なぜ両面PCBのSMTが中小ロット生産の最適解なのか
現場の課題に直結する3つの決定的メリット
基板業界で10年以上技術運営に携わる中で、中小ロット生産のメーカー様からよく聞かれる質問があります。「数量が多くない。納期は短い。しかもコストは抑えたい。単面基板か両面SMTか、どちらを選ぶべきか。」
結論は明確です。中小ロットでは両面PCBのSMTが最適解です。
単面基板は確かに安価ですが、搭載可能な部品数が限られ、少し複雑な製品には対応できません。一方、多層基板は性能面では優れていますが、材料費と製造コストが高く、中小ロットでは負担が大きくなります。
両面SMTはこの中間に位置し、機能要求、コスト、納期のバランスを最も現実的に満たします。ここでは、両面SMTが中小ロット生産で選ばれる理由を3つの視点から解説します。
1. 実装スペースを最大限活用できる
部品が載らない悩みを根本から解消
近年、スマートウオッチや携帯型デバイスなど、製品の小型化が急速に進んでいます。PCBの面積はミリ単位で削られ、単面基板では抵抗やコンデンサだけでも配置が限界に達し、ICやセンサーを載せきれないケースが頻発します。
両面基板のSMTでは、表裏の両面に部品を実装できるため、実質的な使用面積が倍増します。同一サイズの基板で比較すると、両面基板は単面基板の1.5倍から2倍の部品を搭載可能です。
PCBGOGOが対応したスマートバンドメーカーでは、単面SMT使用時に部品密度が限界となり、追加の中継基板が必要でした。両面SMTへ切り替えた結果、部品の一部を裏面に移設し、基板面積を30パーセント削減、製品厚みは2mm低減、さらに電池寿命が15パーセント向上しました。
また、両面SMTは01005サイズ(0.4mm×0.2mm)の超小型部品にも対応可能です。PCBGOGOではシーメンス製高速マウンタを採用し、実装精度は±50マイクロメートルを確保しており、高密度設計でも安定した実装品質を実現しています。
2. 工法の自由度が高く
中小ロットでも柔軟な対応が可能
中小ロット生産で最も厄介なのは、品種が多く仕様変更が頻繁な点です。SMT実装だけでなく、挿入部品の後付け、混載実装、表面処理の違いなど、注文ごとに条件が異なります。
両面SMTは単面基板と比べて工法の適応力が高く、純SMT実装はもちろん、挿入部品との混載、無電解金や無電解銀など多様な表面処理にも対応できます。民生機器から産業用制御機器まで、幅広い用途をカバーできます。
PCBGOGOの両面SMT生産ラインは柔軟構成となっており、1ラインで1シフトあたり25から30種類の製品を同時に対応可能です。段取り替え時間は1時間以内で完了し、多品種少量生産に最適化されています。
スマートホーム用コントローラを製造するある顧客では、月に10種類以上のモデルを扱い、各モデルの数量は数千円規模でした。単面基板では段取り替えが非効率で、歩留まりも不安定でしたが、PCBGOGOの両面SMTへ切り替えたことで切り替え効率が向上し、無料試作で事前検証を行った結果、不良率は3パーセントから0.8パーセントまで低減しました。
3. 総合的なコストパフォーマンスが高い
コストと性能の両立が可能
両面基板は単面基板より高いと考えられがちですが、総合コストで見ると必ずしもそうではありません。
単面基板は材料費こそ安価ですが、部品点数が増えると基板サイズの拡大や中継基板の追加が必要となり、結果的にコストが増加します。
一方、多層基板は材料と製造工程のコストが両面基板より30から50パーセント高く、中小ロットでは過剰仕様になりがちです。
両面SMTは材料コストが単面基板より10から15パーセント高い程度ですが、基板サイズ削減、組立簡略化、追加基板不要といった効果により、トータルコストはむしろ低下します。
PCBGOGOでは両面SMTの量産価格も現実的で、実装費は1平方メートルあたり5360円から対応しています。江蘇、浙江、上海、広東、江西、安徽エリアでは送料無料対応も行っています。
小型センサーを製造する顧客では、単面基板使用時の総コストが1平方メートルあたり7000円でしたが、両面SMTへ切り替えたことで6000円まで低減し、性能向上とともに受注数量も数千円規模から数万円規模へと拡大しました。
まとめ
中小ロット生産において両面PCBのSMTを選ぶことは、必要十分な性能、管理可能なコスト、柔軟な納期対応を同時に手に入れる選択です。
多品種少量で、小型化と安定性を求める製品には特に有効です。
PCBGOGOは4つの製造拠点を有し、無料DFMレビューによる実装最適化、24時間対応の短納期試作、3日量産対応を提供しています。注文条件に応じた最適な両面SMTソリューションをご提案できますので、ぜひオンライン発注システムからご相談ください。
