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完全なはんだ印刷検査プロセス:SMT分解ガイド

174 0 Dec 09.2025, 10:33:06

はんだ印刷検査(SPI)は、SMT(表面実装技術)組立における非接触式3D計測プロセスです。はんだ印刷後、部品実装前のタイミングで実施され、印刷品質と精度を確認することが目的です。特に部品の小型化と基板の高密度化が進む現在では、SPIは歩留まり確保の鍵となる工程です。本記事では、SPIが必要とされる理由と、実際の検査プロセスについて段階的に解説します。

なぜはんだ印刷検査が必要なのか

SMT欠陥の約60?80%は、印刷工程の品質に直接関係しています。短絡、開放、接触不良などの不具合は、はんだ量や形状、位置の問題に起因します。SPIが検出する代表的な欠陥は以下のとおりです。

はんだ量不足は開放や接合強度低下の原因になります。はんだ体積過多は隣接パッド間のブリッジ(短絡)につながります。X軸やY軸方向の位置ズレは接合不良や短絡を引き起こします。はんだのにじみや塌陷は流動や拡散を示し、短絡につながる可能性があります。面積や形状の不一致は、ステンシル開口と印刷結果の差を示し、結合品質を悪化させます。さらに、パッド上にまったくはんだが印刷されていない場合は開放が確実に発生します。

完全なSPIプロセス:詳細ステップ

SPIは専用の3D測定機を使用し、SMT生産ラインにシームレスに統合されます。

ステップ1:PCB搬送と位置決め

はんだ印刷機から搬送されたプリント基板(PCB)はSPI装置に送り込まれます。PCBは検査中、完全に平坦で安定した状態を維持する必要があり、基準マークを使用して高精度に位置決めします。

ステップ2:3Dデータ取得(測定)

SPIの中心となる工程は印刷されたはんだの3D形状を取得することです。最新のSPIは完全3D方式を採用しており、2D方式でははんだ体積を信頼性高く測定できません。

レーザー三角測量やストライプ投影といった構造光を使用し、パターン光をはんだ表面に投射します。高解像度カメラが反射した光の変化を捉え、高さの差を三角測量原理に基づいて検出します。取得した画像データはアルゴリズムにより解析され、各はんだ印刷の高さプロファイルを算出し、精密な3Dモデルを生成します。

ステップ3:画像処理と特徴抽出

取得した3Dデータは、個々のはんだ印刷領域ごとに分離され、分析されます。Gerberデータを参照し、パッド位置と境界を特定します。各パッドについて以下の定量データが抽出されます。

体積(最も重要な指標)や面積、最大高さ、形状、X方向およびY方向の位置ズレが分析されます。

ステップ4:品質判定

測定値は工程エンジニアによって設定された公差と比較されます。公差はGerberの理想値に対する百分率で設定され、例えば体積については一般的に±20%といった範囲が採用されます。この範囲を外れた印刷は不良として判定されます。

ステップ5:データレポートとフィードバック

SPIプロセスの中で最も価値ある部分は、検出結果を生産ラインにフィードバックする機能です。不良データは記録され、操作員に視覚的に提示されます。統計的工程管理(SPC)により、複数基板で平均はんだ量が連続して低下し始めた場合、SPIは自動的に印刷機に清掃実行、ステンシルやスキージの問題を警告する信号を出します。こうした閉ループ制御は、本格的なSMT工程管理に不可欠です。また、はんだ印刷不良はリフロー前に手動リワークされるため、リフロー後の高コストな修理作業を防止できます。

SPIが測定する主要指標

SPIは主観的な検査ではなく、客観的な数値データを提供することで、印刷工程をデータベースの管理へと変えます。体積は面積と平均高さから算出され、最終的なはんだ量と直結します。高さはステンシル厚みやスキージ圧に影響します。面積は拡散やステンシル開口の状態を示します。位置ズレは印刷機のアライメント精度を評価します。ブリッジは体積過多や形状不良に関連します。

まとめ:SPIによる品質と生産性の向上

はんだ印刷検査は、複雑で高密度なPCBを扱う際の必須プロセスです。SPIは印刷されたはんだの3D特徴を精密に取得し、閉ループ制御によって統計的工程管理(SPC)を実現します。このアプローチにより、リフロー後に発生する高コストな欠陥が発生する前に問題を検出し、部品実装と最終接合の信頼性を確保できます。

PCB組立パートナーを選定する際には、高度な品質管理、とくに100%の3D SPI検査を実施しているかが重要な判断基準になります。PCBGOGOでは、最新のSPI技術を品質保証プロセスの中心に据え、組立の初期段階から設計品質を守ります。次のプロジェクトでは、精密なSPI検査を導入している製造パートナーを選び、品質と歩留まり向上のメリットをぜひご体感ください。


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