営業部:営業時間 日本時間 10:00~19:00(土日祝日定休)
****

無鉛波はんだの温度は何度か

3 0 Dec 25.2025, 09:11:42

無鉛波はんだにおける温度管理は、非常に重要かつ複雑なプロセスです。主に予熱ゾーン、はんだ付けゾーン、冷却ゾーンの3つの工程で構成されており、それぞれの温度設定がはんだ品質と基板信頼性を大きく左右します。以下では、無鉛波はんだの温度条件について、工程別に詳しく解説します。

1. 予熱ゾーンの温度管理

予熱工程は、基板全体を均一に加熱し、熱衝撃やはんだ不良を防ぐための重要なステップです。

予熱ゾーンの温度は、一般的に90℃--120℃に設定されます。
予熱時間は80秒--150秒が推奨されており、多くの現場では約120秒が標準とされています。
昇温速度は5℃/s以下に抑える必要があり、これによりPCBが均一に加熱され、局所的な過熱を防止できます。

実際の予熱プロセスでは、約80℃の低温から徐々に昇温し、最終的に130℃未満まで上げます。装置の立ち上げから安定温度に到達するまでには、通常5--10分程度を要します。なお、PCB表面の予熱温度は180℃以下に制御することが重要で、これを超えると基板や部品の劣化リスクが高まります。

2. はんだ付けゾーンの温度条件

はんだ付けゾーンは、無鉛波はんだ工程において最も重要な工程です。

無鉛はんだのはんだ付け温度は、一般的に245℃±10℃に設定されます。この温度範囲により、はんだが十分に溶融し、信頼性の高い接合が形成されます。
はんだ槽(はんだバス)の最適温度は250℃--265℃とされており、はんだの流動性と濡れ性を確保するために重要です。

加熱の昇温速度は1--3℃/sが適切で、急激な温度変化による部品への熱ストレスを防止します。
また、チップ部品とウェーブはんだとの接触時の基板温度は180℃以上を確保する必要があり、これにより安定した熱伝達とはんだ形成が可能になります。

3. 冷却ゾーンの温度制御

冷却工程では、はんだ接合部を適切に固化させ、はんだ品質を安定させます。

冷却時の降温速度は、冷却方式に応じて5--12℃/sに設定されるのが一般的です。この範囲内で急冷することで、はんだ組織が安定し、接合強度が向上します。
冷却出口におけるPCB温度は100℃以下が望ましく、高温状態での排出は基板変形や信頼性低下の原因となるため注意が必要です。

4. 温度管理における注意点

無鉛波はんだでは、温度プロファイルの適切な設定と管理が不可欠です。温度条件は、使用するPCB、はんだバー、フラックスのメーカーが提供する仕様データを参考にし、実際の製品や工程条件に合わせて最適化する必要があります。

実測温度と装置表示温度の差は5℃以内に抑えることが推奨されます。治具を使用している場合でも、その差は10℃以内に管理する必要があります。この範囲を超えた場合は、速やかに調整を行い、設備エンジニアによる点検を実施する必要があります。

一度確立した温度プロファイルは、安易に変更すべきではありません。重要なパラメータを変更する場合は、必ず設備エンジニアの確認を経て、記録を残した上で使用することが求められます。
また、製品切り替え時や機種変更時には、必ず炉温プロファイルの測定を実施し、工程条件が適正であることを確認する必要があります。

まとめ

無鉛波はんだ工程では、厳密な熱マネジメントが不可欠です。安定した予熱、適切なはんだ槽のピーク温度、そして制御された冷却プロセスを維持することで、はんだブリッジ、つらら、スルーホールのはんだ充填不足といった代表的な不良を効果的に防止できます。

PCBGOGOは、高品質なSMTおよびスルーホール実装に注力し、最新の波はんだ装置と厳格な温度解析を導入しています。無鉛製品においても、高い耐久性と信頼性を実現するPCBA製造サービスを提供しています。


記事を書く
人気のキーワード