15μmから20μmが要求されます。
検査ではAOI、X線検査、温度試験、振動試験に加え、生体適合性評価が実施されます。

PCBGOGOは医療用専用生産ラインを保有し、ISO 13485認証を取得しています。ハロゲンフリー材料の採用や電磁シールド設計により、高い安全性と耐干渉性能を実現しています。


まとめ

PCB設計工芸技術標準は、用途分野によって大きく異なります。エンジニアは製品の使用環境と要求性能を正しく理解し、適切な規格と設計基準を選定することが不可欠です。

PCBGOGOは多分野にわたる豊富な製造実績と技術ノウハウを活かし、用途別に最適化されたPCBソリューションを提供しています。各種IPC規格や業界認証に準拠した設計と製造により、確実な製品品質と量産成功をサポートします。


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