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コストを抑えて失敗しない。両面基板 SMT の4つの節約ポイント

2 0 Dec 16.2025, 14:30:23

民生機器でも産業機器でも、製造コストの管理は経営者や生産管理担当者にとって最重要課題です。
「両面基板 SMT は単面基板よりコストが高い」と考え、最初から選択肢から外してしまうケースも少なくありません。しかし実際には、設計と生産方法を最適化すれば、両面基板 SMT は性能を確保しながら、トータルコストを抑えることが可能です。

PCB 業界で10年以上の実務経験を持つ技術運営の立場から、今回は実際の生産現場で効果が出た、両面基板 SMT のコスト削減ノウハウ4選をご紹介します。無駄なコストを減らしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

パネル設計の最適化で材料利用率を20%向上

PCB 材料費は、両面基板 SMT の総コストの約30%--40%を占めます。コスト削減の第一歩は、材料利用率の向上です。

両面基板は、表裏の両面に部品を実装できるため、単面基板よりもパネル設計の自由度が高く、不要な工程余白を最小限に抑えることができます。適切にパネル化することで、材料利用率を単面基板の約70%から、最大90%程度まで高めることが可能です。これは、同じ材料面積で約20%多くの製品を生産できる計算になります。

PCBGOGO の産業インターネットプラットフォームには「スマートパネル化」機能があり、Gerber データをアップロードするだけで、部品配置や基板サイズに基づいた最適なパネル設計を自動提案します。工程用マージンを統一し、生産時の位置決め精度を確保しながら、端材ロスを最小化できます。

実際に小型ルーターを製造しているお客様では、単面基板時の材料利用率が65%でしたが、両面基板に切り替え、スマートパネル化を導入したことで88%まで改善し、材料コストを約26%削減できました。

2. 適切な部品選定で「過剰設計」を回避

部品選定において、必要以上に高スペックな部品を採用してしまうケースは少なくありません。例えば、0402 サイズで十分な抵抗やコンデンサに対して、0201 サイズを使用すると、部品単価が上がるだけでなく、実装難易度も高くなります。

両面基板 SMT では「必要十分なスペック」を基準に部品を選定することが重要です。受動部品は 0402 や 0603 などの汎用サイズを基本とし、主要 IC にはコストパフォーマンスに優れた実績品を採用することで、性能とコストのバランスを最適化できます。

また、両面基板は「混載実装」に適しており、重要な回路部分には高精度部品を使用し、それ以外の領域には標準部品を使うことで、全体コストをさらに約10%削減することも可能です。

PCBGOGO の DFM チェックサービスでは、設計段階で部品選定を確認し、性能を維持しながらコストを抑えられる代替部品を提案します。
スマートプラグを製造しているあるお客様では、単面基板時に全て 0201 部品を使用しており、部品コストは1枚あたり約160円でした。両面基板に変更し、0402 部品へ最適化した結果、部品コストは約5元まで低減し、性能面での影響は一切ありませんでした。

3. 量産メリットを活用。小ロットでも「まとめ生産」でコスト削減

両面基板 SMT は、量産時のコストメリットが非常に大きいのが特長です。生産数量が増えるほど、1平方メートルあたりの実装コストは低下します。

PCBGOGO の両面基板 SMT では、実装費用が 1平方メートルあたり5400円から設定されており、500平方メートル以上の量産では、さらに約10%の割引が適用されます。
小ロットの場合でも、他のお客様の注文と「まとめ生産」を行うことで、専用ライン立ち上げ費用を負担することなく、量産価格の恩恵を受けることができます。

実例として、スマートロックを製造しているお客様は、月間生産量が200平方メートル程度でした。単独生産では 6400円/平方メートルかかっていましたが、他2社とまとめ生産を行い、合計600平方メートルとなったことで、6000円/平方メートルまでコストを削減できました。月間で約12000円のコスト削減につながっています。

なお、まとめ生産でも納期への影響はなく、PCBGOGO の柔軟な生産ラインにより、通常と同じく約3日での出荷が可能です。

4. 再作業を減らす。歩留まり向上が最大の節約ポイント

再作業や不良による損失は、見えにくいコスト要因です。単面基板 SMT の歩留まりは一般的に95%--97%程度で、再作業が発生すると材料費だけでなく、納期遅延のリスクも高まります。

一方、両面基板 SMT は工程管理が安定しやすく、量産時の歩留まりを99%以上で維持することが可能です。再作業によるロスがほぼ発生しないため、中長期的に見ると大きなコスト削減効果が得られます。

両面基板 SMT のコスト削減は「効率-ロス削減-量産効果」が鍵

両面基板 SMT でコストを抑えるポイントは明確です。
パネル設計の最適化で材料利用率を高め、適切な部品選定で過剰設計を避け、量産やまとめ生産で単価を下げ、高い歩留まりで再作業を防ぐこと。これらを組み合わせることで、性能を犠牲にせずに製造コストを最適化できます。

コスト圧縮と性能維持を両立したい場合、両面基板 SMT は非常に有効な選択肢です。
PCBGOGO では、パネル設計、部品選定、製造まで一貫したコスト最適化をサポートし、オンライン見積もりで事前に詳細なコストを確認できます。さらに、無料試作による検証も可能です。
コスト削減に課題を感じている方は、ぜひ PCBGOGO の生産チームまでお気軽にご相談ください。


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